10月12日（水）第91回天皇杯 2回戦 鹿島 vs 筑波大（19:00KICK OFF/カシマ）
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9日にヤマザキナビスコカップ準決勝を戦った鹿島は、中2日で今度は天皇杯2回戦に出場する。10月は15日までの間に5試合を戦う過密スケジュールなだけに、メンバーのやりくりが非常に重要度を増す。特に層の薄いセンターバックに怪我人が続出してしまったことで、メンバー構成はますます難しくなってしまった。岩政大樹が5日のヤマザキナビスコカップ準々決勝・横浜FM戦で左大腿部を負傷し、9日の準決勝名古屋戦を回避。その名古屋戦では中田浩二が脱臼癖のある左肩を痛めてしまい、レギュラー2人が怪我を抱える状態になってしまった。名古屋戦は青木剛が岩政の穴を埋める働きを見せたが、この筑波大戦はさらに別の選手が活躍しなければ難しいだろう。

そこで注目されるのが昌子源だ。今季加入した期待のセンターバックであり、リーグ戦の出場こそ無いものの、すでにベンチ入りした試合は7を数える。強さと速さを兼ね備え、両足のフィードも高い精度を誇ることから、今季途中で海外移籍した伊野波雅彦からは「19番をつけろ」と指名を受けたほどだ。普段から指導を受ける大岩剛コーチから「平常心でいけ」とアドバイスを受けた高卒ルーキーが、柴崎岳に続き先発出場を果たすかもしれない。

とはいえ、対戦相手となる筑波大は侮れない相手だ。第14回茨城県サッカー選手権大会を大学リーグでもライバルである流通経済大に、延長戦のすえ1-0で競り勝ち、天皇杯の切符を手にすると、1回戦では平成国際大を下して2回戦に進出してきた。元日本代表の風間八宏監督の指導を受けて復活を遂げた大学サッカーの古豪は、関東大学サッカーリーグ1部でも首位を走っている。6月以来、負けを経験していないこともあり、チームは波に乗っているだろう。
攻撃を牽引するのはセンターFWに入る赤崎秀平だ。高校卒業時、浦和レッズからのオファーがあっただけあり、一瞬の速さと倒れない体幹の強さは魅力的。レギュラーCBのいない鹿島にとっては、嫌な存在と言えるだろう。

鹿島は2試合連続で120分の延長戦を戦っているだけに、なんとしても先制して試合をコントロールしたいところだ。中盤のクオリティを落とすことなく、ボールを支配しながら相手の隙をついて得点を奪いたい。ただし、カテゴリーが下の対戦相手にとって、鹿島と対戦することは最高のモチベーションだ。08年の天皇杯で、国士舘大と対戦した際は2-2のまま延長戦を終え、PK戦のすえになんとか勝利をおさめている。この試合の前、オリヴェイラ監督は「簡単な試合ではない、簡単な戦いではない、簡単な大会ではない」と選手に伝えていたが、試合をしてみると「数名はそれだけの気持ちをしっかり持っていなかった」と残念がっていた。今回の対戦相手も、それは同じだろう。この試合のあとには、中2日でJリーグ第29節磐田戦が待っている。楽に終わらせようと思わず、これまで通りのクオリティを保って戦うことが重要となるだろう。

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2011.10.11 Reported by 田中滋