8月27日(土) 2011 J1リーグ戦 第24節
仙台 2 - 1 山形 (19:03/ユアスタ/19,087人)
得点者:3' 赤嶺真吾(仙台)、12' 梁勇基(仙台)、30' 大久保哲哉(山形)
スカパー!再放送 Ch182 8/29(月)前11:00〜
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キックオフの高揚感がまだフレッシュな開始3分。左サイドからのスローインは仙台・梁勇基を経由し、朴柱成の左足のクロスはゴール前へ放物線を描いていく。ファーサイドで山形・石井秀典がジャンプしたものの届かず、その外側で完全にフリーとなった赤嶺真吾がコントロールし、打ち抜いた。その心憎いほどに冷静な先制の一撃が、チームメイトと、ユアスタに詰めかけた仙台サポーターのハートに火をつけた。
いきなり最高潮のボルテージに到達したスタンドと呼応するように、仙台はサポーターが待つゴール裏に向かって寸分のためらいもなくロングボールを蹴り込み、前線では赤嶺や太田吉彰がスペースへ飛び出したり、落下地点で競り合った。その勢いで得た2度目のコーナーキックは10分。いったんクリアされたボールは再び右サイドで待つ梁へ。アプローチする太田徹郎をかわしてボールはペナルティーボックス中央の曹秉局の足元に入ったが、そこで大久保哲哉のスライディングタックルがファウルと判定され、仙台のPK。一度は蹴り直しを命じられたが、1本目とは逆のコースを射抜いて追加点をゲットした。12分で2-0。「立ち上がりに先制パンチを食らわせることができたのは大きかった」(仙台・手倉森誠監督)。菅井直樹、角田誠を欠く布陣でスタートしたホームの仙台にとっては、これ以上ないスタートダッシュだった。
前回対戦はホームで0-1。みちのくダービーでの連敗はできない山形のテンションも、けっして低くはなかった。開始直後、ファウルになったが、下村東美が富田晋伍を潰したシーンはそれを象徴していた。しかし、そうしたメンタリティは課題の先制点奪取にはつながらず、逆に2点のビハインドを負うことになった。特に、先制されてからは相手の勢いを止められず、「チーム全体が飲まれてしまった」(清水健太)とコントロールできない状況に追い込まれた。しかし、最近3試合は先制されながらも反撃から勝点に結びつけている山形も、ここでようやく我に返る。「本当にハイテンション、ハイテンポでその入り方を求めたのですけれど、2-0のあともまだまだスピードを上げたままでした」(手倉森監督)という仙台の隙を突き始め、自陣までボールを運ぶシーンも見られたが、その精度は低いままとどまっていた。17分、右サイドでルックアップした山崎雅人の視線のなかにゴール前で動き出す味方は確認できず、26分に石川竜也が右へ大きくサイドを変えるボールを送ったときには、サイドハーフの太田徹郎が中に潜り込み、サイドバックの宮本卓也はまだ上がりきっていない状態でボールがタッチを割るチグハグな場面も見られた。
しかし29分、中央右サイド寄りでポストプレーの大久保が右にさばき、すでにゴール前を確認していた宮本がワンタッチで低いクロスを入れると、ボールはボックス内の山崎の元へ届く。慌てて止めに戻った曹が後ろから倒し、これで得たPKを大久保が決め、山形が1点差に迫った。
エンドが変わった後半、右サイドを押し上げた山形が序盤こそ攻めたが、1点返されたことで守備の意識を高めた仙台は自陣でコンパクトなブロックを築く。山形はバックラインを中心にボールを動かすものの、縦にボールを出す効果的なタイミングが見つけられずに時間が過ぎていった。ここで小林監督は廣瀬智靖と小林亮の右サイド2枚を76分までに交代させ、朴が攻め上がる仙台の左サイドを突き崩そうとしたが、「スタンバイの選手が消極的だった」(小林監督)と狙いは果たされなかった。後半、唯一シュートらしいシュートはアディショナルタイム。3人目の交代でピッチに入った古橋達弥が胸で落としたボールを、山崎が右から強烈なシュートを放ったが、GK林卓人がニアで弾いてピンチをしのいだ。
仙台は3連戦の疲労も念頭に置きつつ、後半は自陣で守備の時間を増やし、上下動を最小限に抑える戦い方でリードを有効に使った。そこで押し込まれなかったのは、ディフェンシブサードで相手を自由にさせない、集中した守備が機能していたことにある。特に富田晋伍はバイタルをケアするだけでなく、前半から奔走していた山形・下村の足元を狙い、インターセプトからのショートカウンターのチャンスを何度もつくったり、効果的な縦パスを封じていた。
安定した試合運びを続けていた仙台は、前線の入れ替えに着手する。71分には太田に代えて柳沢敦を投入。そしてその5分後には赤嶺を下げ、仙台でのデビュー戦となるディエゴを投入した。前線に入ったディエゴは、早速、サイドチェンジの起点となっていた下村にプレッシャーをかけてマイボールにすると、84分には田村直也のクロスをヘディングシュートしてスタジアムを湧かせた。15分間+アディショナルタイムのお披露目となったが、手倉森監督も「新しいディエゴを皆さんは見られたのではないかと思います。本当に、周りと守備も攻撃もうまく絡もうとしていたし、絡めていました」とディエゴがすでに仙台の一員としてチームにフィットしていることをアピールした。
仙台はダービーというビッグマッチで、最高の結果と十分な内容を手にした。これで今季のダービーは2戦2勝と完全勝利。勝点も35に伸ばし、この勢いのまま上位進出が狙えるポジションを確保している。一方の山形は、ダービーの勝利で勝点20に乗せるとの目論見も4試合ぶりの敗戦でおあずけとなった。残留争いもさらに厳しい状況に追い込まれているが、小林監督は「3シーズン目というところでいくとJ1での経験もある。そういうものを大事にしてチャレンジしていくということも必要だと思うので、一戦一戦を大事に戦わせてやりたい」と軸がブレることなく戦う方針を示した。
以上
2011.08.28 Reported by 佐藤円
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