8月24日(水) 2011 J1リーグ戦 第23節
福岡 2 - 2 神戸 (19:03/レベスタ/6,119人)
得点者:6' ポポ(神戸)、24' 吉田孝行(神戸)、60' 松浦拓弥(福岡)、90'+3 重松健太郎(福岡)
スカパー!再放送 Ch182 8/25(木)後08:00〜
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「お前たちはプロか。ホームでこんな試合をして恥ずかしくないのか」。福岡−神戸戦のハーフタイム、ロッカールームに浅野哲也監督の厳しい声が響く。確かに、神戸はこれでもかとばかりに前から激しくプレッシャーをかけてきた。彼らの高い位置からの連動したプレスに力を封じられた部分があることも確かだ。しかし、それにしても戦えていなかった。「見せてはいけない試合の入り方」とは浅野監督の言葉だが、ピッチの上にいたのは、J1残留をかけて戦っているチームではなく、勝たない限り、残留の可能性がなくなるところまで追い込まれた崖っぷちのチームでもなく、相手の勢いに、ただ臆病に戦うチームだった。前へ仕掛ける姿勢はなく、仲間のボールを受けようとする動きもなく、そして、ミスを繰り返す。とにかく、福岡は何もできなかった。
そして6分、丹羽大輝の不用意な横パスと、パスが来ることを予期していなかったような小原章吾の緩慢なプレーの隙を突かれてボールを吉田孝行に奪われると、最後はポポにあっさりとゴールを許した。そして、神戸はノープレッシャーの中で自由自在に試合を進めていく。神戸の攻撃の中心は大久保嘉人。後方からパスを引き出すと、福岡の選手たちの間で自在にボールを操り、バイタルエリアにできるスペースをドリブルで抜けていく。その動きを起点にして、全員が連動して高い位置からグイグイとゴールを目指す。
神戸の追加点は24分。中町公祐が前へ出ようとするところを、ポポが激しく体を寄せてボールを奪取。そして、抜群のタイミングでラインの裏へ飛び出した吉田へボールを送る。吉田は目の前にいるGK六反勇治の動きを冷静に見極めて、ゴールへボールを流し込んだ。前半のスコアは神戸の2−0。この時点では、神戸の勝利は固いように見えた。
しかし、福岡は浅野監督の激しい檄を受けて、ようやく目を覚ます。高い位置からプレスをかけて前に出るのは福岡。対して、3点目を狙うのか、2点のリードを守るのか、はっきりしない神戸はズルズルと押し込まれていく。前半とは全く逆の展開。主導権は福岡が握った。そして15分、岡本英也とポジションを変えてトップ下に入っていた松浦拓弥の前に、神戸のクリアボールがこぼれる。松浦は迷うことなく右足を一閃。ゴールネットを揺らした。さらに福岡は、スタンドから湧きあがる手拍子に乗ってゴールを目指す。手堅く守る神戸の壁を崩せない時間が続いたが、それでもアグレッシブに前へ出続けた。
その思いが土壇場で形になる。電光掲示板の時計表示が消えてから3分後、重松健太郎が右足で放ったシュートがゴールを捉えた。それは、チームとサポーターの思いが重なって生まれたゴールだった。そして、4分間のアディショナルタイムが終了。試合は2−2のドローで幕を閉じた。
「もったいないというのは、こういう試合なのかなと思う」。浅野監督は複雑な表情で試合を振り返った。サッカーは90分で決着をつける勝負。福岡は、その半分を、ただ臆病に、何もせずに終えた。負けたら終わりではなく、勝たなければ何も始まらない状況の中、前半の45分間は、まるで戦うことを放棄したような形で無駄に過ごした。いくら後半に入っていつもの戦い方を取り戻したとしても、45分を無為に過ごしたチームにサッカーの神様は微笑まない。
そして同じく和田昌裕監督も「もったいない」という言葉を口にする。一方的にゲームを支配して2−0のリード。しかも、1点差に詰め寄られたとは言え、アディショナルタイムの残りが1分というところまでこぎつけていた。勝点3を手中に収めていながら、最後の最後で失った2点目。3点目が奪えていたら、後半に曖昧な入り方をしなければ、あと1分だけ粘れれば…。悔やんでも悔やみきれない。監督ならずとも、誰もが同じ感想を持ったことだろう。
しかし、痛み分けという表現は使いづらい。福岡の同点ゴールは、全員が最後まであきらめずに戦ったことによるものだが、いま福岡に求められているのは勝点3。何よりも結果が優先される。劣勢から2点のビハインドを追いついたことは評価できるが、J1残留を考えた時、勝点2を失くしたと言わざるを得ない。そして、勝ち続けなければいけない状況の中で、自らリズムを崩し、45分もの時間を無為に過ごすところに、福岡が現在の位置にいる理由がある。次節はアウェイの鹿島戦(8/28@カシマ)。さらに悪化した厳しい状況の中で、福岡が何を見せるのか。その戦い方によっては、早々と今シーズンの結果が見えてくる。
以上
2011.08.25 Reported by 中倉一志
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