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【AFCチャンピオンズリーグ2012 ブリスベン vs F東京】レポート:南半球でコンニチワ。F東京がアジアにパス&ムーヴを披露(12.03.07)

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思わず笑顔がこぼれる。F東京が魅せるサッカーを当地で誇らしく思えた。“F.C.TOKYO”は南半球の選手、サポーターの記憶の一部となったはずだ。
F東京が6日、オーストラリアクインズランド州都ブリスベンでブリスベンロアと対戦し、圧巻のパスサッカーを披露した。クラブ史に刻まれたアジア初進出のACL初戦。青赤のストライプがよく似合うパスを繋ぐ美しいサッカーをブリスベンスタジアムで見せつけた。

「ブリスベンロアはとてもおもしろいチームだよ。私たちとスタイルもよく似ている。だからこそ、主導権を争う試合になる。もちろんクラブにとってこの一戦は大きな足跡を残すことになるだろう。ただ、参加するだけではなくやるべきことを試合で出すためにここに来た。サポーターの皆さんも、たくさん来るということを聞いている。皆さんが笑顔になる試合にしたいね」

試合前日のポポヴィッチ監督の脳裏に描いた図そのままがピッチで表現された。試合開始直後からショートパスを繋ぎ合う戦いとなった。ブリスベンロアは開始直後、パスワークを駆使して、F東京のプレスを見事に交わした。プレスが緩い場所にボールを逃がすと同時に、そこから攻撃へと繋げるビルドアップを披露する。ただし、目の前で展開されたこのサッカーが、真っ向勝負のポゼッションゲームには負けられないという自負を持つ青赤に火をつけた。DF森重真人が言い切る。「僕たちは、同じようなサッカースタイルの相手には、絶対に負けないという自信がある」

その言葉通りに、スタジアムに漂う空気を一変させた。オーストラリアリーグでは1試合平均60%以上のボール支配率をたたき出すブリスベンロアだが、この日はいつもと勝手が違っていた。やられたら倍返しでやり返すF東京は、セットされた守備を剥がす丁寧なパス回しを披露し、ボール保持率、試合内容でもブリスベンロアを圧倒した。

そして、前半終了間際に先制点が生まれる。45分過ぎに、MF石川直宏がボールを運び、ピッチ中央へと駆け上がる。ラストパスを阻まれてしまうが、相手選手に当たったボールは右サイドのDF徳永悠平へと渡り、ピッチ中央にグラウンダーのクロスを送った。それにMF谷澤達也が滑り込んで貴重な先制点を挙げる。指揮官は「先制点は大きかった。前半終了間際に決められたことはさらに大きな意味を持つ」と語った。徳永は、これで「必然的に相手も前に出てこなければいけない状態が生まれた」と、述懐する。

後半に入り、前への圧力を強めるブリスベンに対して、守備陣が冷静に対応した。55分には試合を決める追加点を奪う。MF羽生直剛がオフサイドトラップの間隙を縫い、最終ラインの背後に抜け出す。シュートは相手GKに阻まれてしまったが、長谷川アーリアジャスールが詰めて加点。その後は、ショートパスを繋ぎながらも、何度もカウンターからチャンスを作る理想的な展開に持ち込んだ。
ブリスベンロアの多くの選手は試合後、「自分たちの経験したことのない展開だったので戸惑いがあった」と言葉を残した。ACL初戦で確かな足跡を残し、F東京はアジア初進出を華々しい勝利で飾った。

渡邉千真の言葉がすべてだ。
「これで気持ちよく飛行機に乗れますね」
スローに旅を愉しむ余裕なんてないけど、ピッチの上では存分にこの長いフライトを解消した。長い年月を掛けて積み重ねてきたことは間違いじゃなかった。まだまだ未完成だけど、F東京のサッカーがやっぱりおもしろいことを南半球で確認できた。ほんの少しだけ世界との距離を感じられた。だからサッカーは楽しい。

以上

2012.03.07 Reported by 馬場康平
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