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【J2:第3節 岐阜 vs 草津】レポート:必然のドロー。岐阜にとってはゼロで終れたことが最大の収穫(12.03.18)

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「準備していたことを変えなければいけなかった」(副島博志監督)
「もっと起点を前に作りたかったが、長いボールが蹴れず、(起点が)低くなってしまった」(行徳浩二監督)
両チームの思惑が、ずぶ濡れのピッチによって大きく狂ってしまった。0-0というスコアは、「この状況なら妥当な結果」と副島監督が語った様に、必然の結果であった。

岐阜にとっては勝ちたい一戦だった。1分1敗で迎えた第3節。行徳監督はスタメンを大幅に入れ替えてきた。GKには多田大介を、左サイドバックに尾泉大樹、センターバックに金 東權、トップ下に樋口寛規を起用。スタメン11人中実に新戦力が9人、この試合で初出場が4人と、非常にフレッシュな顔ぶれとなった。「金 東權は高さがあって強い。今日のようなピッチコンディションは彼の特徴が生きる。尾泉も彼のキックはこの状況でも力を発揮する」(行徳監督)。一方の草津も「この状況を見て、メンバーを入れ替えた」(副島監督)。共に思った以上に激しい雨で、いいとは言えないピッチコンディションを考慮してのスタメンで始まった試合は、予想通りボールが止まって思うようにパスが繋げない。両チームとも大きな戸惑いを隠すことはできなかった。

それでも岐阜はポイントである守備の意識の高さを前半から見せた。この試合の注目はプレビューで書いた通り守備。これはこの試合に限らず、今季の岐阜の一つの大きなポイントとなる。
DFラインの並びは左から尾泉、金 東權、池田昇平、野垣内俊の4人。前半は4人がラインを意識しながら、池田の指示のもとにアップダウンしていく。そして、ボランチに金正賢と服部年宏という守備力の高い2人がいることで、ボランチとの距離感を意識しながら、2ラインで守っていく意識が高かった。ここに草津がピッチコンディションの影響もあり、裏に蹴ってくるよりも岐阜の2ラインの間で後藤涼、へベルチ、遠藤敬佑の1.5列目が足元で受けようとしたために、岐阜はチャレンジ&カバーをしやすかった。ボランチのプレスバックやセンターバックの果敢なアプローチで、21分に後藤に一瞬の隙を突かれて左を破られた以外は、ピンチを与えなかった。
しかし、逆に攻撃面では草津と同様に天候とピッチコンディションに悩まされ、前線の佐藤洸一にいいボールが届かない。本来はもっと前線で張りたい佐藤だが、ボールが来ないために、2列目まで落ちて受けなければならず、それにより2列目がセカンドボールを拾う位置も低くなり、攻撃の糸口を見いだせないでいた。

後半、先にチャンスを作ったのは草津だった。48分、野垣内と池田の間のスペースを突かれ、金成勇に決定的なシーンを作られる。しかし、これはGK多田の絶妙な飛び出しでシュートコースを塞いだおかげで、シュートは左ポストにはじかれた。岐阜も60分にロングボールから佐藤が右サイドで前を向き、縦に走ったMF廣田隆治へパス。廣田のセンタリングにニアで樋口がヘッドで合せるも、これはバーに嫌われた。
75分に岐阜は右サイドでボールをキープした樋口から、途中出場のMF地主園秀美に繋ぎ、センタリングから井上平がフリーで受けるも、シュートは枠の外。反対に草津も76分にヘベルチが右サイドを突破し、折り返しを遠藤がフリーでシュートを放つが、これも枠の外。草津がチャンスを作れば岐阜も作り、岐阜がチャンスを作れば草津も作る。しかし、共にモノに出来ぬまま、時間が経過し、90分を通じても試合は動かなかった。決定機が2度ずつのスコアレスドローは、冒頭で書いたように、今日のピッチコンディションを考えると、必然の結果でもあった。ただ、こういう状況でこそ生きてくるセットプレーや、一本のロングパスなどで、両チームとも局面を打開できなかったことも事実だ。

共に掴んだ勝点1。共に連敗は免れた。岐阜にとっては今季初の無失点試合。昨季はシーズン通してたった1試合しかなかった無失点試合を、ここで出来たことは大きな意味を持つ。勝てなかったことは反省すべきだが、この結果は一つの大きな前進と取っていいだろう。それだけに次の試合で振り出しに戻らないためにも、結果が求められることを忘れてはいけない。

以上

2012.03.18 Reported by 安藤隆人
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