10月29日(土) 2011 ヤマザキナビスコカップ 決勝
浦和 0 - 1 鹿島 (13:10/国立/46,599人)
得点者:105' 大迫勇也(鹿島)
☆ヤマザキナビスコカップ特集ページ
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●オズワルドオリヴェイラ監督(鹿島):
「5年間の中でこれまでやってこなかったが、今日は僕から話をさせて下さい」
(※ オズワルド オリヴェイラ監督は、普段はメディアの質疑応答から会見を始めている)
「まず、アントラーズの選手たちにおめでとうと言いたい。
シーズン中に色々なことが起きて期待通りの結果にならないなかでも、やるべきことをやってきた。タイトルを獲ることができたのは、おそらくストレスもあっただろうが、彼らが規則、規律を守って取り組み続けてくれたおかげ。それがタイトル獲得という結果で評価され、良かったと思う。
二つ目に、レッズの監督と選手を称えたい。特に堀監督は、就任間もない時期に決勝の舞台に向けてチームを立て直さなければいけないということで、今日の120分を見れば、どれぐらいすごいことをやっているのかということを実感できたのではないか。将来有望な、今後も伸びていって欲しい監督の一人であると感じた。また、レッズの選手たちがフェアプレー精神を持って120分間戦い続けてくれたことは、レッズの将来への期待を増すものになったと思う。レッズのファン・サポーターの皆さんは、今後もこのチームに期待していいのではないかと思う。
試合を振り返ると、この決勝戦に辿り着くまでの道のりは厳しかった。まず、準々決勝の横浜FM戦は悪天候のなかでの戦い。立ち上がりを2失点を逆転しないといけない作業となり、そこで120分を戦った。次に名古屋とのアウェイの戦い(準決勝)。湿度が高く、運動量の部分で苦しい試合展開となり120分の戦いになってしまった。今日も120分の内容になったが、横浜FM戦、名古屋戦と比べれば、それほど相手に主導権を握られたわけではなく、自分たちが主導権を握りながら、ものにできず苦しい展開となった。自分たちで厳しい状況に持って行ってしまった。ただ、最後に120分の戦いを制することができるチームだということを、この3試合で見せることができた。
Jリーグにひとつ提案があって、リーグ戦を120分の試合にできないかと提案したい(笑)。残念ながら今シーズンは、90分の試合で多くのチャンスを作りながらも引き分けてしまうという試合が多かった。120分だったら決着を付けられるということが分かったので、皆さんからも、Jリーグの面白味を増すために来季から120分の試合でどうですか?と提案してもらいたいと思います(笑)」
Q:ヤマザキナビスコカップで3試合連続で延長を制したというのは、すごい勝負強さだと思います。その要因は?
「残念ながらリーグ戦においての優勝の可能性は、ヤマザキナビスコカップの横浜FM戦の前から厳しくなっていた。ただ、タイトルを獲らなければいけないという義務はあるわけで、そこで、ヤマザキナビスコカップへの集中を高める作業から始めた。
3試合という数字を片手で数えられる数字だが、厳しい相手だということは分かっていたわけで、
ここにフォーカスするしかないなという考えでいた。
そこで選手たちが、僕の決めたことに対して、“受け入れて、やろう”という気持ちを持ってくれたことを5年間の中で感じている。納得してやってもらわなければいけない、といのは就任当初からいっているが、納得してもらってやっている。
特に対戦相手の能力を考えれば自分たちを上回るモノがあるわけで、献身と犠牲がなければ試合は制せることができない、当然ながらどんな状況でも諦めずに戦い続けるという言葉を、選手たちにかけつづけ、選手たちがそれを実証してくれた」
Q:センターバックに退場者が出た後の対応は、もともと練習していたものか?
「退場者が出るということは、サッカーの試合では起こり得ることで、色々な状況に対する準備はしている。私は規律と規則を立てているが、選手たちに言っているのは、言われたことしかできない選手にはなってほしくないということ。言われたことプラス、柔軟に色々な対応ができるようになって欲しい。
今日、退場の後から右サイドバックにボランチの選手が入り、右のセンターには右サイドバックの選手を入れて、左のセンターにはボランチがいて、左サイドバックにハーフがいたり、ハーフの位置に元はFW二人の大迫選手と興梠選手を入れた。
柔軟に色々な状況に対する対応力を身につけて欲しい。考えて自分たちで決断するということも私は要求しているので、それを選手たちが考えながらやった部分もあるし、また都度、自分から微調整も行った」
Q:今シーズン、本当に大変ななかで今回この結果をもたらした。この結果を出したことに対して伝えたいことは?
「私だけでなく、日本国民全員が忘れられない3.11(東日本大震災)の影響があった。忘れようとは思わないが、何らかの形を出せるよう取り組んできた。
日々、色々な影響が日本全土にあったと思うが、被災された方が『忘れよう』という気持ちよりも、前に行かなければいけないという精神で取り組んでいる姿を見て、我々も同じように前に進まなくてはいけないという部分があった。
良い形で成果を出せたこと、また、自分が獲れていなかったタイトルを獲れたというのは非常にうれしく思う。
ただ、震災があった当初は影響はあったかもしれないが、これだけ長いシーズンが過ぎたところで、今の我々が置かれている(リーグ戦の)順位に影響を及ぼしたかというと、そうは思わない」
Q:内容は良いが勝ちきれない試合が続いた。チャンスをゴールに繋げるものは何か?
「チャンスの数、質とゴールの比率が見合ってないという部分は、私自身も一番心配しています。
選手と個人的に話をしたり、色々なメニューを組んでみたりして、選手たちも非常に真面目に取り組んでいて、一生懸命点を取ろう、最後の部分を落ち着いてやろうというのは心掛けている。
就任してからの5年間で戦術的な部分では今年が一番安定してると感じている。
唯一、前期の(川崎)フロンターレ戦(5月15日)の前半、ホームのガンバ(大阪)戦の残り15分は、ただ行けばいいという感じでバランスを崩して失点を重ねてしまった。ACLのアウェイのFCソウル戦も自分たちのやりたいサッカーが全くできない試合だった。
ただ、選手たちががんばっていないのか、選手たちの集中力が足りないのかというと、そうではない。
優勝争いには絡んでいないが、もし、チャンスの数に見合うゴールが入っていれば優勝争いをできていただろうと感じる。
試合中に下を向くようなことはないし、僕自身も、何が足りないのか自分自身に問いかけている。どうやって結果を出せるようになるのかを、自問自答しながら毎日準備している」
(質疑応答を終えて離席する前に)
「長くなってしまってすいません。120分の話は当然ながら冗談です(笑)。優勝したところのユーモアと捉えて下さい。成果を出せて本当に幸せに思っていますし、嬉しく思っています。皆さんのご理解とご協力があってのタイトル獲得だったと思っています。(日本語で)アリガトウゴザイマス」
以上
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