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【J1:第12節 浦和 vs 清水】レポート:清水対策が当たった浦和が勝利。ホームでは6年ぶりとなる白星!(12.05.20)

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「浦和のようなプレーをして勝つよりも、清水のような戦い方をして負ける方がいいと思っている。我々のスタイルそのものがポジティブな要素だと思う。ファンというのはホームで11人で守ってカウンターを狙うよりも、我々のような攻撃的なサッカーを見たいと思う」。

試合後、清水のアフシンゴトビ監督は悔しさを隠し切れずにそうコメントしたが、その気持ちはわからなくもない。確かに清水はリスクを負った積極的なサッカーをしようとしていた。後方からでも簡単にボールを蹴らずにパスをつないで崩そうと試み、ボールを失ったら、かわされることも恐れずに前からプレッシャーをかけようとしていた。しかし、それが機能したかと言えば、(昨日の試合に関しては)答えはノーだ。清水は「清水のような戦い方」を見せることはできていなかった。

対戦相手を“アンチフットボール”と批判するような発言は、例えばバルセロナが守りを固めて攻撃を捨てる格下のチームに勝てなかった時にしばしば聞かれる。バルセロナの方がチャンスを数多く作り、バルセロナの方が多くのシュートを放つ。守りを固められて勝てなかった時でも、彼らは「バルセロナのような戦い方」を表現している(自分たちの“フットボール”こそが正義という排他主義のような態度は個人的には賛同しかねるが……)。

では、この試合はどうだったか。

どちらの方がチャンスを多く作ったのか。どちらの方が数多くのシュートを放ったのか。いずれも清水ではない。チャンスで決められずにラッキーパンチに泣くというのが“アンチフットボール”ではしばしば見られるが、この試合でチャンスが全てゴールになっていたとしたら、浦和は大勝という結果を手にしていた。清水のシュートは5本であり、枠内に飛んだものは1本もなかった。浦和はミスと相手GKのファインセーブで何回も決定機を逃していた。

サッカーは相手あってのスポーツだ。自分たちのやりたいことだけやっても、相当の実力差がなければ、そのやり方がハマる相手にしか勝てないことが多い。名将イビチャ・オシムはよく「相手をリスペクトしなければいけない」と言っていた。それは相手のサッカーに合わせて自分たちのスタイルを捨てるということではなく、相手に長所をなるべく出させないようにしながら自分たちの長所を出すということだ。

この日の浦和は相手をリスペクトし、「清水のストロングポイントは両サイドの攻撃だが、我々はマークをしっかり受け渡しながら戦うことができた。相手の強みをうまく抑えることができた」とミハイロ ペトロヴィッチ監督が振り返ったように、清水に長所を発揮させないように戦った。

その上で自分たちの武器を有効活用した。ゴトビ監督は浦和の戦い方を批判したが、浦和はただ単に守りを固めていただけではない。「引いて守って縦ポン」だったならば、あるいはその非難も妥当だったかもしれないが、浦和はボールを持ったら素早い攻守の切り替えから連携した動き出しでゴールを狙った。日々磨きをかけている得意のコンビネーションプレーで清水の守備を揺さぶった。「ラインが高いのはわかっていた」と柏木陽介が話したように、相手の出方を利用した仕掛けもあった。

一方の清水には、浦和の特徴や弱点を意識したような仕掛けは少なかったように思う。ペトロヴィッチ監督のサッカーでは5バックで守るが、攻撃時には5トップのような形になるというのは広く知られている。守りを固めて2人だけで攻めるような戦い方はしないというのは広島時代から変わっていない。清水としては、例えばハイプレスをかけても簡単にボールが取れないということがわかった時点で、浦和にあえてボールを持たせ、その時にできるスペースを有効活用するような狙いがあってもよかったのではないか。しかし清水はあくまでスタイルを貫き、結果は0−1というものになった。

“スタイルを貫く”ことも、“相手をリスペクトして長所を発揮させない”ことも、どちらもフットボールであろう。今節は浦和が清水への対策を実らせ、優れたパフォーマンスを見せて勝利を収めた。浦和は、埼玉スタジアムでは6年ぶりにリーグ戦で清水から白星を挙げた。

以上

2012.05.20 Reported by 神谷正明
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