F東京の選手たちは、口々に、同じような言葉を使った。
「普通に、強いチームだと思います」(DF徳永悠平)
「今年の活躍はサプライズじゃない」(GK権田修一)
おそらくJ2フリークならJ1での鳥栖の躍進に驚きはなかったはずだ。なぜなら昨季のJ2リーグの終盤に安定して勝点を積み上げたチームであり、F東京が最も苦戦を強いられた相手だったからだ。今季ともにJ1へ昇格してきた両クラブはF東京が6位につけ、7位で鳥栖が後を追う。ポポヴィッチ監督も、鳥栖をライバルだと呼んだ。
「J2からともに上がってきた彼らはライバルと呼べるチームです。彼らにはディシプリンがある。一人ひとりが責任を持って戦える。それは、Jリーグでもトップクラスのチームだと言えるでしょう」
鳥栖は誰一人としてサボらない。前線のFW豊田陽平はフィジカルコンタクトの強さを生かして攻撃を引っ張り、プレスバックして守備にも加わる。攻撃も、守備も常に一体となってチームとして動き、最後までプレーをやりきる。中盤でパスをつなぐF東京のスタイルは、相性がいいとは呼べない。また、その規律正しいサッカーで、常にシーソーゲームを演じてきた。それが、戦績にも表れている。今季のJ1で2失点以上した試合はわずかに1試合。引き分けはリーグ最多の5試合を数える。
F東京は、辛抱強くゲームを戦う必要がある。教訓にしたいのが、アウェイの仙台戦だろう。あの一戦は、辛抱強くボールを動かして前半を0−0で折り返し、後半に勝負を仕掛けるプランだったはずだ。しかし、前半終了間際に先制を許して混乱したまま、迎えた後半に失点を重ねてしまった。まずは、ゴールが遠くても焦らず、ボールを動かし続けていくことが大切だ。
権田は「みんなでがんばるチームと呼ばれるチームに、がんばりが足りなくて負けるのが一番悔しい。個でも組織でも負けたくない」と言う。度重なる長距離移動によって体力的には疲労困憊の選手がいるのも事実だ。しかし、鳥栖から勝点を奪うには、中盤のせめぎあいでも負けられない。そこで差が出れば、鳥栖に付け入る隙を与えてしまう。辛抱強く戦いつつ、後半の勝負の時間帯に16日のACL蔚山戦の後半をうまく生かしたい。
蔚山戦では相手の足が止まった時間に、ルーカスを左サイドに置いて何度もいい崩しが生まれた。ルーカスは「ガンバのときのポジションで、久しぶりの左サイドだったから。ラストパス、シュート、スルーパスのタイミングがまだちょっと悪かった。楽しかったし、すごく面白かった。でも、まだまだ」と言う。サイドの高い位置に起点を作り、そこから横パスと縦の動きを絡めて5バックで守る蔚山を崩した。さらに、そこに石川直宏も負傷から復帰し、攻撃に迫力を生むカードも揃った。感動すら覚えるライバルのハードワークを味スタで切り崩す準備は整っている。
以上
2012.05.19 Reported by 馬場康平
J’s GOALニュース
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