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【J2:第37節 栃木 vs 大分】プレビュー:北関東王者として臨む初戦、栃木は今季初黒星を喫した大分を迎え撃つ。ノンタイトル戦だが、来季への期待値を高めるには極めて重要な一戦。(11.11.25)

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11月26日(土)J2 第37節 栃木 vs 大分(17:30KICK OFF/栃木グチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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苦労に苦労を重ねたからこそ、手にした時の重みは格別だった。2連覇中の水戸を撃破して掴んだ“北関東王者”の称号。悲願のクラブ初タイトルの余韻に浸っていたいところだが、今節、栃木がグリスタで迎え撃つのは、今季初黒星を喫した大分。
「水戸がガンバに勝ち、うちに勝てなかったように浮かれていては轍を踏む」(松田浩監督)
北関東王者として臨む初戦で躓くわけにはいかないし、クラブワースト2位となるホーム7戦未勝利という悪しき記録に終止符を打たなければ北関東制覇の栄光も霞む。前節のようにタイトルこそ懸かっていないが、大分戦は前回のリベンジマッチだけに「決戦」であることには変わりない。それならば、求められるのは内容よりも結果。今度こそホームで勝利を飾り、晩秋の夜空に「県民の歌」を響かせ、俺達の魂の歌で今季のグリスタ最終戦を締めくくりたい。

「泥臭さは栃木らしさでもある」
額縁に入れて飾っておきたい名言を残したのは水沼宏太。水戸戦の勝因は、相手のお株を奪う“泥臭さ”にあった。前半は水戸に上手くボールをさばかれ、呼吸が出来ない時間帯が長く続いた。それでも、「見栄えは良くないかもしれないが、我慢して徹底したサッカーが出来た」(大久保裕樹)ことで劣勢を跳ねのけられた。栃木のサッカーをぶれずに貫徹できたのは、タイトルへの強い思いに他ならない。魂のこもったプレーの総和が勝機を引き寄せた。「皆が『勝ちたい』という気持ちを前面に出せた」と水戸戦を振り返る渡部博文は、自信たっぷりにこう続けた。
「変な余裕は持ってはいけないが、次の大分戦でもアグレッシブに、気持ちで相手を上回れればこのチームは負けない」
昨季の10位を上回るクラブ最上位でのフィニッシュを狙う栃木。田坂和昭監督が就任した初年度に1桁順位を目論む大分。昇格もタイトルも懸かっていないノンタイトル戦で、勝点3への執念をどれだけ燃やせるか。まずは、そこが勝敗を左右するポイントになるはずだ。

「せっかくランニングしてくれたところにボールが出ても孤立させては意味がない。コンパクトさやサポートの質を高め、次の次までイメージする必要がある」(水沼)
水戸戦ではサビアと崔根植が2トップを組んだ。スペースへのランニングを惜しみなく2トップが繰り返したことで、栃木の悪癖であるノッキングはあまり起こらなかった。しかし、ボールを奪った後のファーストパスの精度を欠き、サポート態勢も十分だったとは言い難かった。3-4-3の布陣を採る大分対策として、3バックの両脇を突くのは常套手段。スペースへの働きかけを無駄骨にしないためにもパスの質を上げ、複数の選手がゴールを奪うためにプレーに関与する必要がある。サビアがPKを獲得したシーンでは、イメージを共有できた選手が多数いたことで、ボールホルダーの河原和寿はパスの選択肢が多すぎて嬉しい悲鳴をあげた。3-4-3はスペースが見付けやすい陣形。チャンスと見たらイメージを膨らませ、シンクロさせ、人数を掛けてゴールを取り切りたい。

「攻め残りの選手に注意したい」。栃木の選手たちがケアすべきだと口を揃えたのが、前田俊介、森島康仁、西弘則と個性の強い大分の3トップ。大分は前回の対戦で布陣を4-4-2から4-3-3に変更する“奇襲”で栃木攻略に成功した。栃木を振り回したのは、1トップを務めた森島。そのポテンシャルを、「チームの軸として必要とされている。あいつの良さが出ているし、自信を持って迷いなくプレーしている」と、U-20ワールドカップで共に世界と戦った河原は警戒する。前節の岐阜戦で逆転勝利を収めた大分は、後半に森島を1トップに据えて息を吹き返した。つまり、いかに1トップにボールを入れられるかが重要な鍵を握っている。栃木の3ラインの間でボールを受け、2桁ゴールを視野に入れている森島(現在9ゴール)に良質なボールを届けたい。

北関東を制し、その翌日には松田監督の来季続投が発表され、チームはポジティブな空気に包まれている。現在8位の栃木(勝点53)は、残り2試合で「5位を目指して上に行けるだけ行きたい」(GK鈴木智幸)。数字上は5位・北九州(勝点57)を交わせる位置にいる。J2初年度の一昨年が17位、昨年が10位と、ひとつずつ階段をのぼっている。今季の昇格は叶わなかったが、ひとつでも順位を上げることは、そのまま来季への期待値となる。J1再挑戦を宣言するにも、8位と5位では外部へのアナウンス効果が全く違ってくる。来季への本気度を示すためにも、期待感を煽るためにも大分戦は落とせない。来年の秋、J1へ昇格する姿が思い描けるような試合にしたい。

以上

2011.11.25 Reported by 大塚秀毅
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