11月27日（日） 2011 J2リーグ戦 第37節
徳島 0 - 3 鳥栖　（13:04／鳴門大塚／11,916人）
得点者：6' 金民友（鳥栖）、30' 池田圭（鳥栖）、56' 豊田陽平（鳥栖）
スカパー！再放送 Ch185 11/28（月）後07:00〜
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何から何までも、今季の鳥栖らしかった。試合で見せた選手たちのプレーも、スタンドで声援を送った多くのサポーターたちも、全てが今季の鳥栖だった。

試合開始直後に徳島の攻撃に戸惑ったのも、今季の鳥栖が早い出足で攻めるチームにてこずったものだった。
６分という早い時間に先制点をあげてペースをつかんだというのも、先制すると強い今季の鳥栖だった。
３０分に追加点をあげて余裕を持った試合運びができたのも、守備でのブロックと高いラインを取る鳥栖だった。
何もかにも、今季の鳥栖を象徴するプレーが続いた９０分だった。

先制点は、池田圭と豊田陽平が高い位置で徳島ＤＦにプレスをかけて、奪ったボールを左サイドから走り込んだ金民友に送って生まれたものだった。高い位置からプレスをかけるのは、今季の鳥栖の守備スタイルである。
３０分のゴール前２２ｍの地点からのＦＫのキッカーは、ＣＢ木谷公亮の役目である。第２７節千葉戦（９月１０日フクアリ）での、前半終了間際に生まれた２点ビハインドからのＦＫも木谷公亮だった。
５６分の藤田直之のロングスローから、豊田陽平のヘディングゴールが生まれたシーンは、今季ここまで何回見たことだろう。
この試合で鳥栖が得たＣＫはわずかに１本であるが、藤田直之のロングスローは５本もあった。合計６本は、徳島のＣＫと同数である。今節のピッチ上で起きている現象は全て、今季何回も私たちが見ることができた鳥栖のプレーだった。

そして、最も鳥栖らしい事を紹介したい。
３点目を決めた豊田陽平は、「最終節に向けて、最後まで気を抜かずに“完全に昇格が決まるまで”一所懸命にやります」と試合後に語った。
その３点目をアシストした藤田直之は、「まだ“昇格が確定したわけではない”ので、最終戦もしっかり勝って終わろうとみんなで話しました」と残る一戦に対してもキャプテンシーを見せていた。
２点目を決めた池田圭は「“本当に昇格が決まるまでもう少し”なので、来週もがんばりたいと思います。ここがゴールではないので、さらにがんばっていきたいです」と最後まで頑張る姿勢を見せた。
インターセプトを繰り返し、逆サイドへの展開を何回も行なって、攻守の切り替えを行い続けた丹羽竜平は、「あと一試合あるので、今日の感激はそこまで感じていない」と彼らしい表現で気を引き締めた。
ベンチから試合を見届けたキャプテンの室拓哉も「次の試合も、鳥栖らしく戦いたい」とシンプルに全選手の気持ちを代弁した。
これが、鳥栖の選手なのである。
「一戦一戦を大事に・・・」、「目の前の試合に全力で・・・」と何度もシーズン中に聞いた。そして、今節も同じように聞くことができた。
今節も鳥栖だったのである。
次節は、今季の最終戦が行われる。最後まで、鳥栖らしく鳥栖のサッカーを見せてほしい。

私事を挟む事をお許しいただきたい。
筆者は、この試合を放送席から観る機会を頂いた。徳島の解説者の方と同席して、鳥栖の事をお話しさせていただいた。
立場を忘れ、試合終了近くからマイクのスイッチを切って鼻をススっていた事をお許し願いたい。
また、放送が終了した直後に、スタッフの方々から「おめでとうございます」の言葉を頂いた。反省会の場では、拍手も頂いた。別に筆者が戦ったわけでもないのに、多くの賛辞を頂き感激と恐縮が同居した次第である。記者室でも、他媒体の方から祝辞を頂いた。
担当冥利を味わえたことは、尹監督はじめ選手、スタッフの皆さんのおかげである。この場を借りて御礼申し上げたい。
地元紙の記者が、試合後に涙していたのも、鳥栖にかかわった選手やスタッフからも多くの連絡を頂いたのも、サガン鳥栖を通じてサッカーファミリーの輪を広げることができた事の賜物である。
ありがとうサガン鳥栖。
そして、次節も鳥栖らしいサッカーを見せて、有終の美を飾ろう。
サッカーから受ける感動は、何物にも変えがたい。

以上

2011.11.28 Reported by サカクラゲン