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【J1:第4節 清水 vs 札幌】レポート:両チームとも攻撃に精彩を欠く中、守備を安定させ、限られたチャンスを生かした清水が、今季初完封でホーム2連勝(12.04.01)

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「サッカーというのは点が取れなければ勝てない」。石崎信弘監督が試合後に語った言葉が、札幌の現状を端的に表わしている。逆に清水のほうは、攻撃のリズムがあまり良くない中、今季初の無失点試合を実現したことが大きく勝利を引き寄せた。

昼過ぎまでの激しい雨は完全に上がったものの、強風が残り、気温も10.9度と冬のような天候となったアウスタ日本平。前半、風上に立った清水はいつも通り立ち上がりから活発な動きを見せたものの、なぜかパスはテンポ良くつながっていかない。「中盤の選手が隠れてしまっているような面があって、出し所がなかったのでロングボールを蹴らざるをえなかった」(ヨン ア ピン)という面もあり、札幌のプレスに苦しんだわけではないが、縦パス1本の単調な攻撃が多くなり、最近の試合とは違い、序盤で自分たちのリズムをなかなか作れなかった。
対する札幌は、風下ということもあって無理に前から奪いに行かず、DFラインを高く保ったままコンパクトな守備のブロックを作って対応。守備陣も球際で堅実な対応を見せ、ボールを支配することはできなかったが、清水に与えた前半の決定機は、44分のCKの場面だけだった。

清水も前半の半ばから徐々に修正はできていたが、ゴトビ監督は、やや精彩を欠いていた河井陽介に代えて、いつもより早いタイミングで(後半頭から)小林大悟を投入。その小林が、これまで以上に彼らしいボールタッチや気の利いたパスを見せたことによって、チーム全体も活性化した。
後半4分の先制点も、小林が起点となって小野伸二がフリーで前を向けるパスを通し、攻撃のスイッチがオン。小林がもう一度ボールに絡み、最後は大前元紀がプレゼントのようなラストパスを送って、フリーになった高木俊幸が右からシュート。これがGKの手を弾いて左隅に決まり、清水が価値ある先制点を奪った。
とくにホームで2試合連続の決勝点となった高木は、決定機はこれ1本だけだったが、「今年はああいうシュートのときに意外と落ち着けている」という言葉通り、無駄な力を入れずに右足をしっかりと振り抜いて左隅に決めたのは見事の一言。彼自身の成長も感じさせる大きな一仕事を果たした。

その後も、小林が中盤でリズムを作ったことが効いて、清水は過去2試合のように守りに入ってしまうこともなく、ゲームコントロールという面でもプラス要素を見せた。ただ、追加点を奪うチャンスをあまり作れなかったことは、今後の課題となるだろう。
終盤は、札幌がリスクをかけて攻めに出たため、押し込まれる時間も増えたが、体力的な消耗が少なかったこともあって最後のところでは危なげない対応を維持。さらに、ジミー フランサ(後半24分〜)と平岡康裕(後半41分〜)を入れて高さを増し、課題のセットプレーの守備でもヒヤリとした場面は一度だけ。今季初めて無失点で試合を終えたことは、チーム全体の大きな自信となった。

一方、無得点で敗れた札幌のほうは、攻撃の時間も厚みも少ないことが苦しい部分。これまでチームで唯一人ゴールを決めている山本真希が前半38分に負傷交代したのも痛かった。また、後半14分に大島秀夫を投入してからシステムを3-5-2に変えて攻めに出たが、両アウトサイドやボランチが高い位置をとれず、リスクを冒しきれずに前の3人が孤立していたのも攻めきれない一因となった。
敗れた試合はすべて1点差で、先制点を取った試合でも、追加点を取れないことが逆転負けにつながっている札幌。今後に向けて、守りを強化して少ないチャンスを生かす戦い方でいくのか、攻撃に力を入れて先制点や追加点を取れるサッカーを目指すのか、方向性をより明確にする必要がありそうだ。
それでも「いろいろとコンビネーションのこともあるけど、個人個人が『決める』という強い気持ちを持ってやるしかない」(大島)と、選手たちが個々の責任を自覚しているのはサポーターにとっても心強い要素。ひとつ勝てば自信もつかめるはずなので、早く1勝が欲しいところだ。

以上

2012.04.01 Reported by 前島芳雄
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