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13位草津と9位大分の対戦となる。順位こそ4つ離れているが勝点差はわずかに２。草津が勝利を収めれば大分を抜くことが可能となり、一方の大分は上位追撃の大きな一歩を踏み出すことになる。今節の中位決戦は生き残りをかけたサバイバルマッチとなる。
13位草津は、前節アウェイ京都戦で敗れたことで昇格圏内３位徳島との差が12へと広がってしまった。残り13試合で12点差は不可能な数字ではないように見えるが、現実はかなり厳しい。25試合で勝点45点を上げている３位徳島は１試合当たり1.8点を奪っている計算になる。徳島が残り13試合を同じペースで勝点を積み上げれば最終的には勝点23を上乗せし勝点68に到達することになる。
現在勝点33の草津が、昇格ラインの勝点68に届くには残り13試合で勝点35点が必要となる。この数字を導くには12勝1敗もしくは11勝2分という結果が求められる。「13試合で12点差」という数字だけをみれば追いつけそうな印象を受けるが、現状は追い詰められていると言える。上位が潰し合いになり昇格ラインが下がることも予想されるが、草津は勝ち続けない限りチャンスをつかむことはできない。勝点2差で草津の上を走る大分も数字上では似た状況だ。
草津は、前節アウェイで京都に3点を先行され1−3で敗れた。京都とは前回対戦でも2−4と大量失点していたため、チーム全体に漂うショックは小さくない。警戒していた序盤に3失点を喫しチームはリズムを失った。「序盤は相手のプレスに対して後手に回り、自分を含めてミスが増えてしまった」（小林竜樹）。副島博志監督は「慌ててしまい思考能力が停止していた。ピッチの選手たちが流れを感じてゲームをコントロールしなければいけない」と立て直しを誓う。
草津のスタイルは、先行逃げ切りだ。 Jリーグのデータによると、先取点を奪った9試合の戦績は8勝1敗で勝率は0.889。これは札幌の12戦全勝に次ぐ数字でリーグ2位にあたる。草津は、先取点を奪うことでリズムをつかめば上位陣に匹敵する力を発揮する。だが反対に先手を取られると、とたんにチームが崩れてしまう。これが「チームには2つの顔がある」（副島監督）という理由になっている。
対する大分は最近10試合で5勝3分2敗と着々と順位を上げてきている。ただ先取点を奪った14試合の戦績は8勝3分3敗の勝率0.571。リーグワースト3位の数字で草津としては先制されても追いつくチャンスは十分にあると言える。大分は切り込み隊長の前田俊介が6試合の出場停止中となるが森島康仁、西弘則、チェ・ジョンハンらタレントは揃っているだけに草津守備陣は高い集中力が試される。
ポイントとなるのは前節J初ゴールを挙げた左サイドバックの永田拓也だ。今季浦和から期限付きで草津へ加入。ケガで離脱した夏場を除いて16試合に出場、タイミング良い攻撃参加と気迫あふれる執念の守備で存在感を発揮している。永田は「サイドが活性化できればチームは盛り上がる。初ゴールは勝利に結びつかなかったので、次はチームの勝利に貢献するゴールを決めたい」と大分戦へ挑む。永田が左サイドを駆け上がる回数が増えればチームはおのずと勢いに乗る。
勝点2差内でしのぎを削る13位草津と9位大分の対戦は正真正銘のデズマッチとなる。この試合で勝ったチームは昇格戦線に残り、負けたチームは脱落に近づく。草津の主将松下裕樹は「この時期の連敗だけは絶対に避けなければいけない。この試合のあとは連戦になるので勝ち続けて上についていく。ここからは勝負強さが求められる」と生き残りを誓う。シーズン終盤、草津は昇格をかけた“トーナメント戦”に突入する。
以上
2011.09.22 Reported by 伊藤寿学
