3月7日(水)AFCチャンピオンズリーグ2012 名古屋 vs 城南(19:00KICK OFF/瑞穂陸)
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☆城南一和(韓国)のチーム&注目選手紹介
今季こそ国内外の2冠達成を目指す名古屋だが、その船出には不安要素が浮上してきた。中堅以上の実力者が揃うチームは疲労回復を主眼に置き、Jクラブで最も遅い始動日を設定。ちょうど1ヵ月のプレシーズン期間でチームを仕上げる目論見だったが、ここにきて調整とチーム構築の遅れが顕著となってきている。別府でのキャンプから名古屋に帰った後に行なった練習試合はいずれも格下相手に引き分け。今季からJ2に加入した松本戦ではケネディと藤本淳吾、JFLのツエーゲン金沢戦では玉田圭司と小川佳純という主力を欠いたが、それを差し引いても本来の力を誇示するには至っていない。今季最初の公式戦となるAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の初戦へ向けたチーム状態は、まったくの未知数と言わざるを得ないのが現状だ。
現在の懸案事項は2つある。1つは絶対的エース・ケネディの状態だ。昨季の最終戦で持病の腰痛を悪化させ、キャンプをすべて別メニューで過ごした長身FWは3月3日のツエーゲン戦でようやく実戦に復帰。コンディションは悪くなさそうだが、試合勘の鈍りは否めないといった印象だった。練習試合の後半になって本来のプレーが見られるようになったことは明るい兆しだが、4日間でエースの状態がどこまで上がってくるかはストイコビッチ監督にとっても悩みの種だろう。チーム始動からケネディの代役を務めてきた金崎夢生は良い状態をキープしているため、彼のスタメン起用もひとつの選択肢として視野にあるかもしれない。
2つ目は負傷者だ。昨年序盤に負傷者が続出した苦い経験を元に、今シーズンは慎重な調整を続けてきたはずだった。しかしケネディはもちろんのこと、試合の前週に玉田が足首を痛め、小川も練習中に打撲傷を負い戦線を離脱。両選手とも城南戦での復帰を目指しているが、出場の可否は不透明だ。代役に永井謙佑と金崎という実力者が控えている選手層はさすがだが、玉田と小川は攻撃の組織を循環させる重要人物だけに影響がないとはいえない。この2回の練習試合で目立ったのはビルドアップから攻撃に移る際のアイデアの乏しさだった。その意味でも負傷の2選手にかかる期待は大きく、できれば出場してほしいというのが指揮官の本音だろう。
このような苦しい状況で迎えるACL初戦の相手はグループ最強との呼び声高い韓国の城南一和だ。2010年のアジアチャンピオンは昨季リーグ戦では低迷したが、FAカップを制してアジアの舞台に立つ権利を得た。すでに開幕しているKリーグでは3日に全北現代とのホームゲームを戦っており、2-3と惜敗しているもののFWエヴェルトンが2得点と攻撃陣はまずまずの出来。スタメンには昨季のAFC最優秀選手オグネノフスキや韓国代表ユン・ピッカラム、ハン・サンウンらが名を連ね、前線にはエベルチーニョ、ヨバンチッチと外国籍選手をズラリと並べる強力な布陣を組んでいる。1月に香港で行われたアジアスーパーチャレンジカップでは清水に5-1と圧勝しており、その得点力には最大の注意が必要だ。
だが幸いにも名古屋はDF陣に関しては調整が進んでおり、守備において大きな心配はない。田中マルクス闘莉王と増川隆洋の鉄壁コンビは健在で、守護神・楢崎正剛も変わらぬ安定感を見せている。さらには彼らと甲府から新加入のダニエルを同時起用する3バックも今季は調整を進めており、今季の名古屋のゴール前の迫力は昨季の比ではない。闘莉王のオーバーラップも促進できることから、試合展開によっては早々に3バックが実戦投入されることも十分にありそうだ。そうなれば前線のカンフル剤としての役割を、闘莉王が買って出ることは必至。彼にとって城南は浦和時代にACLで苦杯をなめさせられた相手である。闘将のモチベーションは否が応にも高まっているに違いない。
この試合の3日後にはホームでのJリーグ開幕戦が控える。昨季はアウェイでのACL初戦で敗北し、その流れを払拭できぬままにリーグ開幕戦でも低調な試合をしてしまった。その苦い経験は指揮官も主力たちにも刻み込まれているはずで、開幕ダッシュを決めるためにも、とにかく勝利が欲しいところだ。名古屋にとっては“奪還”がテーマとなるシーズンの第一歩が、いよいよ踏み出される。
以上
2012.03.06 Reported by 今井雄一朗
J’s GOALニュース
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