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【2012シーズン始動!】浦和:ミハイロ・ペトロヴィッチ監督就任会見(12.01.17)

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本日、埼玉スタジアムにて浦和レッズのミハイロ・ペトロヴィッチ監督就任会見が行われました。会見での出席者のコメントは以下のとおりです。
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●橋本光夫社長
「昨年の12月14日にクラブから2012シーズンの監督としてミハイロ・ペトロヴィッチ氏と基本合意した旨を発表しました。その後正式契約を交わし、本日就任会見が開催されることを非常にうれしく思っています。昨シーズンは非常に厳しいシーズンとなり、最終節で残留が決まり15位という結果に終わりました。入場者数も4年連続減となり、クラブとしては誇りあるクラブ、浦和にとって誇りあるクラブ、強いチームを目指すという大きな目標に向かった歩みを停滞させてしまったと考えています。2012シーズンは浦和のクラブ創立20年の記念の年に当たります。クラブのビジョンの原点に立ち返り、活動を進めていきたいと思っています。強くて魅力のあるチームを作ることをクラブの最重要課題として取り組んでいく所存です。そのチームのキモとなる監督の選任に関しては、強化部長から経緯と考え方を説明させていただきますが、2012シーズンはクラブの信認回復と合わせてチームの再生、再建に取り組んでいく所存でございます」

●山道守彦強化部長
「ミシャ監督就任の経緯ですが、私自身が9月19日から強化に戻りまして、残留に向けて苦しい戦いをしました。その時はチームを残さなければいけないと同時に、もう一度輝くためには何を変えたらいいのか、レッズを変えないといけないという気持ちがありました。厳しい日々でしたが、必ず変えたいと思っていました。そのなかで、若い選手がいたり、経験豊富な選手ばかりでない状況のなかで、私は常に実績と経験があって、戦術的、戦略的な引き出しがあって、クラブを安定させることができる方に監督をお任せしたい、つまり一流の監督に任せるしか変われないと思っていました。正直、いくつかの紆余曲折はありました。ただ、広島に行って、監督と話をして、浦和に対するリスペクト、サッカーに対する情熱を聞いた時に、そしてポジティブに戦おうという言葉を聞いて、本当にお任せできると確信していますし、いい仕事ができると確信しています。監督を選んだ経緯はチームを見て、今変えるために必要な指揮官はという問いの答えがミシャ監督です。正直、ネガティブなシーズンを過ごしたのでポジティブにやろうとか、そういう話をさせていただいています」

●ミハイロ・ペトロヴィッチ監督
「浦和レッドダイヤモンズの監督に就任できたことを光栄に思っています。個人的な自己紹介については省かせてもらいたい。浦和に新しく就任しましたが、私は6年、日本で仕事をしてきたので、私がどういう人間かはみなさんご存知だと思っています。監督としてこの浦和を率いることは興味深い課題だと感じています。2006年に日本に来て仕事を始めましたが、その時は浦和がリーグ優勝して、2007年はアジアチャンピオンになりました。私は浦和を外から見ていましたが、本当に浦和が持っているポテンシャルは大きいと感じましたし、素晴らしい状況だったなと感じていました。その後、浦和は昨シーズンまであまりうまくいっていませんでしたが、計画通りにいかないのもサッカーだと思います。私自身、監督として最初に2つの目標を持ってやろうと考えています。
ここまで来るに至って、選手、クラブで働いている人間、そして応援してくれるみなさん、本当に苦しい時間を過ごしてきたと思います。まず私が就任してやらなければいけないことは、選手がトレーニングするなかでポジティブな雰囲気を作ること、働いている人、ファンのみなさんにポジティブな雰囲気を持ってもらうことです。それを最初にやっていきたいと思います。厳しい時期、うまくいかなかった時期から学ばなければいけないし、そこから前に進んでいかないといけない。私は最初のトレーニングの日から選手の笑顔が見たい。選手が喜んでトレーニングに来る状態にしたい。サッカーというのは、自分自身が喜びを持ってやらないとできないスポーツだと思っています。
2つ目にやるべきことはしっかりとしたチームを作ること。チームとしていかにまとまって戦えるか。どの選手もまず第一にチームのためにプレーしてほしい。2つ目にくるのは各選手が持つ個人的な目標であってほしい。例えば代表に入ること、記録を残すことだが、まずは選手1人1人に考えてほしいのはチームの勝利のためにプレーすることです。これまで浦和を見てきたなかで感じたことは、能力の高い選手はいるが、さきほど私が言ったことと逆のことを考えている選手がいるということです。まずはチーム、そのあとに個人的な目標という順番でやってもらいたい。浦和の全員の力を合わせれば、それはできると考えています。我々は安定した土台を持ったチームを作れると考えています。できるだけ早くファンの信頼を取り戻したい。基本的にトレーニングを非公開にすることはありません。ファンのみなさんに是非、足を運んで見てもらって、我々が日々取り組んでいること、我々がどういう方向で仕事をしているのかご自身の目で見てもらいたいと思っています。我々にとって厳しい仕事になると思いますが、監督として十分にそれができるだけの能力を持っていると自信を持っていますし、みんなの力を合わせればそれはやり遂げられると感じています」

