11月27日(日) 2011 J2リーグ戦 第37節
横浜FC 1 - 2 京都 (16:33/ニッパ球/5,350人)
得点者:24' 難波宏明(横浜FC)、90' 久保裕也(京都)、90'+4 工藤浩平(京都)
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前半、そして後半の途中までを見れば、完全に横浜FCのゲームだった。しかし終わってみれば2−1でアウェイの京都が勝点3を持ち帰ることとなった。横浜FCと京都のそれぞれが、本来目指すサッカーとはやや異なる形で進むゲームの中、本来の形を最後に取り戻した京都が、切れ味鋭い逆転劇を見せた。
立ち上がりは、両チームがコンパクトな陣形を保ちつつも、ハイペースに展開する。近い距離感でショートパスを繋ぐ京都に対して、横浜FCはサイドにボールが入った時のプレッシングで対抗するが、試合開始後は京都がその網をかいくぐって横浜FC陣内に押し込む。一方で、横浜FCは押し込まれながらも奪ったボールを早い展開でカウンターにつなげるが、この時京都は横浜FCに簡単にポストプレーを許してしまう。お互いに、守備の狙いが定まらない中、ポゼッションとカウンターの応酬が繰り広げられる。
しかし、先に緩めてしまったのは京都の方。大木武監督は「攻守に遅い、失う回数が多すぎて、ディフェンスも定まらない感じ」と振り返ったが、試合開始直後に見られたコンパクトな陣形を保てず、横浜FCのポゼッションを許してしまう。そして、その流れのまま、24分に野崎陽介のクロスをファーサイドで難波宏明が押し込んで、横浜FCが先制に成功。その後も、藤田祥史、難波がトップで容易にボールを収めると、横浜FCが主にポゼッションをする展開となる。そして、前半は、中盤から最終ラインの守備でも安定を見せた横浜FCが危なげなく1-0で締め、ニッパツ三ツ沢球技場には3連勝への期待感、ある種の安心感が漂っていた。
後半の立ち上がりこそ、京都も前掛かりになったが、それでも京都らしからぬ選手間の距離の広さは解消されなかった。しかし、この隙を横浜FCは突けず、追加点を奪う迫力に欠いてしまう。
ターニングポイントは、この日前線で連携を欠いていたドゥトラに代えて久保裕也を投入した交代。この交代により、宮吉拓実と久保のコンビで前線に起点ができる。そして、両サイドバックを交代させて、サイドの推進力も上げると、寺田紳一が「相手のボランチに気持ちよく持たれていた」と振り返ったように、京都のボランチ、サイド、トップの連携が活性化する。ここから、逆に横浜FCが隙を見せることになる。ボランチにプレッシャーに行くと、バイタルエリアを開けてしまう。プレッシャーに行かないと、サイドとトップに自由にボールが入ってしまう。しかし、運動量が落ちてきている状況で、ラインを上げて中盤勝負に持ち込むのか、低い位置でも確実にブロックを作るのか。この点の意識統一ができずに、守備のラインだけが低くなり、ボールを左右に振られる状況となる。こうなると、久保、宮吉といった若き攻撃のタレントが牙をむく状況が整う。90分の久保のゴール、そして90+4分の工藤浩平のゴールはいずれも横浜FCを十分に押し込んでからのゴールであり、展開としては必然だったと言って良い。終盤に掛けて、選手交代を利用して本来のパスワークを取り戻し、横浜FCの隙を確実に突いて仕留めるという、地力を発揮した形の鮮やかな逆転劇だった。
横浜FCにとっては、90分の戦い方の中で、いかに一体感を持って戦うかという、今季の大きな課題を再び突きつけられた敗戦だった。後半の途中まで持っていた安心感と、京都の選手交代によるギアチェンジについていけなかった「ゲームの終わらせ方の欠如」のアンバランスさが、岸野靖之監督が記者会見で振り返った「これから先やらなければいけないこと、積み上げていかなければいけないもの」の1つではないだろうか。勝ちゲームを落とした形は今季何度も見た光景だが、その原因も似たところにあるだけに、来季には解消しなければいけない大きな課題と言えるだろう。
一方の京都は、殊勲の工藤が「ここ何試合か最後に勝ち切るゲームをできている」と述べているように、決して京都のペースではなかった試合でも、終盤に掛けて本来のサッカーを取り戻して、それを勝点3に結びつける自己修復力のようなものを強く印象づける勝利だった。これこそが、拮抗したゲーム、不利なゲームでも勝点3を得るために必要な要素。その積み上げが出来ていることを強く印象づけた。
横浜FCの今年のホームゲームは終了。その結果は5勝11敗3分。サポーターは、ホームゲームで良い思い出を作ることができなかった。チームとして力を発揮できなかった、力を勝点に結びつけられなった原因は、選手、監督、クラブ全体が強く認識し、肝に銘じたに違いない。その反省と成長を来年のホームゲームの勝利に繋げられることを願いたい。
以上
2011.11.28 Reported by 松尾真一郎
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