スカパー！生中継 Ch183 後04:50〜
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何をもって好調というのかと問われれば、あるいは問えば、その答えは様々にある。勝っていても好調と断言するには遠い内容もあるし、勝点3を得ていなくても好調だと表現できる試合もある。しかし、自分たちのサッカーができていて、なおかつ勝点が付いてくればそれは好調なのだと言って差し支えないだろう。今の北九州のように。
もちろん決定的なピンチを招く場面も少なからずあり、質という面では高めていく余地は多分にあるし、北九州がさらなる高みを目指していく以上はリスクを少しでも減らしていかなくてはいけない。ただパスサッカーをしようとして出てしまうミスや、深くえぐったところで出てしまうミスを必要以上に取り上げることもないだろう。チームとしてやるべきことをやろうとしている。そこからぶれていないことのほうが大事だ。
10月に入って負けなしの北九州。三浦泰年監督は「いい流れでやれている。シーズンはまだあるので、その流れを大事にしていきたい」と話し、あわせて５得点の草津、岐阜のアウェイ２連戦は「チームの成長が見えた遠征だった」と評価した。
しっかりとしたビルドアップに加え、４戦連続で先発出場しているＦＷ大島康明を周囲がいかせるようになり、攻撃のアイデアが広がっている。前節岐阜戦では、大島がサイドに振ったあと再びゴール前に飛び出してクロスから先制弾。「理想的な形」と大島自らが評するゴールで試合の主導権を握ると、後半には林祐征とのワン・ツーが機能し、林の追加点を演出した。
この２ゴールは大島のアイデアはもちろん、連携が良くなってきていることの一つの証と言えるだろう。大島は「サポートが早くなっている」ことを攻撃が良くなっている要因の一つに挙げ、ＭＦ森村昂太も「オーシさん（大島）のスペースへの動き出しがいい」と大島の特長を理解する。「一人一人の能力がいきるチームになってきている」とは三浦監督。シーズンは終盤を迎えチームの骨格はひとつの完成期を迎えている。
ただ今節も簡単な試合ではない。
栃木はリカルド ロボと崔根植の両ＦＷにボールを集める。ここでためを作ったり散らしたりというだけでなく、二人、あるいは一人でも崩していける力があるのが栃木の強みだ。前回対戦（６月19日の第17節）でも両選手が効果的に加点し北九州を２−１で下した。中盤でポゼッションできなくても、長いボールを当てていくことでゴールに近づけることはできる。
逆に言えば両ターゲットを抑えられると攻撃は幅が狭まり、宇佐美宏和、那須川将大の両サイドバックのオーバーラップを待つことになる。連戦の疲れがある中で、北九州としてはターゲットをしっかり潰しておくことが求められ、栃木は個の力でいかに交わせるかがカギになるだろう。
もちろん５連戦の最終戦でもあり疲労の蓄積もある。「向こうも疲れはあると思うが、運動量で上回りたい」（森村）。足が止まらずに90分戦い抜けるかもポイントのひとつだ。
この試合で勝点３を得ることができれば、両チームとも勝点を50点台に乗せ昇格争いにもう一度顔を出すこともできる。残り６試合ということを考えれば最後のチャンスとも言える。
今シーズンの最終ポジションを左右する天王山。夕刻の熱戦がまもなく始まる。
以上
2011.10.28 Reported by 上田真之介
