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【甲府】城福浩新監督 囲み取材でのコメント(11.12.20)

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●城福浩新監督(甲府)
「『いよいよ始まるんだ』という気持ちになりました。(甲府は)さまざまな歴史があり、クラブ存続の危機もあり、Jリーグで旋風を巻き起こすサッカーを示した時代もあり、良い時も悪い時も経験した中で、大都会ではないホームタウンにあるクラブとして存在感があると思っています。規模の小さい街のクラブの在り方を提示できるクラブだと思っています。来年のチームに関しては、1月中旬の最初の会見で初めて口を開きたい。今は大枠を掴んでいる状態。個別の補強については来年の戦いは始まっていて、これについてはできるだけ協力している。来年の輪郭が決まらないとどんなサッカーをするのかコメントすることはできない。これについては最初(1月中旬に行われる選手とのオリエンテーション)に選手に言いたい。その数時間後には会見があるので、そこでメディアの皆さんを通じて(ファン、サポーターに)話したいので、その時まで待ってほしい。

私が前にいたクラブ(F東京)は日本の中で有数の規模のクラブで、その場所にいれば多くの環境が整っていた。そういう環境にないクラブは日本にまだまだ多くあるが、甲府に来て改めて感じるのは、いろいろな人に支えられてプロのクラブが成り立っているということ。環境はいいに越したことはないが、それが全てではない。むしろ、そうじゃないからこそ、いろいろなエネルギーが湧いてくることもある。今の(甲府の)環境でプラスのモノを引き出したい。(甲府の監督就任は)大きな決断。甲府が降格に至るプロセスの試合は見てきたが、その中で背中を押してくれたのはサポーター、選手、クラブスタッフの熱意。この熱意に応えたいと思う。私自身、いろいろ経験してきたつもりなので、自分の全てをぶつけて、見ている人に伝わるサッカーをしたい。少なくとも、スポーツが日本の中で社会的に認められるように、サッカーでその一助となりたいと思っている。その役割を担える存在になりたい。そのためには、現場だけではなく、サポーターやスポンサーやクラブを含めたみんなで努力を続けないと難しい。時間はかかると思うが、微力ながら役立つ存在になりたい。

(来年の選手構成は)何をもって100%なのかを定義しないと、「現時点で何割決まった」とは言えない。100%を(究極に)求めれば無尽蔵なお金が必要になる。僕は与えられた資金の中で如何に勝利に向かうことができるサッカー、結果を出せるメンバーを揃えられるかの勝負だと思う。そこに何割という答えはないと思う。最終的に揃ったメンバーを正解としないといけないと思うし、そういう立場。結果の出し方、方法論は人それぞれあると思うけれど、それは自分が結果を出すために一番近いと信じる方法で取り組みたい。規模の小さい街のクラブが日本サッカーにどういう提示ができるのかということは僕の中で大きなチャレンジ。規模の大きなクラブなら(環境が整っていて)選手がある程度集まるが、そうじゃない中にも選手はいるし、パッション(情熱)はあるし、夢もある。それをどう実現していくかに携わるのは大きなチャレンジだと思っています。大木武(現・京都監督)は現役時代に一緒にプレーした仲間であり友人でもありますが、彼が監督をしていた時代(05〜07年)の甲府は、規模の小さい街にあるクラブが存在感を示したと思っています。可能性を感じました。街(ホームタウン)の人口やクラブの予算だけじゃない。いろいろな問題を抱えていても、ピッチの上で示すことができるものがあるという勇気をもらいました。甲府では、育成でも地元の子供が将来ヴァンフォーレのユニフォームを着て活躍できる環境を創ることに協力することについて異論はない。やれることはやりたい。

「甲府らしさ」について今の僕は言えるほどの立場にいない。監督・選手が毎年必死になってファンやサポーターやスポンサーを感じながらやってきた歴史がある。その中で、今、ベストを尽くすだけ。5年前、3年前とは状況が違う。経営危機、昇格、降格という歴史があっての今。比べようがない。そのなかで勝利に向かって最善を尽くす姿を見てもらうだけです。そういう集団をつくるだけ。「甲府らしさ」を僕が語るのではなく、僕らが示すことができるのはピッチの上での姿勢。「勝利に一番近い」と思ってやるサッカーはあるが、それが「甲府らしさ」だと僕が言う立場にはないと思う。それは皆さんが感じて決めてもらうこと。「やりたいサッカー」はあるし、そこでは自分を偽れない。しかし、プロの世界は結果を得ないと選手も私もそのポジションにいられない、チャレンジできない。そいう立場。結果を得ながら理想に近づくサッカーにしたい。そのためには時間が必要だし、その時間は自分が(結果を出して)稼ぐものだと思っています。来年の3月に、(1月中旬からの)2カ月弱の準備期間で理想のサッカーが具現化できるようなものではない。そんなにサッカーは浅いものではない」

甲府の新監督就任決定後初めて山梨を訪れた城福浩氏。前夜、市内のホテルにチェックインした時にはフロントの従業員に「サポーターです」と声を掛けられたし、山梨県内を走る車に「ヴァンフォーレ甲府」のステッカーが貼ってあることが少なくなく、多くの人がクラブを応援していることを感じたそうだ。会見の中で、城福新監督は「地方」という言葉にあるネガティブなイメージを気にして、甲府という街の規模を表現するときに、適切な言葉が見つからず「大都会ではない」という言葉を選んだが、一部で「規模の小さい街」と置き換えた。慎重に言葉を選んでいるものの、城福新監督の言葉にほとんどの記者は期待を抱いたはず。甲府の2011年は降格という悔しい結果に終わったが、最後の最後で期待をもって1年を締めくくることができることは幸せ。どんな選手構成になるか分らないが、2012年はまた熱く戦える1年になりそうだ。

2011.12.20 Reported by 松尾潤
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