桜の開花に合わせて、長年のクラブの懸案事項のひとつであったクラブハウス機能を持つ建物、熊本県民総合運動公園『スポーツ交流館』が完成し、3月29日、関係者が出席して落成式が行われました。
以前からサッカー場の西側にあった休憩施設を取り壊して新たに建設したもので、総工費は2億8800万円。昨年1月から設計が開始され、景観アドバイザーの方の助言などを参考にして8月31日に着工。約半年間の工事期間を経て、3月19日に完成しました。延床面積660平方メートルのうち、クラブ専用として使えるロッカーや医務室、会議室、浴室などが340平方メートルを占め、残りのスペースは県民との共有スペースなどに充てられます。
落成式には、先日の熊本県知事選挙で再選したばかりの蒲島郁夫知事が祝辞を述べ、この建物の特徴を3つ挙げました。その3つとは、県産の木材をふんだんに使用して環境に優しいこと、県の建物としては初めて、エネルギーに配慮してLED照明を使用していること、そして各所にスロープなどを設けたユニバーサルデザインに基づいていること。「私が県知事になって初めての箱ものですが、知事公邸よりも立派なものです」と添えて出席者の笑いを誘いましたが、自治体をはじめとした各所の協力があって実現したことを考えれば、まさしく「クラブに対する県民の期待感や愛情、託す夢を表した建物」(蒲島知事)であると言えます。
これまでは隣のサッカー場でトレーニングを行う際にも、離れたKKウイングのロッカーを使用していましたが、グラウンドのすぐそばにクラブハウスができて便利になったのはもちろん、建物内を見学すると従前の建物よりも大変明るく、選手の着替えやメディカルケア、練習後のシャワー、スタッフのミーティング、用具の管理など、チーム周りの活動を行うのに十分な設備が整えられています。
クラブ発足時から在籍し、本当に何もない状態からのスタートを記憶にとどめている市村篤司選手は、「県民の皆さんの後押しがあって、ようやくここまできたなという感じ。県産の木材がたくさん使われていたりするのは、札幌時代もなかったことで熊本らしいと思いますし、実際に中は木の香りがして気持ちいい。こんな立派なものを造ってもらったら、あとはJ1に上がるだけです」と話していました。
落成式には関係者のほか一般のサポーターや地域の自治会の方も参加。式後には建物内が公開されて皆さん内部を見学していましたが、建物をバックに記念撮影する姿もあり、前述した知事の言葉の通り、県民の思いが詰まった建物であることが感じられました。チーム、クラブとしては、そうした期待に応えるだけです。
以上
2012.03.29 Reported by 井芹貴志
J’s GOALニュース
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チームカラーの赤い屋根が特徴的。周囲の桜の樹も花が開き始めています
選手たちが使用するロッカールーム。床や壁材も木の温かみが感じられ、ロッカーもチームカラーの赤になっています
こちらはシャワールームとは別に設けられた浴室。大きな浴槽が1つ、小さな浴槽が2つあります
選手たちが利用する入口脇の水道にはジェットノズルも設置。汚れたスパイクやボールの洗浄にも配慮された様子
落成式には、池谷友良社長、高木琢也監督以下、チームスタッフ、選手も参加
蒲島郁夫熊本県知事らとともにテープカット、くす玉割りも行われた
建物をバックに選手、スタッフが記念撮影(一部の選手、監督らは内部見学中でした…)
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