10月8日（土）第91回天皇杯 2回戦 草津 vs 岡山（13:00KICK OFF/正田スタ）
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★第91回天皇杯特集
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鳥取、熊本を中２日でめぐるアウェイ連戦を１分１敗という最悪に近い結果で終え “秋風”が吹き込み始めた草津。シーズン終盤を前にじわじわと順位が下がり始めた草津が気持ちを切り替えて天皇杯へ挑む。正田スタに迎えるのは同じJ2の岡山。今季のリーグ戦の対戦成績は１勝１敗とまったくの五分となっており、天皇杯の舞台はその決着をつける戦いとなる。

リーグ戦、勝点35で13位の草津と勝点31で17位の岡山。両者のチーム力は伯仲している。５月８日に正田スタで行われた初戦は、草津がアレックスのPKで先制したが、猛攻を仕掛けてきた岡山にオウンゴールを献上。そして後半アディショナルタイム、小林優希に決勝ゴールを押し込まれて１対２で痛恨の逆転負けを喫した。草津は受身に回ったことでリズムを完全に奪われる形となった。

７月24日にアウェイ・カンスタで行われた第２戦は草津にとって重要なゲームだった。７月中旬にエース・ラフィーニャがG大阪へ電撃移籍。ラフィーニャショックの影響で７月18日の鳥取戦で０−５と大敗。再起をかけて臨んだ岡山戦では和製２トップ萬代宏樹、後藤涼のアベックゴールで２対１とし勝点３をサポーターへ届けた。同カードは対戦成績とともに得失点もまったく同じ。岡山は２戦ともアデショナルタイムにゴールを決めるなど粘りの戦いを展開している。草津としては最後の１秒を刻むまで集中力を保たなければいけない。

草津はホームスタジアムでの試合となるだけに負けられない。昨季の天皇杯２回戦は群馬県立敷島公園サッカー・ラグビー場に北九州を迎えてまさかの敗北。予定されていた正田スタでの３回戦F東京戦を北九州に譲る“大失態”を演じてしまった。副島博志監督は「リーグ戦で５試合連続勝てていない状況だが昨年の二の舞だけは避けなければならない。天皇杯では何らかのカンフル剤を注入したい」とメンバーの入れ替えを示唆している。もしメンバー変更があった場合は、チャンスを得た選手がチームに新たなパワーを吹き込むことができるかが焦点となる。

一方の岡山も草津同様に５試合連続で勝利から遠ざかっている。前節は鳥栖相手に２対４で敗れ最近５戦は２分３敗となった。鳥栖との２試合で10失点したのも響いて４得点13失点となっている。ただ敗れた３敗の相手は昇格争いを演じる鳥栖と千葉。５試合の戦績が、チーム力をそのまま示しているわけではない。リーグ戦へつなげていくためにも草津戦をきっかけにしたいところ。岡山は、昨季の天皇杯２回戦で福岡相手に前半２点をリードしながら後半に３失点し３回戦へ駒を進めることができなかった。昨季の思いも今ゲームへぶつけてくることだろう。

草津にとってこの天皇杯２回戦は単なる１戦ではない。昇格という目標を失いリーグ戦の火が消えつつある中、チームはそれ以上の感動と興奮をスタンドのサポーターへ届けなければならない。主将松下裕樹が「戦う気持ちをピッチでうまく表現できていない。天皇杯は勝利という結果でサポーターの思いに応えたい」と話せば、2004年のＪＦＬ時代にＪ１・Ｊ２チームを破り天皇杯ベスト８を経験した佐田聡太郎は「あのとき以来Ｊ１を倒せていないので勝ち上がることで新しい夢をサポーターへ届けたい」と現状打破を誓う。サポーターに夢を与えるために草津ができることは、まず初戦を突破し、ひとつでも上に進む以外にない。

以上

2011.10.07 Reported by 伊藤寿学