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【J2:第29節 札幌 vs 徳島】レポート:暫定1位対3位の直接対決はスコアレスドロー。サッカー人生をかけた熱いバトルは互いに勝点1を分け合う結果に。(11.09.25)

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9月24日(土) 2011 J2リーグ戦 第29節
札幌 0 - 0 徳島 (13:03/札幌厚別/10,215人)
スカパー!再放送 Ch183 9/28(水)後01:30〜
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どちらのチームにも得点が生まれないまま鳴り響いたタイムアップの笛。その瞬間の選手たちは、雰囲気としてはある程度の安堵感に包まれていたように感じる。ホームの首位・札幌にとっては8日間に3試合をこなすハードなスケジュールの3試合目。怪我人がいたり、急な体調不良で欠場する選手がいた。そうしたなかで3位・徳島との直接対決での引き分けは客観的に見れば悪い結果ではない。また、徳島にとっても4連勝中と勢いに乗る札幌とのアウェイゲームでのドローは「一番悪い結果ではない」(美濃部直彦監督)。

試合内容のほうも、結果と直にリンクしたものだった。

「試合の入り方はすごく良くて、ほとんど相手陣内でゲームができていた」という石崎信弘監督の言葉通り、立ち上がりから札幌が積極的にボールを前へ運ぶ展開が見られた。ただしポイントとしては、札幌は中盤でボールを保持しても左右サイドバックや守備的MFが思い切った攻撃参加を見せる場面はあまり多くなかったところだ。

対する徳島の攻撃も、「札幌は高い位置からボールを奪いにくるので、無理にパスをつなぐことはしなかった」と西嶋弘之が話すように、札幌がボール保持者に激しく寄せてきた場面ではシンプルにロングボールを蹴ってプレスを回避。そしてこちらも左右サイドバックは、札幌のサイドMFが高い位置に居残り気味だったこともあり、無理なオーバーラップは仕掛けない。加えてバイタルエリアも守備的MFの斉藤大介が常に見張り続けた。

暫定ながらも1位と3位との直接対決。シーズンも徐々に終盤が近づきつつあるなかで、当然ながら上位争いの直接のライバルに勝点3を献上するようなことはしたくない。どちらも勝利を狙ってはいるものの、同時に、いつも以上に負けないことを強く意識しながら戦っていることは明らかだった。つまり、守備のリスクマネジメントに力を入れていたということである。

攻撃に必要以上の人数をかけることはしたくない。そうなってくるとカギを握るのは個人の能力だったり、アイデアだ。

この日の札幌はトップ下の位置で岡本賢明が今季2度目となる先発出場。この岡本は高いボールコントロール力を持ち、トリッキーなドリブル突破やスルーパスが持ち味のアタッカー。水曜日の東京V戦では85分から出場し、決勝点を含む2得点を挙げる大活躍を見せている。札幌は立ち上がりからこの選手にボールを集めて得点のチャンスをうかがっていた。

一方の徳島は2列目の柿谷曜一朗と衛藤裕、そして2列目と守備的MFとの中間的な位置を動き回る倉貫一毅の攻撃センスを生かしてのチャンスメイクがメーン。特に左サイドでプレーした柿谷の能力はリーグ屈指のもので、この日も巧みなボール扱いで札幌の守備陣を何度も翻弄していた。斉藤が中盤の底でアンカーのような役割を果たし、サイドバックも必要以上に前方へは進出しない。そうしたリスク管理が、他方でアタッカー陣の自由な攻撃を可能にしたとも言えるだろう。

ただし、結果としては前述したようにスコアレスドロー。どちらの攻撃も得点にはつながらなかった。

この結果について、どちらもリスクを冒しての攻撃をしなかったことはもちろん理由のひとつだが、それ以上に互いの守備陣が健闘を見せていた。

とりわけ徳島は守備の主軸であるエリゼウ、三木隆司というセンターバック2枚を負傷で欠きながらも、代わって先発起用されたペ スンジン、橋内優也の2人が粘り強い守備を披露していた。札幌のほうも、左サイドバックとして先発出場が濃厚だった岩沼俊介が急な体調不良により欠場。急遽、上原慎也が起用されるなど難しい要素はあったが、守備陣全体が最後まで体を張ったプレーを見せた。

得点シーンはなく、守備の意識の強いジリジリとした90分間だった。互いに10本以上のシュートを放ってはいるが、決定的なものはほとんどない。しかしながら、こうした展開こそがまさに昇格を争うゲームのひとつの姿だと言っていいだろう。

この試合を前に、札幌の山下達也はこう話していた。「ここで昇格できるかどうかで、この先の人生が大きく変わると思う。何としても昇格したい」。単なる勝敗を超えたサッカー人生をかけた戦い。それがJ1昇格争いである。今後はこうした、現実的かつシビアな熱戦が全国各地で展開されていくはずだ。

以上

2011.09.25 Reported by 斉藤宏則
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