Q:これまで浦和の監督を務めてきた2人(フィンケ監督とゼリコ ペトロヴィッチ監督)の下で積み上げてきたもの、あるいは足りなかったものは何だと感じていますか?
「私は同業者であるどの監督もリスペクトしているし、みんなそれぞれ素晴らしい監督だと思っています。それぞれの監督が自分のベストを尽くしてがんばってきたと思います。結果として成功するかどうかはいろいろ関係してきます。運の部分だったり、レフェリーのジャッジだったり、いろんなことが絡んでうまくいくかどうかが出てきます。それぞれの監督は自分の哲学、トレーニング法を持っています。私にアドバンテージがあるのは日本で6年仕事をしていること。浦和のこともある程度知っていますし、日本のメンタリティーも6年で学ぶことができた。フィンケさん、ペトロヴィッチさんは来てすぐにここで仕事をして難しい部分もあったと思います。私自身、外から浦和を見て思うことは浦和にはしっかりとした個人能力の高い選手が揃っているということ。私はいかにそういう選手をチーム戦術のなかで噛み合わせて、チームとして機能させることをやっていきたい」

Q:浦和ではどういうサッカーをするのか? また具体的な目標は?
「どのチームの監督もバルセロナのようなサッカーができたらという思いでやっていると思いますが、それをやるのは簡単ではありません。私の志向するサッカーはすごく複雑です。私が考えるサッカーは運動量が多く、そのなかで考えながら走ること、考えながらのコンビネーション、そういう複雑なことが絡み合う中でやっていかないといけない。それは簡単な話ではありません。私自身も選手もそういったものを積み重ねてよくなっていくためには、時間はある程度必要だと思っています。浦和は個人能力の高い選手がいると思っていますし、その選手たちをいかにチームの戦術に組み込んでいくかというのはすごく難しい課題です。常にオプティミストとして考えてきましたが、そういう戦術を早く選手たちに浸透させていきたい。浦和は1試合で、3、4万人、多い時で5万人も入るクラブです。そのファンのみなさんはただ勝てば良いというのを求めているとは思いません。そういう方々に攻撃的で魅力あるサッカーを見せたい。浦和のサッカーと言われた時に、これが浦和のサッカーだとみなさんがすぐにイメージできるサッカーを作り上げていきたい。そのためには日々のトレーニングがすごく重要ですが、浦和を取り巻く環境ではすぐに結果を求めたり、いいサッカーをすぐに求めたりされがちです。しかし我慢は必要です。我々も見る側も我慢が必要です。監督としてそういう環境で仕事をするのは難しいですが、魔法はありません。魔法をかけて1日ででき上がることはありません。サッカーは積み重ねてでき上がっていくものです。浦和というチームが魅力あるサッカーをするというのは、我々に課された義務だと感じています。なぜなら浦和は日本でもっとも観客の多いクラブだからです。浦和が魅力あるサッカーをすること、それが我々のやらなければいけないことです。

具体的な目標? まだ選手とトレーニングを始めていませんし、監督として多くのことを約束することはありません。1人の人間、監督として夢を見ること、常に上を目指すこと、例えば優勝を夢見ることは誰しもあることだと思いますし、夢というのは横にいる社長、強化部長も夢として持っていると思いますが、現実は昨シーズン15位で終わったチームだということです。我々は今シーズンから再びベースを築く段階です。我々にとって大きな目標というのは現時点では夢です。みなさんが批判するための時間は十分に残されていると思います」

(橋本社長が間に入ってコメント)
「監督とは昨年末からチーム状況やクラブの考えを話してきましたが、リーグ戦で15位だったのが結果です。夢と希望を与えるチームを再建するスタートに立つという気持ちでいますが、日々のトレーニングでどうチームが成長していくかというのがある意味、大きな目標です。それをスタジアムでどう表現できるかというのが大きな目標になります。そういった話を監督とはしています」

Q:最初に浦和からオファーが来た時の気持ちは?
「正直な人間なので正直に話します。広島で過ごした時間は私にとっても、家族にとっても素晴らしい時間でした。それが2006年から始まったことです。2006年は浦和がリーグ優勝した年で、そのシーンを私もテレビで見ましたが、その時に感じたのは日本でこれほどのことが起こるのかと。バイエルンやレアル・マドリードが優勝した時のような雰囲気を感じました。その時、私が思ったことはいつか浦和の監督になるということです。山道さんが広島に来てオファーをしてくれた時は、山道さんが差し出した手を私は両手で受けました(笑)。これは本当の話です。2006年の優勝した写真をロッカーに掲げ、常にそれをイメージして日々の練習に取り組んでほしいと思います」

