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富山は開幕3戦目にしてホーム初戦を迎える。待ちかねた地元のサポーターに今季の初勝利を届けたい。
ここまでの2戦は1分1敗。開幕の岡山戦は攻守に相手を上回った。1−1で引き分けたものの今後の戦いに期待を抱かせる好内容だった。対照的に第2節の水戸戦は元気がなく、見せ場もないまま0−1で敗れた。どちらが本当の顔といえるのだろうか。今回は、現時点でのチーム力をあらためて問う一戦になる。
今季の課題がリーグ冒頭の2試合でも露わになった。ひとつは得点力。開幕戦では、シュート15本を放ちながら、MFソ・ヨンドクのミドルシュートによる1点にとどまった。水戸戦ではチャンスを作ることにさえ苦労した。決定機をより多く演出し、それを1回でも多くゴールに結び付ける。その道のりの険しさをチームもサポーターも実感している。
もうひとつは試合によるパフォーマンスの違いをなくすこと。安間貴義監督はメンタル面の影響が大きいとみて、それぞれの選手が「精神的に自立すること」が克服のカギと考えている。水戸戦では立ち上がりの悪さを最後まで引きずってしまった。冷静さを欠き、このチームがあまりみせないジャッジへのいらついた態度も散見された。キャプテンの足助翔は「自分たちがヘボかった。こんな試合は昨年で卒業しておかなければならなかったのに…」と表情を曇らせた。対戦相手をはじめ外的な要因に左右されず、ピッチに入ればやるべき仕事をまっとうしなければならない。安間監督は「自立できるかどうかはそれぞれにかかっている。わたしは促すことしかできない」と言う。新たなキーワードである『自立のススメ』を繰り返し口にして全員に発破をかけている。
どちらの課題も一朝一夕で解決できるものではない。クラブスローガンに掲げる“漸進”への強い意志が求められる。ようやく雪も消え、14日から練習グラウンドの使用が解禁になった。態勢は整った。長いリーグ戦の一歩目となる勝利を目指す。
過去2戦とも組織ディフェンスは機能している。前から前からプレスをかけ、最後は体を張って食い止める粘り強さは健在だ。ここまでの2失点は、ハンドによるPKとGKのミスによるもの。思い切って度外視して、今回に期待したい。昨季5位の東京Vは「これまで通りの巧さに、小池純輝選手らのスピードが加わってさらに厄介なチームになった」(安間監督)。力試しには格好の相手だ。
シーズン開始直後の位置取り争いで遅れをとるわけにはいかない。MF吉川拓也は「まだ勝利がなくサポーターのみなさんにも、もやもやした気持ちがあると思う。チームが積み上げてきたものが正しいと示すためにも勝ちたい」。足助は「今季は結果にこだわっていく。ホーム開幕戦は落とせない試合。エネルギーを爆発させたい」と話した。
以上
2012.03.16 Reported by 赤壁逸朗
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