8月28日（日） 2011 J1リーグ戦 第24節
神戸 0 - 4 Ｇ大阪　（18:04／ホームズ／17,177人）
得点者：28' 武井択也（Ｇ大阪）、55' キムスンヨン（Ｇ大阪）、70' イグノ（Ｇ大阪）、90'+4 二川孝広（Ｇ大阪）
スカパー！再放送 Ch181 8/30（火）後09:00〜
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ところどころ芝が剥げたコンディションのピッチに、Ｇ大阪のパスサッカーがどのくらい実現するのかが注目されたが、そうしたピッチをものともせず、立ち上がりから集中力の感じられる入り方をみせたこの日のＧ大阪。前節の柏レイソル戦では重さの感じられる、ミスの多い前半となったが、その反省をしっかり克服した中で試合を進めていく。ケガで離脱したDF下平匠の抜けた左サイドバックには、5月15日の福岡戦以来、約3ヶ月半ぶりにDF藤春廣輝が先発出場。それ以外は前節の先発メンバーと同じ顔ぶれが躍動する。

前線からのプレスも徹底される中で全体的にコンパクトを保ちながらの立ち上がり。ただし、ピッチ状況を踏まえて、ボールを奪ったあとはいつものパスを繋いだ展開に持ち込まず、神戸のディフェンスラインの背後をついた攻撃で揺さぶりをかけながら好機を見出していく。FWラフィーニャ、FWイ・グノの2トップへのボールのおさまりもよく、そこでしっかりとボールがキープされることで、２列目のMFキム・スンヨン、MF武井択也をはじめ、ボランチのMF遠藤保仁らが効果的に前線に絡む動きをみせる。そんな中、先制点は28分。MF武井択也のロングボールが左サイドのスペースへ。走り込んだFWラフィーニャがボールを持つと、ファーサイドでクロスを呼び込むFWイを見ながら、中央のMF武井へグラウンダーのパス。それをMF武井が落ち着いて右ゴール下に流し込み、先制点を奪い取る。

先制点を奪ってからも試合のテンポは落ちない。全員がしっかりと守備の意識を示しながらボールを奪い、相手の背後を意識的に突いた攻撃を繰り返し続けながら、試合のペースを握る。結果的に前半はMF武井の奪った１点に留まったが、総体的にみれば、アウェイの地で確実に神戸を消耗させた、理想的な前半だったと言えるだろう。

Ｇ大阪のキックオフで迎えた後半も前半同様、守備への意識を示すべく、全員が個に、ボールに対してしっかりとプレッシャーをかけながら落ち着いて試合を進めて行く。相手を突き放す待望の追加点は56分。縦へのボールをFWイが頭で落とし、それを拾ったFWラフィーニャが相手DFを引きつけた上で中央にパスを送り込むと、詰めたのはMFキムスンヨン。相手GKと1対1の状況にも落ち着いてコースを突いて、追加点を奪う。Ｇ大阪サポーターの目の前でのゴール奪取。おまけに、ゴール後、MFキムは川崎フロンターレ戦のゴール後にもみせた韓国のアイドルグループ・SecretやT-Araを真似したダンスパフォーマンス見せせ、Ｇ大阪サポーターを大いに盛り上がらせる。

２点のリードにもＧ大阪の足は止まらない。攻守に安定した試合運びをみせながら、更なる追加点は70分、FWイ。左サイドでDF藤春がためて出したボールをFWラフィーニャが落ち着いて受け、前線へ。そのFWラフィーニャを追い越したFWイが左ゴール前から落ち着いてコースを突いてゴールを奪い、完全に神戸の息の根を止める。その後、Ｇ大阪はMFキムに代えて、前節でＪデビューを飾ったFWアフォンソを、更に77分には、MF遠藤に代えてMF二川孝広を投入。３点のリードを奪った展開に、余裕の感じられる交代カードを切るが、勢いは止まらない。途中出場でピッチに立った選手が、守備意識をもちながらもハードワークを示して攻撃を加速させると、アディショナルタイムには、FWアフォンソからのパスを受けたMF二川が技ありのゴール。90分を通してコンパクトな陣形を保ちながら、かつ、個々がしっかりと戦術を理解した上で『攻撃』を展開し、得点を重ねたＧ大阪が２試合連続となる完封で勝点３を手にした。

この結果、Ｇ大阪は８月の厳しい連戦を４勝2分と、J1クラブ中唯一の“負けなし”で終了。結果のみならず、内容としても攻撃力の向上、守備の安定、若手選手の台頭など、多くの収穫を手に９月の戦いへと繋げた。

以上

2011.08.29 Reported by 高村美砂