10月8日（土）第91回天皇杯 2回戦 Ｆ東京 vs 鹿児島（13:00KICK OFF/味スタ）
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★第91回天皇杯特集
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鹿児島県の新興勢力が、F東京へと挑む。FC KAGOSHIMAは創立２年目となる今季から地域リーグ（４部相当）である九州リーグに初参戦を果たしている。また、チームのホームページには、ビジョン・ロードマップと題して将来的なJリーグ参入への青写真も描かれている。

FC KAGOSHIMAのFW田上裕は「VTRを見る前から知っている選手ばかり。自分たちがどこまでできるか。怖さよりも、ワクワク感のほうが強い。相手のほうが確実にレベルは上。でも、仲間のために走ったり、体を張ったりすれば、少ないかもしれないがチャンスはできる。まずは無失点に抑えたい。９割の人が東京が勝つと思っているかもしれない。残り１割の人のために勝ちたい」とこの一戦に意気込む。

鹿児島を代表するチームを目指しているだけあって、地元出身の選手が多く在籍する。また、「左ウイングは、何でもできて能力も高いという情報だった」と、F東京MF梶山陽平は言う。九州リーグではプレーイングマネージャーも務める左サイドのFW田上がピッチでチームを牽引する。「映像では、前の３選手が攻め残っていたりするので、そこで数的不利な状況を作らないようにしたい」と、F東京DF椋原健太。ワントップに昨季途中まで鳥栖に在籍していたFW谷口堅三が入るが、状況に応じて3トップに近い形からカウンターを仕掛けてくる。

一方、F東京の大熊清監督は、この試合でメンバーを落とすことを選択しなかった。「メンバーを落とすつもりはない。中２日のゲームだと辛い選手も出てくるだろうが、一週間空くので、リーグ戦を見据えてここはベストに近い形で臨みたい」と、明言。DF今野泰幸、GK権田修一が日本代表に招集されて不在だが、今いるベストメンバーをピッチに送り込む。センターバックにはDF徳永悠平がスライドし、右サイドバックにはDF中村北斗が入ることが濃厚。また、サブには、FWロベルト セザーが戦列復帰を果たした。
「（セザーは）体も締まっているし、キレもある。攻撃ではミニゲームでも脅威となっていると思う。今は、前線でルーカスが時間を作ってくれる。そこに、セザーのスピードを注入していきたい」（大熊清監督）
F東京は、FC KAGOSHIMAに下克上の余地を与えるつもりはない。GK塩田仁史の言葉がチームの意思を端的に表す。
「ジャイアントキリングをさせるつもりも、気を緩めるつもりもない。ガンガン点を取りにいきたい」

今シーズン、繰り返してきたサイクルは崩すことはない。目の前の試合に全力を尽くす。その積み重ねが、今へと繋がっている。「今の連勝の流れを止めたくない。スタメンがほとんど代わらないということはそういうことだと思う」と、椋原は話す。

戦力差を考えれば、F東京がFC KAGOSHIMAを敵陣に押し込むことは十分に可能だ。相手に引かれる展開は今季のJ2で何度も体験してきた。早い時間帯に先制できれば、F東京にとっては難しい試合にはならないだろう。ただ、その先制するまでの時間に油断が交じれば、途端にゲーム展開はおかしくなってしまう。それも、天皇杯の醍醐味と言える。ここを抜ければ、J2で培ってきた強さをJ1相手に試す機会も訪れるだろう。その挑戦権を譲る気は、今のF東京にはまったくないと言っていい。油断の文字は、試合前にすっかり消されたはずだ。

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2011.10.07 Reported by 馬場康平