3月3日（土） 2012 FUJI XEROX SUPER CUP
柏 2 - 1 Ｆ東京　（13:36／国立／35,453人）
得点者：26' ジョルジワグネル（柏）、43' レアンドロドミンゲス（柏）、65' 長谷川アーリアジャスール（Ｆ東京）
☆FUJI XEROX SUPER CUP 2012特集ページ
☆簡単予想で賞品GET！totoリーグ3投票受付中！
☆本格的toto予想はこちらから！
----------
※柏側レポートはこちら

Ｆ東京がＪ１王者に洗礼を受けた。初参戦のFUJI XEROX SUPER CUPで柏と対戦し、1−2で惜敗した。26分に、ＭＦジョルジ ワグネルのミドルシュートで先制され、43分にもＭＦレアンドロ ドミンゲスにＰＫを決められて2失点。65分に新加入の長谷川アーリアジャスールがゴールを挙げて1点差に迫ったが届かず。Ｊリーグ20年目の幕開けを告げる一戦に敗れた。

現時点での力を出し切った試合だった。システムはプレシーズン中に、最も攻守のバランスが優れていた4−2−3−1を選択。全力でこの試合を取りにいった。だから試合後、ランコ ポポヴィッチ監督も肩を落とすことはなかった。選手たちにも「下を向く必要はない」と投げかけている。「今日の試合前に、『今日はいいサッカーを見せて日本中にプロパガンダする』と伝えたが、ご覧頂いて分かる通り、皆さんが満足いく試合を見せる事が出来たとは思っている」と、胸を張った。

Ｆ東京は、試合開始から主導権を握った。縦パスをスイッチにしてそこに複数人が絡む攻撃を実践し、背後へと抜け出す場面も作っていた。だが、柏の規律正しい守備を崩しきることは難しかった。柏は中央を固めてきた。クサビで受ける選手が囲い込まれ、行く手を阻まれることが何度もあった。狙いの一つであったペナルティーエリアの角からのクロスを簡単に放り込まずに、横、横と繋ごうとしたが、そこにも素早く対応してきた。思うようなタイミングで攻撃を仕掛けることができなくなると、ボールを大切にして隙をうかがう攻撃へと切り替えた。ただし、同様に王者も隙をうかがい続けていた。

ＭＦ高橋秀人は「寄せ切れなかった」と後悔する。26分に、ジョルジ ワグネルが中盤でクリアボールを受けると、プレッシャーが少ないと感じて一気に射程距離までボールを運んだ。そして、左足を振り抜く。その地点は、ゴールまで20メートル以上の距離を残していた。Ｊ２ではほとんどお目にかかれないシュートレンジ。これが柏の強さだった。ワグネルの左足から放たれたボールは直線を描き、ゴールネットへと突き刺さった。さらに、43分にはＰＫから失点。主導権を握っていた状況は一変し、２点差で試合を折り返した。

Ｆ東京は後半、選手交代で打開を図った。58分にＭＦ石川直宏に代えてＦＷ渡邉千真を投入して2トップにシステムを変更する。守備のバランスが崩れてボールロストも目立つようになったが、65分に一矢を報いた。縦パスを起点に、左サイドへボランチの高橋が飛び出てクロスを上げる。そこに、右サイドにポジションを移していた長谷川が飛び込む。一度は、ＧＫに阻まれたが、こぼれ球を頭で押し込んで1点差まで詰め寄った。73分に羽生直剛、85分には河野広貴が投入された。その後もボールを保持してチャンスを作ったが決めきれず。１−２のままゲームを終えた。

今年からまたお世話になるＪ１の皆様には名刺代わりのサッカーを見せられた。ただ、目指すサッカーはまだまだ遥か先にある。その一端は見せられたはずだが、もっと痛快で胸がスーッとする場面はチーム始動からの練習マッチでも何度かあった。タイミングよく縦パスが入れば、ペナ角から横へと遊びのパスが有効活用できた場面もあった。サイドチェンジの数は、まだまだ少ない。守備のバランスはもっと注視すべき点も散見する。それも、これから取り組むべき課題としてこの一戦から抽出できた。Ｆ東京は、まだまだこんなものじゃない。本当のお楽しみはこれからだ。

以上

2012.03.04 Reported by 馬場康平