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【J1:第3節 川崎F vs C大阪】プレビュー:レナトを活かし、内容を改善していきたい川崎Fは開幕3連勝を狙う。若さのC大阪の攻撃を食い止めたい(12.03.23)

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火曜日に行われたヤマザキナビスコカップを落とし、川崎Fの公式戦での連勝は3試合目でストップしてしまった。何人かの選手にケガが出ていたため、休ませざるを得なかったという事情があるにせよ、鳥栖も同じように負傷のある複数の選手を休ませており、条件的に大きな隔たりがあったわけではない。純粋に力負けしたと判断するのがフェアであろう。

鳥栖戦に関しては先行を許したこともあり、攻める時間帯が増えていた。ただ、それにしても田坂祐介はここまでの3試合を念頭に「うちらしくは無い」と話す。川崎Fのサッカーの代名詞であった攻撃的な戦いが出来てないことに対し、否定的ではないにせよ自覚的な立場を取るのである。同じように中村憲剛は「全てうまく行って(リーグ戦に)2連勝したわけではない」と話しつつ「いいサッカーをしても勝たないとダメ。多少ブサイクでも勝っていかないと」と勝ちにこだわる姿勢を肯定的に捉えていた。

客観的な事実として、今季ここまでの川崎Fは相手に主導権を握られている時間が長く、内容的には厳しい戦いを強いられてきた。だからこそ相馬直樹監督はC大阪にボールを持たせる事で発生するリスクを低減したいと考え「うちの時間を長くしたい」と展望を語っていた。

主導権を握れないという現象はどこにその原因が求められるのだろうか。その一つの可能性として、レナトのポジションに注目してみた。レナトは中盤にポジションを落とし、足元でもらおうとする場面が多い選手である。そしてそれにより、攻撃の起点は全般的に下がり目のポジションになっているのではないかと考えたのである。

もともとレナトは、ブラジルでは中盤でプレーしていた選手でありポジションを下げてボールを引き出すのが好きな選手である。そうやって中盤でボールを引き出したレナトは、非常に技巧的なドリブルでボールを前に運ぶ。ただし、彼にパワーを発揮して欲しいエリアは、ペナルティエリアの中である。ここまでの試合でのレナトは、ペナルティーエリアにボールを運ぶまでにそのパワーを使い果たしてしまい、結果的に彼がエリア内でいい形でボールを持てていない。そして彼がエリア内で前を向いてボールを持てれば、これまでの練習を見るかぎりかなり大きなチャンスになるのは確実と思われる。

だからこそ、レナトのポジションをもう少し前に押し上げられないものかと話を聞いてみた。田坂は「レナトを押し出すようなプレーが出来れば、それはそれでいいと思う」と発言し、そうしたやり方もあるとの認識を示していた。ただしその田坂を含め、今のレナトの良さを活かすために周りがどうフォローするのか、という視点で語るのである。そしてそういう部分が川崎Fの良さの1つなのである。急激にレナトを組み込んだ攻撃が改善されることはないまでも、少しずつ良くなっていくのだろう。この試合では、まずそのレナトの良さをどう引き出そうとするのかに注目したいと思う。

等々力に乗り込んで来るC大阪は、大阪ダービーを制した一方で、ヤマザキナビスコカップではアウェイの磐田戦を1−2で落としてしまっている。川崎Fと同様、公式戦連敗は避けたいところ。そのためにもどうにかして勝利をものにしたい試合となる。鍵を握るのは、ワントップのケンペスと、2列目から彼を支えるブランキーニョであろう。大阪ダービーでは、この両選手が1ゴールずつをあげてC大阪に勝利をもたらしている。川崎Fとしても抑えるべきポイントの筆頭となるだろう。

また、彼らを支える若い選手にも注目せざるを得ない。ブランキーニョと共に2列目に入り、ワイドなポジションから攻撃参加する清武弘嗣にキム ボギョンの両者の実力は折り紙つき。さらに、彼らに対してボランチのポジションからパスを供給する扇原貴宏と、ハードワークで中盤を安定させてきた山口螢のコンビには気を付けなければならない。いずれも五輪代表のこれらの若い選手たちの勢いをいかにして食い止めるのかが川崎Fの試合運びにとって重要なポイントとなるだろう。

ちなみに五輪代表への返り咲きを虎視眈々と狙う實藤友紀は、かれら同年代の選手たちとのマッチアップについて、それほどの気負いを見せていない。
「五輪代表の選手ばかり意識してるわけではないですよ。ただ、チームで守り、個人でも負けずにやりたい。そして勝利につながるようにプレーできればと思う。いいプレーをしていても負けたら意味がないので、勝負にはこだわりたい」。
このように、五輪代表はもちろん大事な目標だが、それ以前に川崎Fの一員としてチームが勝てるように考え、そのために局面でのプレーを重視したいと意気込みを語っていた。

若さと勢いのあるC大阪を、リーグ戦2試合連続無失点の川崎Fはどのように受け止めるのか。そして川崎Fとしては、内容に改善が見られるのか。注視したいと思う。

以上

2012.03.23 Reported by 江藤高志
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