1年5カ月ぶりの3連勝で、大分が3位に浮上した。
「自分たちのサッカーができずに相手の良いところばかり目立った」と田坂和昭監督は振り返ったが、悪い試合内容なりに結果を残すのは成長の表れである。今の大分には、我慢する時間と勝負する時間を“読む力”がチーム全体に備わっている。
前半の大分は我慢の時間が続いた。3バックの横のスペースを執拗に突く愛媛の攻撃に苦しめられた。13分、前野貴徳に左サイドから崩されトミッチにノーマークでミドルシュートを打たれたが、これは枠外。24分、31分にも前野を起点に決定機を作られたが、清水圭介のファインセーブや宮沢正史を中心に粘り強く守り得点を与えなかった。「前半は主導権を握られたが、相手が(ボールを)持っていても慌てずに守れた。我慢する時間と思っていたし、最後の局面さえ抑えれば大丈夫と思っていた」(宮沢)と、チーム全体の守備意識と耐える時間を凌げば必ず流れがくるという共通認識があった。
劣勢の前半を無得点で抑えたことが流れを変えたのは確かだが、ボールを動かし、相手を走らせたことで愛媛の運動量を落とした地道な作業もボディーブローのようにじわりと効いた。勝負を90分の枠組の中で考え、状況を見極め、試合の流れを読み、必要な策を講じた結果だ。「後半は自分たちのサッカーができ、いい流れの時に点を取ることができた」と三平和司。56分に石神直哉のCKを頭で合わせ先制した。その後は後半だけCKが8本という数字が示す通り、愛媛陣内で効率よく試合を進めた。
また、リードしてからも木島悠、高松大樹といった攻撃の選手を投入したように、ピッチにいる選手は監督のメッセージを受け止め、守りに入ることはなかった。試合を読むことは、試合に勝つために不可欠であるーーそう思わせる試合であった。
一方の愛媛はシュート数でも決定機の数でも勝者を上回ったが、結果に繋げることができなかった。攻撃の形、決定機の作り方は素晴らしいものがあったが、選手の口からは「フィニッシュの精度の問題」という言葉が出たように決定力不足に泣いた。ほとんどのシュートが枠外もしくはGK正面に飛んでいった。失点も選手が芝に足をとられマークを外す不運もあった。「勝てていたゲームだったと思う」と赤井秀一の言葉は決して強がりではない。愛媛にとっては内容に勝り、結果に泣いた試合であった。
以上
2012.04.02 Reported by 柚野真也
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