Q:キャンプで取り組むことは?
「どのチームも同じだと思いますが、コンディション中心にやりたいと思います。ボールも使いますが、コンディションを上げることを重点的にやりたいと思います。サッカーでまず大事なのは走ること、その次にやるべきことは考えながら走ることです。大切なことは走ることですが、いかに走るか。相手の危険なところに走っていけるかが大切です。どこに走るかは考えないとできないことです。あとは走ろうかなと考えていても走らないと意味がない。考えないで走り回る選手はよくないですが、考えて走らない選手もよくない。常に走ること、考えること。頭と足の両方が機能していないといけない。今季のサッカーをする上ではインテリジェンスが求められる。試合のなかでインテリジェンスを発揮できるかどうかがすごい大切な要素になります」

Q:監督が選手に求めること、クラブに求めることは?
「名前でサッカーはできません。まずどの選手にも求めることはチームプレーに徹してもらうこと。1人で試合を決定づけるような選手は私のチームにはいません。チームで戦い、チームで勝ち、チームで負ける。あとはインテリジェンスを求めます。我々がやるサッカーは考えてプレーしないとできません。1人の選手が全てを見えていないといけません。1つの状況において、選択肢を1つしか持っていないというのでは足りません。3つくらいアイデアを持ってプレーしてもらいたい。社長、強化部長には大きな支援を受けています。クラブが私にこうしてほしいという、マストのことは言われていません。お互い話し合いのなかで物事を進めることができています。いい家を建てたければいい土台が必要です。いい土台ができれば、2階建て、3階建ても建てられる。土台がしっかりしていれば、上に高いものを積み上げられる。土台がしっかりしていないと高く積み上げた時に倒れてしまう。土台をしっかり作って、その上に積み重ねていきたい。そういう話をクラブとしています」

Q:選手と接する上で大切にしていることは?
「いろんな指導者を知っていますが、だいたい2つに分かれると思います。1つ目は上からものを言って、規律でしばってリスペクトを得るタイプ。もう1つは自分の仕事によって選手からリスペクトを得るタイプです。私は選手が私から何か学べるということを思ってもらえるように指導していきたい。私は練習でハードにトレーニングさせます。ただ、練習以外では、私の24時間は全て選手のためにあると思っていますし、それはサッカーだけでなくプライベートに関することでも、いつでも私のところに来てもいい。私は選手とオープンに接している。広島時代、(柏木)陽介には手を焼きました。何回かトレーニングから外してロッカーに帰したこともあります。彼にとって、それがいいことだということを彼はわかっていたはずです。厳しく接したのは自分のためだとわかっていたと思います。3試合くらいスタメンで出た後、自分のことをビッグプレーヤーだと勘違いしたことがあり、その時に私は彼に厳しく接しました。そのなかで彼は私から学んだことがあったと思います。サッカーというのは日々の仕事、毎日毎日自分の能力を証明していかないといけない職業だと思います。例えば、3年連続タイトルを取った監督でも、次のシーズンで4連敗したらダメだと烙印を押されかねません。だからこそ、サッカーを職業とする人間は毎日自分の力を証明していかないといけない。サッカーは過去では生きられないスポーツです」

Q:浦和は4シーズン低迷してサポーターは我慢してきました。土台作りということになると、今年も我慢しなければいけないと思うサポーターも出てくると思いますが、そういうサポーターに向けて言いたいことは?
「私の前に就任した監督も、しっかりとしたベースを作りたいというようなことを言ったと思いますが、私自身もそれ以外に何を言ったらいいのかわかりません。浦和というチームで働く以上、あまり時間がないというのはわかっています。ファンのみなさんが我々のやること、進んでいる方向を見てくれればいいと思います。非公開にすることは基本的にしないので、練習場に見にきて、やっていることを見てほしい。方向性が正しいのか確認してもらうことがファンのみなさんに言えることだと思います。確信していることは、これまでと違うサッカーをやること。サッカーで負けることは必ずありますが、負けのなかでファンのみなさんが納得できるもの、この内容で負けるなら仕方ないというような、内容のいい負けを作れると思います。負けることがあってもどういう負けなのか、そこが大事になってくると思います。チームが常にベストで戦う姿勢を見せることはできると思います。もちろん、そんなにたくさん負けては困るので、時々になると思います」

Q:開幕戦が広島戦だが、思うことはありますか?
「サッカーというもの自体を考えれば、素晴らしいことだと思います。広島は素晴らしいチームだと思っていますし、第1節まで浦和もいいチームに作り上げることができると思っています。たくさんの注目を集め、観衆が多くいるなかで興味深い試合ができると思います。そういう舞台があるのは素晴らしいことだと思います」

以上

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■FUJI XEROX SUPER CUP 2012
2012年3月3日(土) 13:35キックオフ/国立
柏レイソルvsFC東京
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