ハードワークができず前節3失点した大分と岡山。互いに修正すべて点は、技術、戦術の前の気持ちの部分であり、今節は球際の凌ぎ合いがポイントになりそうだ。3−4−3の同じシステムで向き合う両チームだが、ワイドしかマッチアップすることがない。ボールを失えば押し込まれる時間が長くなるが、ボールを奪えば押し込む時間も長くなる。表裏一体の攻防が繰り広げられ、そこで主導権を握れば自ずと勝機は見えてくる。
大分は前節0−3とリードされ、キム・ジョンヒョンが負傷退場して数的不利になってから、ようやく本来の動きを取り戻した。セカンドボールに対してプレッシャーをかけ、チームとして連動した守備からチャンスをつくった。89分に村井慎二のミドルシュートと90'+1に三平和司のドリブル突破から追加点を挙げたが、反撃が遅かった。
敗戦から2日明けた今日、田坂和昭監督は岡山のスカウティング映像を見せずに前節の山形戦の映像を見せた。そこで「この試合を見てお客さんが次の試合を見に来ると思うか。トリニータは頑張っていると言えるのか」と問い、「まずは戦え」と気持ちの部分を強調し、「足を動かして、ボールにプレッシャーをかけて身体を張る」ことを訴えた。
戦え、との思いは岡山の影山雅永監督も同じだった。前節0−3と完敗した水戸戦後に「個人の技術も大切だが、チームとしてひとつのボールに対する執着心、執念、アラートな状態からこぼれ球に対する反応が素晴らしかった」と水戸に賛辞を贈り、「自分たちも水戸を上回る気持ちを持って大分戦に出せるようにしたい」と話した。
開幕から3試合を終えて勝利のない岡山であるが、「最後の部分でゴールが奪えていないだけで、非常にいいサッカーをしている。守備は堅いし、攻撃はボールを動かして、3バックのサイドが上がって人数をかけている」と田坂監督は警戒を強めている。特に前節、途中出場ながらサイド突破から再三のチャンスを演出した石原崇兆とボールに絡むと得点の匂いを醸し出す金民均、チアゴをキーマンに挙げている。
中2日の連戦で選手の疲労は抜け切れない状態である。だからこそメンタルの強さが求められる。また、コンディションの良い選手を適所に配置する指揮官の手腕も問われるのも確かだ。スタートダッシュに成功したとは言えない両チームにとって早くも底力が問われる一戦となる。
以上
2012.03.19 Reported by 柚野真也
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