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【J2日記】東京V:「ゆっくり眠れそう」。市川雅彦、1分間の大仕事。(11.08.29)

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ゴールを決め喜びを爆発させる市川雅彦選手。

ゴール後ベンチメンバーと喜ぶ市川選手。遠くから笑顔で見つめる川勝監督の姿も。

「泣きそうでしたよー」と、穏やかな笑顔で市川雅彦選手は移籍後初ゴールをかみしめていました。
欲しくて、欲しくて、とにかく欲しくてたまらなかった、待望の“1点”。万感胸に迫ったことは言うまでもありません。

その“1点”は、劇的なものでした。
J2第26節vs熊本戦、4分の後半アディショナルタイムのうち、2分が経過したところでの登場でした。与えられた時間は2分間。そのわずか1分後のことです。守備にまわっていたところで、ルーズボールが小林祐希選手に渡りました。すると、市川選手は小林選手を真横から追い抜き猛ダッシュ。その足元に、最高のタイミングでスルーパスが通ると、23mほどの長めの距離から、迷わずダイレクトで流し込んだのでした。まさしく『ファーストタッチ』でした。この、小林・市川ホントラインは、練習試合や紅白戦で得点していたので自信があったのだということはマッチレポートにも書きましたが、実は、この“ゴールの予感”はこれだけではなかったのです。

市川選手は、大学2年時に靱帯損傷の大ケガを負っており、以来、その状態と日々向かい合い、相談しながらプレーしているといいます。それが、「今日は、試合中トラックでアップをしている時から、なんかメチャメチャ足が軽くて。まるで、ケガする前みたいだった。『あれ、オレこんなに足速かったっけ?』ぐらいに軽くて速く感じて、これ、絶対に出たら点取れるんじゃないかなぁって思ってた」のだそうです。
しかしこの試合では、すでに飯尾一慶選手、巻誠一郎選手の攻撃的な2選手が交代で入っていたし、残り時間・得点差(4-2)を考えても「正直、今日はもう出ないかなと思ったんです」。ところが、この日の東京Vは、最後まで得点を奪いに行くという戦い方を徹底していたこともあり、川勝良一監督が最後のカードに選んだのは市川選手でした。
「監督から、『点取ってこい!』って」。その一言が“予感”を“確信”に変えたのでした。瞬間、市川選手には大学時代が思い出されたのだそうです。というのも、川勝監督は大学時代のコーチでもあったからです。

だからこそ、再び恩師の下で挙げるこの“1点”が、どうしても欲しかったのです。以前、市川選手がこんな話をしてくれたことがありました。
「監督は、大学時代の僕(関東大学リーグベストイレブン2回選出、ベストヒーロー受賞など)を知っているから、今の僕のプレーに『こんなはずじゃない』って思ってるんじゃないかなぁ。そう思うと申し訳ないし、何よりも悔しい。だから、早く結果が欲しいんです」。試合後も、「僕がもし監督でも、僕を使えるかわからないような僕を、こんな大事なところで使ってくれた」と、語っていました。
言葉ではとても言い尽くせない自分への葛藤と指揮官への感謝の念が詰まった、至極の“1点”でした。
 
また、「市くんが点取ったのが嬉しい」と、親友・河野広貴選手が祝福したほか、「チビくん(飯尾選手)やバウルさん(土屋征夫選手)も喜んでわざわざ声をかけに来てくれた」(市川選手)など、みんなが喜んで明るくなる、チームにとっても価値あるゴールだったのではないでしょうか。

「ゆっくり眠れそう」。締めくくった言葉に、これまでの苦悩、焦燥感との戦いの日々と、心からの安堵感、そして喜びのすべてが表れていたように思います。
この“1点”を皮切りに、これからもどんどんゴールを積み重ねていただきたいと、心の底から期待しています。

以上

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2011.08.29 Reported by 上岡真里江
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