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10月最後のホームゲーム、そして、今季３度目となる13時キックオフの一戦に臨むＣ大阪。そのＪ１第29節では、キンチョウスタジアムに、現在Ｊ１残留争い真っ只中の16位甲府を迎え撃つ。11位のＣ大阪は、チームとして最低限のノルマであるＪ１残留をいち早く確実にするためにも、勝利が欲しい試合。甲府も、勝点２差とせまった15位浦和を逆転するためにも、負けられないところ。激しい攻防が予想されるなか、今回は、両チームのキーマン、Ｃ大阪のマルチネス、甲府のハーフナー マイクの２人にスポットライトを当てたい。
まずは、Ｃ大阪では絶対的な存在の１人であるマルチネス。８月13日のＧ大阪戦を最後に、ヒザのケガのため、約２カ月戦線から離脱していたが、10月12日の天皇杯２回戦、北海道教育大学岩見沢校（岩教大）戦で復帰し、65分間プレー。内容は、「マルチネスがケガから復帰して、最初の試合であったこと（もあり）、中後とともに、ボランチのところでスピーディーな展開ができなかった」（レヴィークルピ監督）と、本来の出来とは程遠いものだった。それでも、「確かにまだまだ100％の状態では来ていないと思うが、実際（岩教大戦で）最後まで出るよう言われていれば、全然問題なく試合に出ることはできた。週末を考えて、（甲府戦は）本当に大事な試合なので、そこを考えての交代だった」とマルチネスは順調な快復ぶりをアピール。指揮官も甲府戦での出場を明言している。倉田秋、扇原貴宏が出場停止、負傷離脱中のキム ボギョン、高橋大輔だけでなく、清武弘嗣の復帰も今節では厳しい状態のなかで、桜のコンダクターが完全復活すれば、レヴィークルピ監督が言う「昨年のリーグの終盤戦と同じように、これから残り６試合ラストスパートをかける」ための確かな手応えを、チームとしても得られるはずだ。
一方、甲府の絶対的エース、日本代表FWハーフナー マイクは、今や「時の人」。11日に行われたＷ杯３次予選、タジキスタンとの試合では、１トップで初先発すると、開始早々と後半すぐに得意のヘッドで代表初ゴールとなる２得点を奪取。194cmの長身FWが代表チームを活気づけ、８−０という大勝劇を呼び込んだ。また、リーグ戦でも現在得点ランキング２位の14ゴールを記録中。間違いなく今節最大の注目を集める選手となる。
甲府もダニエル、内山俊彦が累積警告により出場停止となり、守備陣の台所事情は決して万全ではない。それだけに、先制点を奪って試合を優位に進めたいところ。そうなると、ハーフナー マイクの力が欠かせない。こちらも、天皇杯２回戦ではＪＦＬ町田ゼルビアに、苦戦しつつも、２−１と勝利。そして、Ｃ大阪と違い、中６日という間隔を空けて、万全の体制を整えてアウェイに乗り込めるアドバンテージも、甲府としては活かしたいところだ。
前回の両者の対戦（6/18 第16節＠中銀スタ 甲府０−２Ｃ大阪）ではハーフナー マイクが累積警告で出場停止だったこともあり、Ｃ大阪としては、この14番とは今季初顔合わせとなるが、Ｊ２時代、当時福岡や鳥栖に在籍していたハーフナー マイクのプレーは織り込み済み。キム ジンヒョンが「ハーフナー マイクを目がけたサイドからのクロスも多くなると思うけど、（守備でも）強く行って、強い気持ちで臨みたい。集中力を持ってやっていきたい」と完封を誓えば、「僕はＪ２のときの対戦でも、（抑えられるという）いいイメージがある」と、藤本康太はハーフナー マイクとのエアバトルにも絶対の自信を持つ。茂庭照幸らを含めた、Ｃ大阪守備陣との対決は見物の１つだ。
Ｃ大阪のマルチネスが華麗な球裁きを見せるのか。それとも、ハーフナー マイクが11日に大阪長居スタジアムで見せた爆発力を、キンチョウスタジアムでも発揮するのか。もしくは、彼らを凌駕するようなヒーローが出現するのか。この一戦では、「個の力」に注目してみるのも、一見の価値があると思う。
以上
2011.10.14 Reported by 前田敏勝
