本文へ移動

今日の試合速報

夏休みはJリーグに遊びに行こう! 全国で180,000名様ご招待!
夏休みはJリーグに遊びに行こう! 全国で180,000名様ご招待!

J’s GOALニュース

一覧へ

【J1:第24節 柏 vs 川崎F】レポート:豪快左足、技あり右足。田中順也の2発で柏が2点のビハインドを覆す大逆転劇。途中までペースを握った川崎Fは持ち堪えられず7連敗を喫す。(11.08.29)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
8月28日(日) 2011 J1リーグ戦 第24節
柏 3 - 2 川崎F (18:03//10,703人)
得点者:50' 田坂祐介(川崎F)、54' ジュニーニョ(川崎F)、61' 工藤壮人(柏)、73' 田中順也(柏)、78' 田中順也(柏)
スカパー!再放送 Ch185 8/29(月)後00:30〜
☆投票してチームをサポート!totoリーグ(無料)開催中☆
----------
序盤から川崎Fが見せたアグレッシブな展開は、彼らの「連敗ストップ」への強い意志が感じられた。ジュニーニョ、山瀬功治、田坂祐介がサイドを突き、グイグイと柏を押し込んだ。
さらに、戦術的側面から見ても川崎Fがペースをつかんだ理由がある。柏の2トップとボランチの間に生じたスペースで中村憲剛と柴崎晃誠がフリーでプレーできたため、彼らにボールが渡ると柏のラインがズルズルと下がり、川崎Fが敵陣の高い位置へ押し込む結果となった。ネルシーニョ監督は田中順也のポジションを下げ、縦並びの2トップに変えて柴崎をケアさせた。このシステム変更で柏もやや落ち着きを取り戻したが、それでもまだ試合の流れは川崎Fにあった。

0−0で迎えた後半、試合が一気に動く。50分、田中雄大のロングフィードを矢島卓郎がDFと競り合いながら落とし、走り込んだ田坂がダイレクトで叩く。「良いコースにいってくれた」(田坂)という鋭いドライブ回転のかかった低い弾道がGK桐畑和繁の手元でストンと落ち、ゴールネットへ吸い込まれた。
続く54分には、ハーフウェイラインからドリブルを開始したジュニーニョが、近藤直也の猛チャージをモノともしないボディバランスの高さを見せつけ、ゴール左下隅に見事なシュートを決めて2−0とする。連敗ストップへ向け、日立台へ訪れた約2000人の川崎Fサポーターの歓喜が大爆発した。

柏に選手たちの話によれば失点直後は下を向き、意気消沈の雰囲気が漂ったという。しかし、ここからネルシーニョ監督の見せる采配が、嫌な雰囲気からの脱却を促す。58分に大谷秀和、澤昌克を投入。「まだ時間はあるから、バラ(茨田)にはバランスを考えろと言った」(大谷)。これ以上の失点を避けるべく、大谷は茨田に前がかりにならにように意識させ、バイタルエリアにスペース与えないこととセカンドボールを拾うことを徹底させた。一方の澤は相手のボランチとDFラインとの間のスペースに顔を出して味方からボールを引き出し、さらには左右のオープンスペースに流れて川崎F守備陣をかく乱した。これによって、マークの緩んだレアンドロ ドミンゲスがボールを持てるようになり、しかも高い位置でタメができたことで、左サイドバックの橋本和もオーバーラップできるタイミングを見出したのである。柏が返した追撃の1点目は、その傾向が顕著に表れた場面だ。前を向いたレアンドロ ドミンゲスからオーバーラップした橋本へパスが通り、左からのクロスに合わせた工藤壮人が頭でネットを揺らした。

73分、茨田のピンポイントのロングパスが田中に通る。「うまくトラップできたので、あとは振り抜くだけだった」(田中)。左足から放たれたバズーカ砲のような弾道が、GK相澤貴志の頭上を射抜く。圧巻の同点ゴールが決まった。
息を吹き返した柏に対し、川崎Fは失点後に選手たちの足が止まり、それまでのアグレッシブな姿勢から一転してラインが引き気味となった。65分の大島僚太の投入は相馬直樹監督の「大島は非常に動ける、出て入ってというのができる選手なので、そこを期待した」という考えがあり、1点リードのまま再びチームに活力を与えたいとの意図があったのだろう。ところが相馬監督の目論見は崩れ、逆に柏は「2−2になってからは逆転できるという雰囲気があった」(大谷)。畳みかけるような攻撃を見せる柏は、78分に橋本のスルーパスに抜け出した田中が、左足のキックフェイントでDFをかわし、GKの位置を見極めて右足で流し込み、逆転ゴールを挙げた。
終盤には川崎Fも猛攻を仕掛け、小林悠、柴崎が果敢にシュートを狙う。だが柏DFの体を張ったブロック、GK桐畑のファインセーブに阻まれ得点には至らず。3−2で柏が逃げ切った。

これで7連敗となってしまった川崎Fだが、決して試合内容の全てが悪いというわけではなかった。ただ、58分以前と以降とで全く違う姿に陥ってしまった原因は一体どこにあるのか。「何か足りないところがある。それを、間が開くので選手たちがクリアできるようにしたい」とは相馬監督の言葉だが、次節までの約2週間で明確な原因を見つけ出し、修正に向けて時間を有効的に使えるか。そこに連敗ストップの鍵が隠されている。
また、“連敗しない”柏はなおも続き、優勝戦線に踏みとどまった。しかし9月以降の戦いに必要なことは「連敗しない」だけではなく、無敗を継続してどこまで勝点を積み重ねていくかにある。次節、名古屋との大一番へ向け、柏もまた2週間の時間を有意義に使いたい。

ただし客観的に見れば、この日柏と川崎Fが繰り広げた一戦は、両者の攻撃面の特徴がいかんなく発揮され、得点場面はどれも見事でサッカーの醍醐味があり、しかも選手交代やメンタリティーといったわずかな“勝負のあや”が大きく流れを左右するという奥深さも混在した試合となった。優勝争いや連敗といった要素はともかくとし、今季のJリーグでも指折りの好ゲームだったことは間違いないだろう。

以上

2011.08.29 Reported by 鈴木潤
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

旬のキーワード

最新動画

詳細へ

2024/07/31(水) 22:00 ハイライト:浦和vsニューカッスル【Jリーグインターナショナルシリーズ2024 powered by docomo】