「大事な場面でまだまだミスが出てしまい、残念なゲームだった。ただ、やろうとしていることを随分と出せるようになって来た」
札幌の石崎信弘監督は試合後の記者会見でこう話した。高い位置からプレスを掛け、ボールを奪ってから速い攻撃、早い展開で崩していく。後半の途中までは、そんな札幌の良さが随所に見られる展開だった。
特に前半の立ち上がりは、しっかりとシュートで終え、きっちりとCKを奪った。前半5本のCKのうち、4本は前半5分間のもの。これでリズムをつかんだ札幌は、前半7分に、シュートの跳ね返りを拾ったボランチの山本真希がバイタルエリアから豪快なミドルを決めて先制に成功。その後も前田俊介がインターセプトからドリブルで攻め込み、内村圭宏が前田とのワンツーで相手DFの裏へ抜けるなど、札幌が主導権を握っていた。
だが、神戸は前半22分に札幌の一瞬のマークのズレを突き、野沢拓也、田中英雄とつないで、最後は近藤岳登が左足で同点ゴールを決めた。依然として主導権は握られていたが、結果的にこの1点が神戸に勝機をもたらすことになる。
後半の立ち上がり。札幌が前半と同じく早いプレスを仕掛けると、神戸はパスミスを繰り返す。札幌にブロックを組まれれば、それを崩すことも出来ずにいた。その劣勢を見かねた神戸の和田昌裕監督が後半14分に動く。FW森岡亮太に代え、長身の都倉賢を投入し、早くもパワープレーに打って出た。
その都倉が前線で身体を張ってポストプレーに徹すると、大久保嘉人や野沢、橋本英郎らアタッカー陣が徐々に機能し始める。そして後半38分。大久保が近藤へDFの股を抜くスルーパスを通すと、近藤がライナー性のクロスを中央へ。それに都倉が反応し、土壇場で神戸が逆転に成功した。そして、そのまま神戸が1点を守り切り、2001年のJ1セカンドステージ以来となる開幕2連勝を飾った。
試合後の会見で和田監督は次のように振り返っている。
「都倉賢が一つ大きなポイントだったと思います。どうしても蹴らされるような状況が多かったので、そこで前で潰れ役というか、高さが入れば、そこで潰れることでチャンスができるんじゃないかという考えで都倉を入れました」。
試合内容は決して満足の行くものではなかったが、それでも勝点3を奪える。監督の采配、選手の経験値などを含め、J1で戦ってきた神戸の“一日の長”を感じさせるゲームだったと言えるだろう。
以上
2012.03.18 Reported by 白井邦彦
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