☆水戸：2012シーズンパスポート＆サポーターズクラブ受付中！
☆2012シーズンもスカパー！はJ1・J2リーグ戦を全試合放送！
---------------------
25日から行われたひたちなかキャンプの最終日、水戸は今季初のトレーニングマッチを行った。22日に練習の一環として水戸ユースと試合を行っているが、本格的な実戦はこれがはじめて。その相手は昨年に引き続き、北関東のライバル栃木SCであった。もはや定番となりつつある“北関東ダービー”での両チームのお披露目。ぜひとも今後も続けてもらいたいものである。

30分×4本で行われたこの試合は、キャンプの集大成というよりも、ここからがチーム作りのはじまりという位置付けである。そこで見えたものは「昨年築いたことはメッキではなかった」（柱谷哲二監督）ということであった。
初の実戦どころか、まだフィジカルを鍛えている段階で戦術練習すらしていない状態。それゆえ序盤は連係がうまくいかず、「全部ズレていた」（柱谷哲二監督）。栃木にボールを回され、なかなか前に出ることができない苦しい展開が続いた。
しかし、昨年築いたベースは生きていた。15分を過ぎると徐々にボランチが積極的にボールを引き出してボールを動かすようになり、主導権を握りだす。長短織り交ぜたパスでゲームを組み立てながら、栃木のゾーンディフェンスを崩していった。15分以降はほとんど栃木にサッカーをさせず、水戸のペースで試合は進んだ。「ベンチからの指示ではなく、自分たちの感覚でペースを取り戻すことができた。そこからはずっとウチのペースだった。そこは評価したい」と柱谷監督も納得の表情を見せた。

特筆すべきは守備の共通意識だ。流れの悪い序盤は我慢しながらやや低い位置でコンパクトを形成し、流れをつかんでからは高い位置でプレスをかけていった。ピッチ内の選手同士で大きな声を張り上げながら、状況に応じた守備をすることができていた。それこそ、柱谷監督の求める「判断するサッカー」。1試合目にして、チーム全体にその意識が浸透していたことに驚かされた。

新加入選手も上々の出来だった。キム ヨンギ、輪湖直樹、橋本晃司が1、2本目に出場した。いずれも「まだ周りがどういうプレーをするか分からない」と口にしたが、試合をしながら話し合って意思のすり合わせを行っていた。時間とともに連係がよくなり、“個”の力を発揮することができた。
中でも印象的だったのが背番号「10」を背負う橋本のプレーだ。「個人的なミスが多くて、何も言えない。もっと調子を上げないといけない」と不満げであったが、時折見せたテクニックの高さはキラリと光るものがあった。左右の足から正確なボールを蹴ることができ、動きの質も高く、アタッキングエリア内でのスキルの高さを感じさせた。「ゴールに直結したプレーをしてもらいたい」と柱谷監督が期待を寄せるように、今後コンビネーションが高まれば、ゴール前で大仕事をしそうな雰囲気が漂っていた。「背番号10の選手は活躍できない」という水戸のジンクスを打ち破ってくれることに期待したい。

また、サブ組主体で行われた3本目、4本目からも発見があった。高卒ルーキーの鈴木雄斗と内田航平が違和感なくチームに溶け込んでおり、レギュラー争いに食い込みそうなほど猛アピールをしていたことだ。2人とも足元の技術が高く、判断力も優れている。2人の柔軟な動きとコンビネーションを起点に水戸がチャンスを作り出していった。「開幕スタメンを狙っています。これからもっとアピールしていかないといけない」と語る鈴木雄の姿は何ともたのもしいものであった。

昨年築いたベースが残っていることを確認でき、そこに上積みできる期待も持てた。さらに、吉原宏太や市川大祐、加藤広樹、尾本敬等ケガで別メニュー調整を行っている選手たちがこれから戻ってくる。かつてないほどポジティブな要素を持ってスタートを切ることができているのである。

試合は4本計1対1で終わったものの、「J1昇格」が決して手の届かない目標ではないということを確認することができた、実り多きゲームであった。

以上

---------------------
◆2012シーズンキックオフ！
FUJI XEROX SUPER CUP 2012
3月3日（土）13：35キックオフ／国立
柏レイソル vs FC東京

※同日開催　NEXT GENERATION MATCH
10：40キックオフ
U−18Jリーグ選抜 vs 日本高校サッカー選抜
※チケット好評発売中！詳細は【こちら】


2012.01.29 Reported by 佐藤拓也