開幕2連勝とは気分がいいもので、本当はまったく上手く行っていないのだが自分の人生まで上手く行っているような気分になるから不思議。道のりが長いとはいえ、順位表を見て2連勝&昇格サロンのメンバーであることで更に満足。自尊心も満たしてくれる航空会社のラウンジ並みに居心地がいい。今節は2連勝サロンの5人のメンバーのうち、湘南と福岡が直接対決なので3連勝サロンのメンバーは最高でも4人になる。甲府が3連勝サロンのメンバーに残るには前節とは逆タイプの試練が待っている。
前節は攻撃力が特徴の東京Vが相手だったが、今節はトレーニングマッチ6試合で2失点、開幕2試合を連続完封という堅い愛媛が相手。得点は2試合で2ゴールと不十分だが、前節のバルバリッチ監督のコメントは「チャンスも作れた、シュートも打てた、続けていけば次にゴールが入ってくる」という趣旨の内容。シュート数で16対3と圧倒しながら勝てなかった点は問題だが、シュートチャンスを増やすことがゴールへの正しい道筋だということは城福浩監督とも同じ考え方。ただ、ゴールは「次で」はなく「次の次」のホーム松本戦に持ち越してもらうしかない。甲府の守備も試合ごとによくなっている。
昨年は守備の構築に失敗して降格した甲府だが、今年は守備と攻撃を分けて考えないので結構上手く行きそうな流れ。伊東輝悦と保坂一成のボランチで、守備に軸足を置きながらも攻守のバランスが取れているし、山本英臣とドウグラスのセンターバックコンビもドウグラスが慣れるにしたがって安定感を出してきている。ボランチ裏のスースー感もだいぶん改善されてきた。そして、最後の草食系砦・荻晃太が相手の決定機を確実に何度か防いでくれているから連勝することができている。荻のプレーに思い切りの良さと自信があることが大きい。どんなにいい内容の試合をしても相手に決定機を与えることはあるので、そこを荻が防ぐことでディフェンスラインも最後の判断に迷いがなくなる。
甲府は開幕から何もかもが上手くいっているわけではないけれど、勝点を稼ぎながら少しずつ攻守の精度やコンビネーションや安定感が高まっている。ただ、まだ2試合。ここでいい気になれば悪い流れに陥る可能性も充分にある。武田信玄が蹴鞠に精通していたかどうかは知らないが、「軍勝五分をもって上となし、七分を中とし、十分をもって下となす」という名言を残しているそうだが、サッカーという戦(いくさ)でも2勝で奢れば次は酷い負けがやってくるというのは共通のはず。城福監督は、「攻撃力の高い東京Vに勝ったことに小さな達成感を持っていると昇格争いはできない。愛媛戦は自分たちを見つめ続けられているか、大事なゲームになると思う。アグレッシブでダイナミックな試合をしたいが、1−0で勝ちきれる顔を見せることも必要。強固な愛媛を崩すために我々は点が入らなくても焦れずに90分間で、1−0で勝てるメンタリティを見せられるチームになれたらいい。焦れたら相手の術中に嵌る」と、連敗中のような厳しい顔で話した。
新生・ダヴィ様が2試合で3ゴール。このペースなら42試合で63ゴールのペースで毎節ダヴィ祭りだが、そんなことは相手の守備陣が許さない。ダヴィ対策が厳しくなることは明らか。その時期が愛媛戦からなのかどうかは分からないが、甲府が右肩上がりを継続するにはここまで決定機に決められていないパートーナーの高崎寛之が決めて信頼を勝ち取る必要がある。高崎のようにポテンシャルの高いストライカーに対しては「チームへの貢献」だけで満足はできない。誕生日ゴールをきっかけにゴール量産体制に入って欲しい。勝点を稼ぎながら進化していく過程にあるJFK甲府にとって、「十分をもって上となす」ような戦いが理想だが、勝てば勝つだけ驕ることは人の常。2連勝で驕ることはないが、「8試合でほとんど失点していないのは偶然ではない。(映像を)見れば見るほどチームの守備が確立されている」と城福監督が警戒する愛媛の守備力に、甲府の攻撃力とアンチカウンター能力が試される第3節。それでも何とかなりそうに思ってしまう甘い予感が当たるのかどうか。J2通算10,000ゴールは時間的に不利(19時キックオフ)なので諦めているが、連勝サロンに居座り続けながら成長することは求めていく。
以上
2012.03.16 Reported by 松尾潤
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