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【J2日記】町田:鳥取まで行ってよかった!J2通算1万ゴールの現場に居合わせて(12.03.23)

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(C)大島和人

鳥取戦後、サポーターと記念撮影!

言うなら「衝動取材」である。我がFC町田ゼルビアは第1節、第2節と連敗。勝点だけでなくゴールも全く奪えていなかった。町田担当として「チーム初」は見逃せない。問題は鳥取までの行き帰りだった。アウェイ遠征に出費はつきものなわけで、時間とコストを抑えるため“弾丸ツアー”を敢行することにした。行きは夜行バス「青春中央エコドリーム」で新宿からなんばに出て、日本中央バスの鳥取行きに乗り換える。狭いシートに押し込められ、10時間を超す長旅となった。

第3節こそは「得点できる」「勝てる」と信じていた。第2節・福岡戦は、開幕戦に比べて内容が大幅に改善。次に向けて期待の持てる試合だったのである。もちろん「J2通算1万ゴール」も期待していた。第2節を終え、J2の通算ゴール数は「9,996」。17日の13時キックオフは、鳥取戦を含めて4試合あった。昨年の記録を見たら、J2は1試合の平均で2.47点が決まっている。つまり13時開始の試合中に“1万”へ到達する可能性がかなり高い。「とりぎんバードスタジアムで決まる可能性が4分の1ある」「町田の選手がそれを決め、自分が取材する」。そういう“イメージトレーニング”を、バスの車中で重ねていた。

ただ妙な不安も先走る。コリン・マーシャル選手が得点したらどうしよう?通訳がいないのだ。アルディレス監督や唐井GMは、彼と直接コミュニケーションを取れるけど、英検3級の私がどうコメントを取るのか?もっと困るのはドラガン・ディミッチ選手。彼が使えるのはセルビア語とドイツ語だ。スタメンではなかったけれど、彼が途中出場で決める可能性も考えねばならない。そうなるとコメント取りは、もう完全にお手上げだ!

鳥取戦の前半は「立ち上がりの入り方がよくなくて、相手のペースが続いていた」(薗田淳選手)という、町田側にとってストレスの溜まる展開だった。初勝利を目論んで足を運んだ私も、「J2に楽な相手などいない」と痛感させられる45分である。そんな試合を横目に、私はチラチラと携帯に目をやっていた。高木和正選手(栃木)が9,997、山崎雅人選手(山形)が9,998、宮吉拓実選手(京都)が9,999…。とりぎんバードスタジアムは静かだったけれど、他会場が動いている。前半が終わると「9,999です」という知らせが来ていた。つまり後半開始直後に、どこかの会場で「J2通算1万ゴール」が決まる!

後半開始直後に「その瞬間」が来た。北井佑季選手が切れ込み、鈴木崇文選手が左サイドからから折り返す。平本一樹選手のヘディングはふわっとした弧を描き、狭いシュートコースを抜け、ゴールに収まった。J2通算1万ゴールは、FC町田ゼルビアの記念すべきファーストゴールにもなった。

鳥取スタンドのど真ん中で、しかも記者席。声を出したらマナー違反である。ただ最上段なので、「動き」は誰からも見えない。無言で両腕を振り上げ、しばらく喜びに浸っていた。しばらくするとJ's GOALの編集部から「1万ゴール確認」「対応依頼」の連絡も来る。こうなったら町田に勝ってもらわないと困る。町田が逆転負けを喫し、3連敗にでもなったら「1万ゴールの喜び」は聞きづらい。「初勝利」と「1万ゴール」のインタビューは、セットでなくては困る!

ファイナルスコアは3対0。勝又慶典選手が終盤に2点を決め、結果的には町田の完勝だった。それにしても1万ゴールが平本一樹選手でよかった。見た目は強面な平本選手だが、実は気さくでサービス精神旺盛。彼なら、いいコメントを出してくれるだろう。

「Jで初めての点を僕が決められて、J2通算1万ゴール。なおかつ監督100勝となると、本当によかった」。平本選手が言い尽くしてくれた。FC町田ゼルビアにとって、Jリーグにとって、大きなゴールである。平本選手にとってヴェルディ時代からの恩師であるアルディレス監督も、Jリーグ100勝の節目だった。

「チームとしてとりあえず1点。みんなで先制点を取りにいきたい。そうすれば結果はついてくる」。鳥取戦を前にした平本選手のコメントだ。鳥取戦、熊本戦の連勝は、間違いなく「1万ゴール」が弾みになっている。J2にチャレンジする町田の選手、サポーターに、勇気を与えるゴールだった。皆がアグレッシブな姿勢を取り戻し、結果にもつながった。

帰りは再び夜行バス。4列シートの過酷な10時間である。でも不思議と疲れはなかった。FC町田ゼルビアにとって、J2にとって、もう二度と来ない瞬間に居合わせたことは、取材者として大きなエネルギーになる。無茶な取材だったが、無駄にはならなかった。

以上
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