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ルヴァン 準々決勝 第1戦
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【ヤマザキナビスコカップ:決勝 浦和 vs 鹿島】浦和側プレビュー:負けて失うものなどない。大舞台の雰囲気を楽しみ、タイトルをつかむ!(11.10.28)

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10月29日(土)ヤマザキナビスコカップ 決勝 浦和 vs 鹿島(13:05KICK OFF/国立)チケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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堀体制になってからまだ間もないが、この短期間でサッカーの質は確実に変わっている。1つは攻撃陣が流動的にプレーすることでポゼッションからの仕掛けが活性化した。

どの戦術にも長所と短所がある。ポジション固定だからダメ、流動的だからいいと単純には割り切れないが、現有戦力の特徴を考えれば、選手たちにポジションを守ることを求めた前任者の指示よりも堀孝史新監督の選択の方が親和性が高いのは明らかだった。ムービングフットボールの申し子とも言える山田直輝、広島でもフィンケ体制の浦和でも動き回ることで攻撃のスイッチを入れていた柏木陽介。ポゼッションサッカーの要である中盤で軸となるべき選手たちは流動的にプレーすることで輝くタイプだ。

「それまではポジションの縛りが多少あったけど、今は直輝、陽介が自由に動けている。彼らが動くとスペースが生まれてボールが回しやすくなる」。後方からゲーム展開を見る永田充はこれまでとの違いをそう説明する。

流動的に動き回るサッカーの下地はできていた。ユース出身の選手たちは育成年代の時から堀監督の指導でそういったサッカーに慣れ親しみ、チーム全体としてもフィンケ元監督から“人とボールが動くサッカー”の薫陶を受けた経験が蓄積されていた。原口元気が「攻撃は自由にやらせてくれる」と信頼を寄せる新任者が選手たちを“解放”したことで、逆境に喘ぐチームに一筋の光明が差し込んだ。

堀監督は自由を与えただけではない。限られた時間のなかで即効性のある施策を講じている。変わったのは中盤だけではない。ボールポゼッションが意味あるものへと変化した要因には、最終ラインの動きに工夫が施されたという背景もある。センターバックが攻撃時に深めのポジションを取るようになったのだ。

その理由はゲームを作り直すのを容易にするためだ。中盤の選手が相手のプレッシャーに苦しんでパスを回せなくなった際、センターバックがある程度の距離を保っておけば、バックパスで一旦ボールを預けてからもう一度受け直す作業が楽になり、ビルドアップをやり直すことができる。両者の距離が短いとセンターバックにもすぐに相手のプレスがかかり、ロングボールを蹴らざるを得ない場面が増える。前任者は自陣でボールを回すことを好まなかったが、堀監督は丁寧なビルドアップを求めている。

「深めにポジションを取ることは言われている。横浜FM戦で試合中に何回かその指示を受けた時は意味がよく分からなかったけど、後から説明された。僕らが受けやすいというよりも中盤を広くしたいという意味でやっているんだと思う」と永田は説明するが、こういった指示からも堀監督がポゼッションの質を高めるための方法をしっかりと考えていることが窺える。

サイドバックの役割も大きく変わっている。前体制でのサイドバックは攻撃においてはウィングの仕掛けを後ろから見守る、いわば“おまけ”のような存在だったが、新体制では攻撃に厚みを加える重要なファクターとなっている。

たとえば、宇賀神友弥は横浜FM戦で久しぶりに躍動した。「これまでは『このタイミングで上がればいい形でもらえるのに』というところでも我慢していた部分があった。今はセンターバック2枚と啓太さんが残ればいいので自分も高い位置が取れる。この前の試合では我慢していた部分がなくなり、普段の自分の良さが出せた」。そう語る宇賀神の表情は明るい。「今シーズン、サイドバックはこれまであまり起点になれなかった。ウガがああいう仕事ができるんだっていうのを初めて見た」と永田も笑う。

ただ、メリットとデメリットは表裏一体でもある。中盤が流動的に動いた際にボールロストした場合、守備対応の難易度は上がる。高い位置を取る両サイドバックの裏、センターバックとサイドバックの間のスペースも狙われやすくなる。最終ラインが深めにポジションを取ることで、バイタルエリアがぽっかりと空いてしまう。「失い方が悪いと深めに取っている分、ピンチになる感じはあるけど、そこは味方を信じてやるしかない。取られた選手がまずボールを奪いにいくことをしないといけない」と永田は話す。

鹿島は伝統的にカウンターのうまいチームだ。高さで存在感を示す田代有三、前線で起点を作れる大迫勇也、スピード自慢の興梠慎三と特徴のあるアタッカーも揃っている。中途半端な形でボールを失うと痛い目を見ることになるだろう。

経験豊富な選手がたくさんいる鹿島と異なり、浦和は今回がプロになって初のタイトルマッチという選手が少なくない。「鹿島は勝負どころを知っているし、経験値は向こうが上。乗り越える何かがないと勝てない」と鈴木啓太が言うように、様々なプレッシャーがのしかかる決勝の相手としてはこれ以上ないやっかいな敵だ。

ただ、今の浦和に気負った様子はない。なんとも皮肉な話ではあるが、日常のリーグ戦で受けている降格の恐怖という重圧に比べれば、決勝のそれなど軽いという“プラス材料”がある。山田直は「決勝だけどリーグよりは気持ちが楽。リーグで上位にいればこの試合だけに集中できるけど、リーグで緊迫感があるなかの決勝なので、決勝だからということで緊張していることはない」と語る。

負けても失うものはない。「決勝に出られた喜び、決勝という舞台の楽しさを味わいたい」とは柏木。純粋にサッカーを楽しみながらタイトルを手中に収め、リーグ戦に向けて弾みをつけたい。

以上


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2011.10.28 Reported by 神谷正明
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