今日の試合速報

ACLE
ACLE

J’s GOALニュース

一覧へ

【J2:第29節 栃木 vs 熊本】レポート:リアリズムに徹した熊本。リアリズムに屈した栃木。(11.09.26)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
9月25日(日) 2011 J2リーグ戦 第29節
栃木 0 - 1 熊本 (18:03/栃木グ/4,411人)
得点者:50' 大迫希(熊本)
スカパー!再放送 Ch183 9/26(月)後00:30〜
☆totoリーグ秋の大感謝祭☆開催中!
----------
勝点を得るには、まだ足りないのか。勝ち切れない時期が続いた頃と比べても、試合内容で見劣りするところはない。試合を重ねる毎に持ち味は発揮できるようになった。勝利への渇望も感じ取れた。それでも、まだ足りない。あまりにも勝利への道は険しく、栃木が乗り越えるべき試練は過酷だ。

前節の富山戦からバックスタンドではサポーターが選手入場の際、スタジアムの一体感を作り出すために、選手の気持ちを煽るためにタオルマフラーを振り始めた。今節はそのパフォーマンスに加えて、後半のキックオフ時にはビッグフラッグもバックスタンドに登場し、選手を鼓舞する粋な演出が行われた。

サポーターが必死に悪しき流れを断ち切るために創意工夫を行えば、松田浩監督も雰囲気を変えるためにアクションを起こした。不動の守護神・武田博行に代えて、柴崎邦博にゴールマウスを託した。もがき苦しむ中で誰もが光を探し、ハードワークを続けた。それでも、わずかに勝利には届かない。1‐2で敗れた前節の富山戦同様、栃木はワンチャンスを物にした熊本の前に0−1で屈した。

「前半は今週やってきたことがやれたし、連係も良かったし、崩せた。あとはゴールだけだった」
大和田真史がそう振り返るように、前半45分は栃木が圧倒した。ゴールへの意欲は、ここ数試合とは段違い。開始早々に奪ったCKからリカルド・ロボが放ったボレーシュートからは、勝利への強い渇望が伝わって来た。ファーストチャンスはGK南雄太に阻止されたが、その後も栃木は熊本のシステム上の穴を巧みに突き、サイドから何度も攻め立ててはチャンスをこしらえた。38分には狙い通りのショートカウンターから水沼宏太が持ち上がり、左足でのクロスをロボがヘディングシュート。枠内を捕らえたシュートはしかし、再びGK南に阻まれた。

U―22日本代表から戻って来た水沼が推進力を生み、躍動感に溢れたプレーはゴールを期待させるには十分だった。それだけに、ミスが招いた後半5分の失点は痛恨。ペナルティボックス内のルーズボールを大和田と大久保裕樹がお見合いする間に、片山奨典にシュートを打たれ、大和田がブロックするも、ゴール前を横断したボールに大迫希が素早く反応し、苦しい体勢ながらもGK柴崎の股間を抜いた。

「これからという時に失点してしまった」(大和田)栃木に対して、リードした熊本はリアリズムに徹する。前線にソン・イニョンだけを残し、ソン以外は自陣にこもり、DFラインには6人を並べ1点を死守する策を選択した。ボールを握った栃木はグラウンドコンディションも考慮し、大和田と大久保をゴール前に置いてパワープレーを展開。クロスの雨を降らせ、それを熊本が身を挺して跳ね返す攻防が繰り返される。アディショナルタイム、栃木は高木和正のクロスに大和田が頭で合わせたが、ここもGK南が勝ってタイムアップ。熊本は連勝を飾り、栃木は3連敗を喫して首位・FC東京との差を広げられた。

熊本の勝因は、徹底していたこと。特に先制後はブロックを低く構え、チャンスがあればゴールを狙うというよりも、「0‐1」で逃げ切ることだけを考えていた。そう簡単に攻撃を凌げるわけではないが、「後半はやり方を意思統一した」(原田拓)ことで、11人が同じ絵を描けたことが小さくなかった。その一方で、「勝っている時のうちは守備が安定している。だからこそ、後半はカウンターを狙えた」と殊勲のゴールを決めた大迫希が言うように、2点目を狙えるようにならないと、チームとしての成長はない。勝ち切れる流れが出来つつあるだけに、追加点を狙う姿勢と気持ちがあれば、もっと上を狙えるはずだ。

前節の富山戦も、今節の熊本戦もリズムがいい時間帯に失点を喫して敗れ去った栃木。上昇気流に乗っていた時とは比べ物にならないくらいの執念が、攻守両面での精度が今は求められ、小さなミスは命取りとなる。「勝つために、勝点1でも取るために、足りなかった部分を追及して、そこを潰していく作業を地道にやっていかないといけない」(松田監督)。

試合後、ゴール裏のサポーターはブーイングではなく、「栃木SC」コールを繰り返した。声を振り絞って送り届けた思いに、選手はしっかりと応えなければいけない。苦しい現状を変えられそうな雰囲気は熊本戦で作り出せた。岐阜戦までは中2日しかないが、限られた時間の中で出来ることをやり尽くし、悔いのない状態で岐阜戦に挑んで欲しい。熊本戦の出来は悪くなかった。潮目は必ず変えられる。

以上

2011.09.26 Reported by 大塚秀毅
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

テレビ放送

一覧へ

明治安田J1リーグ 第37節
2024年11月30日(土)14:00 Kick off

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/11/25(月) 10:00 【週末のゴールをイッキ見!】明治安田J3リーグ全ゴールまとめ【1124】