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【AFCチャンピオンズリーグ2012 柏 vs ブリーラム】レポート:レアンドロ ドミンゲスの華麗なる一撃!自力のグループリーグ突破へ向けて、大きな1勝を手にした。(12.05.02)

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ブリーラムのシステムは特殊である。システム表記上は4−4−2も、2トップは両サイドに開き、4−6−0のような“0トップ”の隊形を取る。そして、中盤中央のスチャオ ヌットヌム、ティーラトン ブンマタンが機を見て前線に飛び出して攻撃にアクセントと変化を加えてくる。

ブリーラムで最も警戒すべき2選手、両ワイドに開く爆発的なスピードを持つフランク オハンザとフランク アチェアンポンには、酒井宏樹と橋本和がそれぞれ食らい付き、センターバックがカバーに回って応戦。また、中盤から前線に飛び出すブリーラムの選手のマーキングの受け渡しがボランチとセンターバックには求められ、さらにボランチにはボールホルダーへの素早いチェックと潰しが必要となったのだが、そこで戦術上の“肝”となったのが、柏のMFの中では最も高い守備力を持ち、タイトなマーキングで相手選手を潰せる安英学だ。ボールを持たれた時にはズルズルと相手に運ばれることなく、安英学はガツンとボールホルダーを潰し、たとえ潰せなかったとしても、懐の深いスライディングで相手の足元にあるボールを突くことで攻撃の流れを断ち切り、ブリーラムにリズムを与えない。

オハンザとアチェアンポンが両ワイドの高い位置で張る時に中盤でボールを奪えれば、柏にとってはレアンドロ ドミンゲスとジョルジ ワグネルの周囲には、彼らが自由に動けるスペースが存在していることになる。そこでは円滑なパス回しと、空いた味方に的確なパスを供給できる茨田陽生のセンスが光った。潰し役の安英学と供給源の茨田、すなわち「中盤の特徴に変化を付けたかった」というネルシーニョ監督の狙いがハマった形となり、ブリーラムの中盤が柏のブラジリアン・デュオへのマークに引っ張り出されるならば、今度は前線の北嶋秀朗がバイタルエリアのスペースへ降りてクサビの縦パスを受け、攻撃にテンポを付ける。また、北嶋は気の利くタイプのFWであるため、パートナーを組むリカルド ロボとも狙うスペースが被らず、裏へ出るパスにはロボも前を向いて突進し、彼らしく果敢にシュートを放つ場面も見受けられた。

前線からの守備も機能し、リズムを掴んだ時間帯にあった24分。ジョルジとロボの献身的な守備からボールを奪った柏がショートカウンターを仕掛け、北嶋からレアンドロへパスが渡る。ドリブルで中央突破に出たレアンドロは、巧みなステップでブリーラム守備陣を次々とかわし、グラウンダーの左足シュートをゴールに突き刺す。柏が待望の先制点を挙げた。

前半終了間際、ブリーラム守備陣の柱であるヘルマン イブ エクワラが2枚目のカードを貰い受け、退場。これでブリーラムは完全に戦い方を割り切ったのか、守備ブロックを作りつつ、ボールを奪うと手数をかけずに前線へロングパスを送ってオハンザとアチェアンポンの身体能力の高さを前面に押し出し、柏の守備陣とフィジカル勝負をさせる形に出てきたのである。

それでも柏はボールをディフェンスラインと中盤で動かしながら、マークが外れたレアンドロとジョルジにボールを預け、攻撃を進めた。敵陣にはスペースも大きく広がり、追加点も時間の問題かと思われていたのだが、ここで今シーズンの柏を悩ませている“決め切れない病”が姿を現してしまう。途中から出場した工藤壮人や澤昌克にも決定機が訪れた。それを決め切れない時は、また土壇場に一発のカウンターから失点を喫し、星を落とすという最近のパターンに陥るのではないかという嫌な空気さえ漂った。しかしスピードとパワーをフルに生かすブリーラムの攻撃を、守備陣が体を張って守り抜き、辛くも公式戦5試合ぶりの勝利を手にした。

90分を通じて見れば課題も多く、決して満足のいく内容であったとは言えない。だがグループリーグ突破に向けて、さらにはチーム自体が調子を取り戻すために勝利が絶対条件であり、そのミッションをクリアしたという点は評価に値する。あとは「この勝利を無駄にせず、次の試合も勝って上に行けるようにしたい」と増嶋竜也が語った通り、この1勝をリーグとACLの両方につなげ、浮上のきっかけにできるかどうか。それこそが柏に求められる最大のミッションだ。

以上

2012.05.02 Reported by 鈴木潤
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