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【J2日記】千葉:眞田雅則GKコーチから学んだもの(11.09.21)

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試合前に、両チーム選手・スタッフ、サポーターが1分間の黙祷を行なった。

2010年8月25日の千葉の練習で、ゴールの前に立つGKに向かってボールを蹴る眞田雅則GKコーチ(当時)。

9月10日のJ2リーグ第27節千葉対鳥栖に、千葉のクラブスタッフ、選手やチームスタッフは喪章をつけて臨み、キックオフ前には鳥栖の選手やチームスタッフ、鳥栖サポーターにもご協力をいただいて1分間の黙祷が行なわれた。9月6日に急逝した清水のGKコーチの眞田雅則氏が2008年シーズンから3シーズン、千葉のトップチームのGKを務められていたため、眞田氏のご冥福をお祈りし、哀悼の意を表したものだ。

私事で恐縮だが、全日空サッカークラブ(横浜Fの前身)のファンだった筆者(千葉の前身の古河電工サッカー部でなくて申し訳ない)にとって、GK眞田雅則は特別な選手だった。眞田選手(当時)が清水の一員となることが分かった時は寂しく、複雑な思いだった。日本サッカーリーグの最後のシーズンの最終戦、トヨタ自動車サッカー部(名古屋の前身)との試合を刈谷まで見に行き、友人が撮影した眞田選手の写真は今でも宝物だ。横浜FのJリーグ開幕戦の相手が清水だったのには因縁めいたものを感じたものだ。

2008年シーズン、千葉はトップのGKコーチに眞田氏を迎えた。眞田GKコーチのGK練習を見ていると、とにかくキックの精度とスピードが素晴らしかった。GKが取りにくいゴールマウスの四隅に、GKにとっては憎らしいほど正確に強烈なシュートがズバズバと決まっていった。そのシュートを受けていた千葉のGK陣にとっては技術面の収穫も大きかったが、精神面の収穫はそれ以上に大きなものだったようだ。

当時、千葉のGK櫛野亮は眞田GKコーチについて「選手としてJリーグのベストイレブンにも選ばれた人で、その経験から的確なアドバイスをしてくれる。眞田さんが持っている経験は僕らにはすごく大きなものだし、人間的にも大きいというか余裕を感じます。試合に出ている、出ていないの関係なしにメンタルのケアもできて、絶対にネガティブなことを言わない。僕が怪我をしていた時もずっと励ましてくれて、二度目の手術が決まった時は『残念だけれど、新しい櫛野亮を作るためにいいんじゃないか』とメールで言ってくれた」と話していた。また、千葉のGK岡本昌弘は「眞田さんは大人というか、大先輩というか、すごいですよ。眞田さんとはよくメンタル面について話をしていて、おかげで落ち着いて試合に入れるようになったと思います。前は自分でって思いすぎて、120パーセント出さなきゃと考えていたけど、今は80、100あたりを目指してやるようになった。僕は前に出て行くプレーが持ち味だけど、そこでがっつき過ぎないようにというか、去年よりも落ち着いてやれています。試合中は冷静に判断しないといけないんですけど、プレーの流れですごく熱くなっちゃう時もある。でも、そこでも勢いに任せないでって思うようにしています」と、眞田GKコーチの指導を受けての自分の変化を語っていた。

昔から「理想は失点がゼロのGK」と話し、「失点をゼロに抑えられれば、なんでもいいです。俺がなんにもしなくてもいい」とまで言う岡本には、眞田GKコーチを思い、成長ぶりを見せようとピッチに立った鳥栖戦はいつも以上に無失点で終わりたかったはずだ。だが、結果は3失点で試合は引き分け。2失点はGKにはノーチャンスで、鳥栖の得点以外の決定機のうちの4つは岡本が防いだ。だが、1つはボールが鳥栖の選手のところに転がって失点し、守備陣へのコーチングのこともあって、試合後の岡本は反省しきりだった。
続くJ2リーグ第28節・岡山対千葉。千葉は1−0で勝ち、岡山の決定力不足に救われもしたが、岡本は無失点勝利に大きく貢献した。岡本に「技術はいいものを持っているのだから、とにかく自信を持ってプレーしなさい」と言った眞田GKコーチは『悪いところを怒って叱るタイプではなく、良いところを褒めて伸ばすタイプ』。きっと、今も天国から岡本を褒めてくれているに違いない。眞田雅則氏のご冥福をお祈りいたします。

以上

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2011.09.21 Reported by 赤沼圭子
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