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【ヤマザキナビスコカップ 大宮 vs 浦和】レポート:タイトルと残留争い。それぞれ二兎を追ったさいたまダービーは、より積極的に挑んだ浦和がふさわしい収穫を得る(11.09.29)

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9月28日(水) 2011 ヤマザキナビスコカップ
大宮 1 - 2 浦和 (19:00/NACK/8,982人)
得点者:6' デスポトビッチ(浦和)、23' デスポトビッチ(浦和)、73' 金澤慎(大宮)
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ヤマザキナビスコカップ2回戦の第2戦として行われたさいたまダービー。ともにリーグ戦では調子が上がらず、残留争いの渦中にいる状況で迎えたミッドウィークの試合。しかも次節のリーグ戦はすぐ週末に行われ、ともに水曜日に試合のないチームを相手に体力的不利な状況で戦わねばならない。準々決勝進出という結果と、残留争いのリーグ戦につなげる内容と、それぞれ二兎を追った戦いは、より積極的に挑んだ浦和がふさわしい収穫を手にした。

第1戦は浦和が2−0で勝利しており、大宮が準々決勝に進むには3点差以上を付けて勝たなければならない。シーズン前のさいたまシティカップでは浦和に3−0で勝利しているし、リーグ戦の前節で2位の柏に対して3−1のゲームを演じていることを考えれば、決して過重な設定ではないが、鈴木淳監督は慎重だった。柏戦で2得点のラファエル、2アシストの東慶悟をベンチに温存するなど、柏戦から実に9人のメンバーを入れ替えたのだ。
「ケガ持ちだったりする選手を長い時間プレーさせないように外し、前半はとにかく失点を避け、後半にラファエルや東らを投入して勝負をかけるというゲームプランだった」(鈴木監督)
大宮が残留争いのリーグ戦をにらんで慎重策を取ったのに対し、浦和はさほどメンバーを落とさなかった。16位の甲府との勝点差は、大宮が5に対して浦和は2と射程圏内。控え中心のメンバーで臨むなら、この試合では有利な立場で、残留争いではより苦しい立場にいる浦和のほうのはずだが、そうしてこなかったのは、一つには積極的にタイトルを取りに行こうとする意思もあるだろう。また、控えに経験を積ませて底上げを図るよりも、主力を中心に真剣勝負をこなすことでチームの調子を上向かせたいという、切実な事情もあっただろう。

試合に入ると大宮は、指揮官が「守備だけでなく攻撃まで慎重になりすぎた」と嘆いたように、中盤でゲームが作れず、立ち上がりから浦和の勢いの前に沈黙した。深谷友基の縦パスから金久保順がダイレクトでDFラインの裏へ送り、飛び出した藤本主税がフリーでシュートを放った場面が唯一の見せ場だった。
逆に積極的に出た浦和は前線から激しくプレスをかけ、高い位置でボールを奪っては大宮ゴールに迫り、前半23分でトータルスコアを4−0とした。ペトロヴィッチ監督は早くも29分に原口を下げ、マゾーラを投入。U-22日本代表も務める得点源の疲労を考慮し、チームの中で今ひとつ機能しないピースを組み込んで調整を図る、この采配も積極的だった。

大宮が準々決勝に進出するには5点が必要となったが、指揮官はもはやラファエルや東を投入しても焼け石に水と見たか、彼らを最後まで温存した。ただ、この試合の勝敗まで諦めたわけではなく、61分には中盤に上田康太を投入。同じタイミングで浦和はデスポトビッチに代えてエスクデロ・セルヒオを入れ、マゾーラの1トップに移行したが、その辺りから「守備の面で集中力を切らしてしまった」(山田直輝)。トップと2列目の4人が前に張り付く格好となり、浦和の中盤には広大なスペースが生じ、上田康太が自由にゲームを組み立てた。そして73分、上田に配球役を任せて前線に再三飛び出すようになった金澤慎がミドルシュートを決めて1点を返す。しかしその後、浦和も中盤を引き締め、以後は高卒ルーキーFW清水慎太郎がドリブルで粘ってペナルティエリアに持ち込みシュートを放った以外、大宮に決定機を作らせなかった。

本来なら2点のビハインドを追う側が積極的で、リードしている側が慎重になるのが自然だが、この試合は少なくとも前半はそれが逆で、それぞれが得た収穫もその姿勢にふさわしかった。
浦和にとって一番やっかいな問題はチームが組織として機能しないことなので、連戦による疲労はあっても、試合の機会を数多く積めるほうが良いとも言える。準々決勝以降を戦う権利を得たという結果と、内容的にもリーグ戦につながるものだったことで、積極的に挑んだだけの収穫を手にした。
大宮にしてみると、2点のビハインドのあったヤマザキナビスコカップ敗退は仕方がないとして、メンバーを大幅に代えたことで内容はリーグ戦につながるようなものにはならなかった。控えメンバーの底上げにしても、使える選手とそうでない選手の見極めになったという程度。結局、主力選手を休ませられたことだけが収穫という格好だが、大宮の場合は組織はある程度固まっており、残留争いの上で一番怖いのは主力選手の故障だから、最低限の目的は果たしたといえる。

大宮はリーグ第28節・福岡戦(10/1@NACK)と天皇杯を経て、浦和は第28節・G大阪戦(10/2@万博)、ヤマザキナビスコカップ準々決勝C大阪戦と勝ち上がれば10/9の準決勝、天皇杯を経て、10月15日にリーグ第29節で今年5度目のさいたまダービーを迎える(@埼玉)。さいたまダービーが残留争いの直接対決となるという、たまらなく熱いシチュエーション。この試合の本当の収穫は、そこで見えてくるのだろう。

以上

2011.09.29 Reported by 芥川和久
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