3月17日、第3節の千葉戦を0対3と完敗した後、岸野靖之監督の解任が決まりました。18日の正午に岸野靖之監督解任のプレスリリースが出されましたが、この日の練習には岸野監督の姿はなく、千葉戦に長い時間出た選手はリカバートレーニング、その他の選手はミニゲームなどをこなしました。
岸野体制3年目を迎え勝負のシーズンだっただけに、開幕3試合の成績と試合内容で解任という決断が下るというのはある意味仕方のないことではありますが、こういう結果に至ってしまったことは大きく残念なことです。
当面の試合は、S級ライセンスを持つ田口貴寛ヘッドコーチが監督代行ということで指揮を執ることが発表されています。その田口ヘッドコーチは、監督解任について以下のように語っています。
「自分にも責任があるから辞めたいくらいだけど、選手たちもいるし、そういうわけにもいかない。それで、今日早速ミーティングを10時からやって、今良くない状態だけど、やるしかないと腹はくくっている。ショックは大きいけれど、2日後にはヴェルディとのゲームが入っているので、そうも言ってられない」。
日々の練習や試合を全力で戦っている現場にとっては、突然のこととは言え、戦いを辞めるわけにはいきません。中2日という限られた中で出来る改善に向けて前を向き始めています。そして、岸野監督と同時に横浜FCのフィジカルコーチに就任した芝田貴臣コーチは、岸野監督と長く仕事をしてきた仲だけに、余計に責任を感じています。
「岸さん1人の責任ではなく、全体に責任があると思う。がんばっていたけど、昨日の千葉戦の内容だと解任というのはこの業界では当然あること。昨日のゲームに関しては、先のあるサッカーをしていたかと言えばそうじゃなかった。しょうがない部分はあるが、しょうがないで終わらせたくない。特に僕の場合は、監督に連れてきてもらったし、僕の中では一緒に辞めるべきだと思っているが、クラブと契約しているので、その責務を果たす必要がある」。
横浜FCは、似たような状況を過去に経験しています。2006年、前年から指揮を執っていた足達勇輔監督を、開幕戦の愛媛戦の敗戦で解任しました。このときは、そのバネもあり、その後就任した高木琢也監督の下、チームはJ2優勝を果たしました。しかし、監督の交代だけが、何かの特効薬であるということはありません。変えられない現状を変えるための、最終手段であり、かつ最初の一歩でしかないと思います。2006年の解任があった後の、最初のホームゲームでは、声を出しての応援をしない代わりに
「フロント・選手・サポーター今こそ団結しよう」
という横断幕がゴール裏に掲げられました。横浜FCに関わる全ての人が、同じ方向でできることをやって初めて勝利がついてきます。2006年3月11日に行われたこの試合は0対0で引き分け、しかしチームは無失点で、再び立ち上がる自信を得ました。今回は、中2日しかない中、東京V戦を迎えます。そこで、横浜FCが再び立ち上がる基礎を築けるか。それが問われる試合になるのだと思います。
以上
2012.03.18 Reported by 松尾真一郎
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