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【J2:第8節 京都 vs 東京V】レポート:互いに見せ場を作る白熱した好ゲーム。試合を決めたのは、途中出場してチームの雰囲気を変えた原一樹!(12.04.16)

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2位東京Vと3位京都の直接対決は、非常に見応えのある好ゲームが展開され、京都が競り勝ち、順位を逆転させた。勝負はついたが、試合後に「チャンスの本数としてはウチの方が多かった」(京都・大木武監督)、「決定機は多分、ウチの方が多かった」(東京V・川勝良一監督)と両指揮官が口にした通り、どちらのチームも手応えを感じていたのではないか。

試合は開始から、互いに自分たちの良さを出そうとし、また、相手の良さを抑え込もうと、がっぷり四つに組んだ格好となった。
そんな状況の中で前半、東京Vは、早々に西紀寛のクロスに阿部拓馬が頭で合わせる。スローインのこぼれたボールをまたもや阿部がシュート、バーに弾かれたボールを西がジャンピングボレーを放つ。さらには、右サイドからのクロスに杉本健勇が合わせるが京都・安藤淳に先に触られる、等のチャンスを作る。京都も序盤に、エリア内右の工藤浩平から、こちらもエリア内でフリーの中村充孝につないでフィニッシュに持ち込み。同じく、工藤からエリア内に入り込んだ安藤淳とつないでシュートまで持ち込むなど見せ場を作る。
後半も同様に、両チームともゴール前で息をのむシーンを幾つも作り出す。京都は右サイドからのクロスを宮吉拓実へ送り、これを頭で落として工藤。左からのクロスにGKがこぼしたところを中山博貴。さらに、途中出場の伊藤優汰が右サイドで切れ込んで送ったボールのこぼれ球を工藤と、東京Vゴールに迫る。
対して東京Vは杉本健勇がゴールへの迫力を見せる。中盤が裏にふわりと送り、京都DFが処理し切れなかったボールを素早く裏に回りシュートを放つ。森勇介からの右からのクロスにGKが弾いたボールを拾って豪快に振り抜き、右CKで、マークを引きずりながら押し込む。3本全て枠を捉えるも、京都GK水谷雄一がこれを全て弾き出した。

まさに、どちらが決めてもおかしくない試合。その決着をつけたのは、原一樹の豪快な一本だった。81分、中山から、落ちてきた宮吉に縦パスが入ると、宮吉がこれをダイレクトで浮き球パスを前線に。このボールに工藤が走り込む。その工藤の動きに東京VのDFが気を取られると、その外側の原へボールが入る。これを原が右足を振り抜ける位置へボールを収めると、渾身のシュート。東京Vゴールネットを豪快に揺らす一撃で京都がスコアを動かす。
その後、東京Vも反撃に出て、終了間際に土屋征夫からジョジマールへと送られるも、これを決め切れず。結局、1−0のままタイムアップ。京都が息詰まる熱戦を制した。

試合後、東京V・川勝監督が、これまでの試合で結果は出ていたが「攻撃のボリュームに関しては出し切ってはいなかった」とし、その課題に取り組み、今節の試合に入ったことを明かした。まさにそれが今節の迫力ある攻撃につながったとみていいだろう。だが逆に京都は、その迫力ある攻撃をGK水谷雄一始め、守備陣が粘りある守備で跳ね返し続けた。この点も高く評価すべき点となる。
単純に、どちらにもチャンス、ピンチがあり、非常に面白い試合だった、ということである。

今節、両チームの違いについて、雰囲気という点から観てみたい。
前半、京都は東京Vの杉本、阿部の2トップに対し、非常に警戒をしていた様に観えた。それが、結果的に「重心がやや後ろ」に傾き、結果、東京Vの縦パスを許すことになったのではないかとみている。GKへのバックパスも前半は京都の方が多かった様に感じる。
それが後半、京都の意識がフラットになり、前線、中盤が積極的にボールに行くことにより、東京VのGKへのバックパスが増えた。単純に前半は、東京Vが元気で、よく走りよく粘っていたのかも知れないが、京都が東京Vの前線を強く意識していた様に感じ取れたのである。

東京Vは阿部、杉本が決める役となっていた。シュート数を観ても総数10本の内、6本を二人が放っており、それもビッグチャンスである。
対して京都は総数10本の内、安藤淳、チョンウヨン、中村充孝、中山博貴、工藤浩平、伊藤優汰、そして原一樹とどこからでもシュートを放っている。これは両チームの特徴だろう。
これが、ゲーム終盤に差しかかる頃、互いのチームに違う雰囲気を生んでいたのではないかと推察できるのである。東京Vは「次こそは前線が決める」という雰囲気が流れ、京都は「崩しているが最後の部分で決め切れない」となったのではないか。
スタンドから観ていて、「東京Vあと一歩」という感じがあったのは事実。だが、京都も「素晴らしい崩しで、次出れば決まるだろう」と思えたのだが、ピッチの雰囲気が少し滞っていた様にも観えた。
そこで、伊藤優汰と原一樹である。雰囲気が一気に変った印象がある。伊藤優汰の「仕掛けたくてウズウズしてる」という感じと、原一樹の「決めたくてウズウズしてる」という感じが京都の雰囲気を変えてくれた、という感じに受け取れた。これが大きかったのではないか。

決め切れない状況と時間の経過が、京都の選手の顔をほんの少しだが下に向けさせたのでは、と感じ取れたのだ。素晴らしい崩しを見せ、フリーのシューターを創った自信と自負を、回数を重ねる毎にもっと見せてもいいのではないか、と思ったのである。相手が「ヤバイ。次は決められる」と焦ってドタバタする様な。―ただ、これら推察も、こちらの杞憂かも知れないが。

以上

2012.04.16 Reported by 武田賢宗
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