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【J2:第29節 鳥取 vs 東京V】レポート:主導権を握りながらも得点できなかった鳥取。東京Vは疲労の影響で低調な試合ながらも、今後につながる勝点3をつかむ。(11.09.25)

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9月24日(土) 2011 J2リーグ戦 第29節
鳥取 0 - 1 東京V (13:03/とりスタ/3,206人)
得点者:34' マラニョン(東京V)
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川勝良一監督が試合後の記者会見場に入るなり、周囲には聞こえないほどの小さな声で「疲れた…」とつぶやいた姿が、ピッチ上での90分間を象徴していた。9月18日にホームで横浜FC、21日にアウェイで札幌と対戦し、札幌からそのまま鳥取に乗り込んで、中2日での3連戦の最終戦に臨んだ東京Vは、苦しみながらも1‐0で勝利。J1昇格争いに踏みとどまる、貴重な勝点3を手にした。

連戦と移動による疲労の影響で「内容はあまり期待できない。それでも勝たないと、というゲーム」(川勝監督)となった東京Vだが、序盤は持ち味である個々の技術と連係で、鳥取の守備網の隙間にボールを動かし、チャンスをうかがっていた。しかし、ゴールへの最終局面に入ろうというところでパスのズレが出て、良い形でシュートを打つことができない。

一方の鳥取は、立ち上がりから両サイドのスペースへのロングパスを多用。東京Vが「前節、(札幌相手に)4点を取られた影響もあり、ディフェンスのラインが低かった。守備の意識が強くなってしまっていた」(富澤清太郎)ことにも乗じて、徐々にボール支配率を高めていく。シュートとラストパスが精度を欠き、相手を脅かすには至らなかったものの、リズムは決して悪くなかった。

だが、鳥取に流れが傾いていた34分、東京Vが先制点を奪う。富澤のロングパスに対し、先に追い付いたのは鳥取の加藤秀典だったが、「いつも狙っている形。最後までしっかり追って、何とか自分たちのボールにしたかった」という阿部拓馬が、加藤のブロックが甘くなったところに、うまく体を寄せてボールを奪い、フリーで左サイドを突破。ペナルティーエリア内への折り返しに、「拓馬が競るときは、必ずボールが取れるといつも信じている」というマラニョンが合わせ、ネットを揺らした。

一瞬のスキを突かれて先制された鳥取も、流れは手放さなかった。ただし、東京Vと比べてゴール前まで行く回数は多いものの、シュートの精度が低くゴールを奪えない。40分には実信憲明の縦パスを起点に複数の選手が絡む連係から、最後はキム ソンミンが右足で狙ったが、クロスバーの上へ。43分には再び実信が縦パスを送り、小井手翔太がスルーして、後方から飛び出した住田貴彦へ。絶好のチャンスだったが、住田がトラップをミスしてボールが流れ、GK柴崎貴広にキャッチされてしまった。

後半に入って51分、東京Vはマラニョンが敵陣でボールを奪い、自ら持ち込んでシュートを放ったものの、決めることができない。逆に57分には森勇介がFKを直接相手に渡してしまい、カウンターからピンチを招く。ハメドのシュートはGK柴崎がセーブしたものの、このプレーをきっかけに、しばらく鳥取が主導権を握った

だが、ここでも最後のシュートが精度を欠き、良い流れを同点ゴールにつなげることができない。59分にはハメドのCKを住田がヘッドで狙ったが、クロスバーの上へ。60分には小井手のCKに対し、ゴールエリア中央に飛び込んできた服部年宏が、完全にフリーとなってヘッドで狙ったものの、「ゴールキーパーが見えて、狙い過ぎた」というシュートは右に外れてしまった。

その後、東京Vが4回続けてのCKなどで追加点を狙うが、やはり決められない。終盤に再び流れは鳥取へ傾き、足がつっていた住田に代わり、後半途中に左サイドバックからポジションを上げた奥山泰裕に2度のチャンスがめぐってきた。しかし、80分に丁東浩のセンタリングをファーサイドで合わせたシュートは、GK柴崎に防がれる。終了直前のアディショナルタイムにはペナルティーエリア内に走り込み、実信のパスに合わせてゴールに迫ったが、東京V・富澤の素早い寄せに遭ってシュートが弱くなり、GK柴崎に防がれた。

結局、鳥取は最後まで1点が奪えず、2試合連続の完封負け。「運動量、(攻守の)切り替え、ポゼッションの意識、そういうところは非常によく出ていたと思います」と松田岳夫監督が語ったように、失点後も自分たちのペースを崩さずに戦ったことで、主導権を奪うことはできていた。ただ、この日で連続失点試合が10に伸び、なかなか相手を完封することができない現状を考えると、得点を奪えなければ、勝点1すら得ることは難しい。内容と結果の両面の追求、攻守のバランスを見極めながらの試行錯誤は、今後もしばらく続きそうだ。

東京Vは、これが今季初めてとなる1‐0での勝利。派手なゴールラッシュによる大勝が目立っていただけに、川勝監督は「3連戦目の最後でそういう試合ができたのは、選手の頑張りが大きかった」とねぎらった。阿部は「1−0という結果には納得していません。もっと点を取れるチャンスがありましたから。もう1点取れれば楽になっていたはずなんですけど…」と反省していたものの、札幌戦に敗れた直後だったこともあり、とにかく結果を出したことで、今後への希望をつないだ。J1昇格争いは混戦が続き、まだ可能性は十分にあるだけに、苦しみながらつかんだ勝点3は、ラストスパートへの起爆剤となるかもしれない。

以上

2011.09.25 Reported by 石倉利英
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