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【第91回天皇杯 2回戦 広島 vs 金沢】プレビュー:サテライトでの得点王=大崎淳矢、いよいよ出陣。久保竜彦のいる金沢を、広島で迎え撃つ。(11.10.07)

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10月8日(土)第91回天皇杯 2回戦 広島 vs 金沢(15:00KICK OFF/広島ス)
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★第91回天皇杯特集
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8試合連続得点中で21点をゲット。5試合連続ハットトリック。
これが、ここ最近の大崎淳矢の成績である。サテライトの試合ではあるものの、決して誰もができることではない。ここ10年、広島のサテライトでこれほどの結果を出してきた選手は、記憶にないほどだ。

今季の公式戦出場はゼロ。ここ3試合ほど、ベンチ入りを果たしているがピッチに立つことはなかった。広島ユース2年生の時から、彼の才能を高く評価していたペトロヴィッチ監督は「最近2ヶ月の彼のプレーや練習への取り組みは、私が望んでいるものだ。だが、リーグ戦ではいい形で彼を起用する機会が難しかった。若い選手に重圧のかかりすぎる場面での起用は、よくないことだからね」と語る。しかし、ついに「広島の秘密兵器」が先発で起用される日がやってきた。李忠成不在で迎える広島にとっての天皇杯初戦対ツエーゲン金沢戦、このスピードに満ちたストライカーが抜擢されることは、ほぼ確実だ。

ただ大崎は決して経験のとぼしい選手ではない。プロ2年目ではあるが、既に高校3年の時から公式戦に出場し、ヤマザキナビスコカップ新潟戦では得点を決めた。ルーキーイヤーの昨年は、ACL浦項戦で先発して強烈なシュートを叩き込み、リーグ戦でも2得点。今季スタート時にはレギュラー候補の一人として、名前もあがっていたほど、評価は高かった。

ところが、キャンプからコンディションがあがらず、自分の能力も発揮できない。一時はチームの紅白戦からも外され、「サッカーなんか、やめてやる。俺には向いてない」と自暴自棄になったこともあった。そんな腐ってしまった大崎を救ったのは、富山に住んでいる母親の電話での一言だ。
「あんたは、本当に頑張っているの?飛び立つか飛び立たないか、それはあんたの気持ち一つなんだよ」
それまでほとんど怒られたこともなく、いつも優しい母親が初めて突きつけた厳しさ。実は母は、「私が明日死ぬかもしれないって言ったら、あの子はやる気を出してくれるのかな」と父に話をしていたという。そんな愛情を一身に浴びた息子が、発奮しないはずがない。大崎淳矢のサテライトでの快進撃は、その後から始まった。

練習中によく大崎と対峙する水本裕貴は、「淳矢の細かなステップは、DFにとってはやりづらい。気持ちを縮こまらずにできればやれると思うし、ここまで溜まっていたパワーを爆発させてほしい」とエールを贈る。チームの誰もが能力を認める20歳の若武者も「チャンスをモノにしなければ、意味はない。相手がどういうチームだろうと関係ない。自分らしい積極的なプレーを見せたい」と闘志を見せる。

対戦相手のツエーゲン金沢は、実は広島とは縁深い。上野展裕監督は、広島の前身であるマツダ時代から現役選手あるいはコーチとして活躍。トムソン監督時代には通訳兼コーチとして服部公太や森崎兄弟らと共に闘い、広島ジュニアユース監督時代には横竹翔らを率いてナイキプレミアカップに優勝するなどの実績も残した。また京都のコーチとして水本裕貴を指導した経験もある。またコーチ兼任選手として活躍中の山根巌は、1995年に広島皆実高から広島に加入。1998年まで主にトップ下でプレー。その時、共に活躍していたのが、久保竜彦だ。久保と山根、さらに大木勉(現愛媛)の3人で見せたコンビネーションは、森保一(現新潟コーチ)をして「創造的で、見ていて楽しい」と言わしめたほど。古くからの広島サポーターであれば、明日、広島スタジアムでもし久保と山根のコンビプレーを見ることができれば、感慨もひとしおだろう。

金沢は現在JFL4位。ここまで故障に苦しんでいたという久保だが、10月2日の対長野戦で約5ヶ月ぶりに先発に復帰、見事なゴールを決めている。また山根も途中出場を果たし、準備も整っているはず。「久保さんのプレーは、相変わらず日本人ばなれしているし、他にも能力の高い選手は多い。我慢強く戦うことが何よりも必要だ」と水本は言う。実際、初戦の対広島経済大学戦では平林輝良寛のハットトリックで5−0と完勝。実力を見せつけている。

ただ、広島にしてみれば、目標としているACL出場権獲得のためにも、天皇杯はどうしても狙いたいタイトル。「相手に誰がいるとか、それは関係ないこと。受けて立つのではなく、自分たちから仕掛けるいつものサッカーで勝ち、タイトルを狙っていく」と森崎和幸は必勝を誓う。そして、そのポイントを大崎淳矢という「切り札」が握っていることも、間違いない事実だ。

以上

2011.10.07 Reported by 中野和也
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