戦術、選手交代、プレー精度、個人スキル、スカウティング、決定力、集中力・・・敗因を挙げていけばキリがない。ゲームを振り返っていま思うことは、チームに力がないということ。5連敗中の草津は連敗脱出をかけて3連敗中の栃木を迎え撃ったが、サポーターの願いも虚しく敗れた。気合や闘志だけで勝てるほどJ2は甘くない。
草津は、ゲームが落ち着く前の開始6分にいきなりゴールネットを揺らされてしまう。右CKを守備陣が弾いたボールは、パウリーニョの右足によってゴールへと叩き込まれる。「ブラインドになっていて、見えたときにはゴールに入っていた」(GK北一真)。あまりにも衝撃的なゴールに草津のホーム敷島は、アウェイ側スタンドをのぞいて静まり返ってしまう。
さらに29分、草津にとっては脱力してしまうようなゴールをまたもや見ることになってしまう。菊岡拓朗がニアサイドへ蹴った左CKが、ニアでブロックをしていた熊林親吾とリンコンの間を抜けてゴールへと転がり込む。偶然のゴールとも思われたが、栃木のスカウティングと菊岡の精度高いキックが生んだゴールだった。
草津のニアサイドに弱点をみつけた栃木は、ニアにいた熊林親吾を外へ誘い出すと、空いたスペースへボールを送り込んだ。伏線はあった。菊岡はその直前にも同じニアサイドへCKを蹴り、草津の守備が不安定になるのを確認していた。「スカウティングでニアが弱いのが分かっていたので2本目はゴールを狙っていった」(菊岡)。草津は、試合前日の練習でセットプレーの守備を確認したというが、甘さがあったことは否めない。
35分、草津は失点に絡みさらに直後の決定機を外したリンコンを懲罰采配によりベンチへ下げる。すると代わりに入った金成勇が、熊林親吾のスルーパスを受けゴールへ突進、DF2人を背負いながらもゴールへと流し込み1点を返す。「前半のうちに1点を返すことだけを考えていた」(金成勇)。草津は金成勇のゴールで後半へ望みをつなぐ。
気合いの円陣を組んで後半に入った草津だが、セカンドボールへの反応が遅く主導権を奪い返せない。終盤、熊林、永田を下げて土井良太、横山翔平を投入しパワープレーを仕掛けていくが栃木の粘り強いDFに弾き返されてゴールが遠く感じた。結局、草津は後半に放ったシュートはわずかに1本、戦う姿勢はみえたがチームの完成度は栃木に及ばなかった。草津は、9節水戸戦に続いて北関東ダービー2連敗。ダービーで勝てなければサポーターの気持ちに応えることはできない。
一方の栃木は2点を守り抜いて連敗をストップした。松田監督が「シンプルな形から効率よく2点を奪うことができた」と話したが、先制したことで有利にゲームを運んだ。菊岡拓朗、高木和正、パウリーニョら中盤の技術とプレー精度は高く、今後、順位を上げていく可能性が高い。17日には、悪天候で中断した前節福岡戦が控えているが、再試合は後半24分からとなり残り21分を切り抜ければ勝点3が転がり込む。菊岡は「福岡が攻めてくるのは分かっているので受け身にならずアグレッシブに戦いたい」と連勝を狙う。
草津はクラブワースト記録にあと一つと迫る悪夢の6連敗となった。試合後のバックスタンド前ではサポーターと選手が悔しさのあまり涙をみせた。この涙を次へつなげなければいけない。
以上
2012.05.14 Reported by 伊藤寿学
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