

スカパー!生中継 Ch173 後07:20〜
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山陰の鳥取と、山陽の岡山が激突する『陰陽(いんよう)ダービー』。2009年JFLでの1勝1敗を経て、9月10日に鳥取のホームで行われたJ2での初対戦は、1−1の引き分けに終わった( /jsgoal_archive/game/2011/20110200030320110910.html )。同じJ2の徳島、愛媛も加えた中四国の4クラブが、地域の誇りをかけて争っている『PRIDE OF 中四国』( /jsgoal_archive/special/2011chushikoku/ )で、過去4戦未勝利の鳥取としては、ここで初勝利を挙げるとともに、南北に県境を接するライバル対決でリードを奪いたいところだ。
前回引き分けたときは攻撃、守備とも調子を落としており、思うように勝点を伸ばせていなかったが、10月1日のJ2第30節で湘南を1−0で下し、10日の天皇杯2回戦では熊本に3−0で勝利。15日の第31節は大分と0−0で引き分け、湘南戦までのリーグ戦11試合連続失点から一転、公式戦3試合連続で相手を完封している。失点が続いた時期は、前線からのチェイシングが機能せず、最終ラインに負担がかかる時間帯が長くなっていたが、戸川健太が「少しずつだけど、以前のような、前から追い込んでいく守りを取り戻している段階」と語るように、守備の連動性が少しずつ高まってきた。
攻撃も、チームが狙いとしているパスワークのレベルが向上。昨年の就任以来、ボールポゼッションを攻撃の基盤と位置付けてきた松田岳夫監督は、「ボールポゼッションのレベルは、ほかのチームと比べても低くはないと思う。チームのストロングポイントになってきたと感じます」と語り、手応えをつかんでいる。松田監督は改善の余地があるとも語っており、最終段階でフィニッシュに持ち込む際のアイディアなど、まだまだ足りない面もあるが、奪ったボールを状況に応じてつなげるようになったことが、前述した守備の安定にもつながっている。
この試合に向けての練習では、紅白戦で控え組を岡山と同じ3−4−2−1にして、プレッシャーのかけ方を確認。対戦したばかりの大分が同じシステムだったため、反省点を修正して臨むことができるのはプラスに働くだろう。一方、その大分戦で前半の途中からパスワークが乱れ、主導権を握られたことについては、松田監督は「自分たちの力を信じ切れず、相手のプレッシャーに対して逃げるシーンが多かった」と語っている。後半は「気持ちの部分を整理することができ、自分たちのリズムでプレーすることができた」(松田監督)ため、この点について修正できるかどうかも、勝敗を分けるポイントの一つになるはずだ。
もう一つ、カギになりそうなのが選手起用。大分戦では、天皇杯の熊本戦で1得点2アシストと全3得点に絡むなど、好調を持続していたハメドが、2日前の練習で肩を傷めて欠場した。一方、キャプテンの美尾敦が約3カ月ぶりとなる戦列復帰を果たし、約25分間の交代出場ながら、豊富な運動量を生かしたハードワークで効果的なプレーを見せている。ほかの負傷者の回復具合も含めると、先発メンバーやシステムには複数の可能性があるため、控え選手の選び方も含め、松田監督の判断が注目される。
前回、とりぎんバードスタジアムでは、ほかのチームとの対戦にはなかった、独特の緊張感に包まれた。松田監督は「お互いに意地やプライドも出していたので、アウェイでもそれは同じ。ましてや順位も近いので、今まで以上に気持ちが入った状態で戦えると思います」と語る。開幕前に掲げた“9位以内”という目標に近づくためだけでなく、ライバル対決でリードを奪うためにも、『陰陽ダービー』で負けるわけにはいかない。
以上
2011.10.18 Reported by 石倉利英