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【J2:第12節 山形 vs 愛媛】プレビュー:J2唯一の連勝対決! パスサッカーを指向する愛媛を“自在流”山形が迎え撃つ!(12.05.03)

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山形は5連勝でついに首位・湘南と勝点25で並び、その湘南を前節で破った愛媛が2連勝で、9位ながら3位と勝点3差まで迫っている。中2日の4連戦の2戦を終えた時点で、連勝を続けているのは4クラブ。そして、連勝同士の対戦は唯一、このカードのみとなる。混沌を深めるJ2で、地に足をつけた両クラブであることも注目される。

山形の前節・東京V戦のシュート数は5対16。前半のほとんどを自陣での守備に費やしたあと、41分のコーナーキックに萬代宏樹のヘディングで先制すると、後半にはGK清水健太の長いフリーキックに中島裕希が飛び込み、そのままゴール。2つの“一撃”というこれ以上ない効率的な加点で、したたかに勝ちきった。東京Vのパスワークに押し込まれたことで、攻撃が機能しなかったことは否めないが、「試合の状況によってどうなるかというのはわからないので、いろいろな状況が出てきて、それを選手たちがいろいろ判断しながらやる。相手があって、自分たちのコンディションがあって試合になる」と解説するのは石川竜也。前半終了前には、コーナーキックで萬代のゴールをアシストしているが、それまでは割り切って守備に注力していた左サイドバックは、「自分たちの理想はあるにしても、そういう試合ばっかりじゃない。そういうところはあまり気にせず、ボールを回されてても慌てることなく、自分たちが考えながら試合を進めていけている」と、選び取っての「受け」戦術だったことを明かす。

数少ないチャンスを決めての勝利となったが、J1で得意としていた「耐えて勝つサッカー」とも、それは違っていた。奥野僚右監督が語る。「耐えて、耐えてっていうようなイメージもないですね。自陣での守備が安定してきたという部分が、ひとつの戦い方のバリエーションだと思います」。攻めに攻めた北九州戦のような試合もあれば、東京V戦のような試合もある。ただひとつの目標である「勝利」のために、主体的に手段を選び取れる力量もまた、「強さ」と呼べるものだ。今節を含む連戦の残る2試合は、ホームのサポーターの後押しを受けて戦うことになる。

逆に、ここから山形、千葉とアウェイ連戦となるのが愛媛。とは言え、自信に裏打ちされた勢いを秘めて敵地に乗り込んでくる。開幕から3試合に1勝のペースが続いていたが、首位・湘南をホームに迎えた前節を2-1で勝利し、この連戦で今季初の連勝を達成している。湘南戦では中盤の核であるトミッチを出場停止で欠いたなか、立ち上がりこそ押し込まれ自らのミスで危ない場面もあったが、10分ほどで安定軌道に入ると、本来の持ち味であるパスサッカーで十分に主導権を握りながらゲームをコントロール。足が止まった68分には開幕からフル出場を続けてきた村上巧が2枚目のイエローカードで退場となった状況で湘南の猛攻を受けたが、全身全霊の守備で1点差を守りきった。

ビルドアップで前が詰まったらバックラインまで戻して作り直し、マイボールを大事に、確実性の高いパスサッカーを指向しているが、湘南戦の2得点はそれぞれ典型的な得点パターンが表れたものだ。
先制点は、これが2試合連続5得点目となるFW有田光希の縦の飛び出し。ここでは園田拓也が空中戦で勝ったボールを東浩史が拾って前を向き、スルーパスに飛び出したもの。トミッチが戻れば、縦に入るパスがさらに増えることが予想される。また、1.5列目の東がもう一人の受け手として、トミッチのパスの選択肢を増やすとともに、有田が少しでもフリーでプレーできる状況を演出する。
2点目は、サイドハーフ・前野貴徳の今季初ゴール。サイドを崩しクロスが上がる際には、必ず逆サイドのサイドハーフがゴール前に詰め、ピンポイントで合わせるほか、中央で有田が潰れてファーへ抜けてきたボールを仕留めている。その前野以上の攻撃性を発揮しているのが、右サイドハーフの赤井秀一だ。ここまでの4得点中3得点が、左クロスに逆サイドから入り込んだもの。相手が高い位置から来れば一気に有田を使い、プレッシャーが来なければつないでサイドから崩す、あるいは中央からスルーパス。その使い分けは理路整然としている。

前節終了後の記者会見で、バルバリッチ監督は「いつも言っているのは相手がどんなに強くても、トレーニングやここまでの試合でやってきたこと、我々の特徴を出すということ。パスサッカーであったり、早い攻守の切り替えだったり、またパスをつないで相手の守備の穴を狙ってそこから効率よく攻めるということ。それをいかにゲームの時にピッチで体現できるかということがキーになる」と話している。そうした特徴が出そうとする愛媛に対し、ホーム山形もめざすところは同じだが、どのように臨むのか、すべては立ち上がってからの肌感覚で定められていく。愛媛は陣形がコンパクトなだけに裏やサイドのスペースは突けるだろうが、バイタルエリアなど狭いところで起点をつくり、センターバックのアプローチでできるギャップを狙うなど、得点を奪うにはひと工夫が必要だろう。

山形は、勝てば首位に立つ可能性もあるが、31試合を残した時点での順位に浮き足立ち、本来すべき準備を怠ることこそ、奥野監督がもっとも嫌うことだ。最高の準備で臨み、勝ってよろこび、また次に向かう。そのサイクルを実践する限り、成長は続いていく。

以上

2012.05.02 Reported by 佐藤円
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