8月21日(日) 2011 J2リーグ戦 第25節
鳥取 0 - 1 横浜FC (18:03/とりスタ/8,212人)
得点者:37' 野崎陽介(横浜FC)
スカパー!再放送 Ch182 8/22(月)後11:30〜
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4連敗中の鳥取と、2連勝中の横浜FC。連敗ストップへ、今季初の3連勝へ、それぞれが勝点3を目指した一戦は、後半の劣勢をしのぎ、前半の1点を守り切った横浜FCが勝利を収めた。
ホームで徳島に0-2と敗れた後、京都、栃木、鳥栖に、アウェイでいずれも0-1で敗れて連敗が4まで伸びた鳥取は、約1カ月ぶりのホームゲームで、開始直後から積極的に攻めた。タイミングの良い縦パスを駆使して敵陣に侵入し、開始10分までに5本のシュートを放つ。連敗中は慎重な試合運びが目立ち、失点後に反撃に転じるものの1点が奪えない、という試合を繰り返してきたが、この日は最初から良いリズムで攻めることができていた。
鳥取はこの日、システムを4-4-2から、その前に採用していた4-3-3に再変更した。4-4-2変更初戦の草津戦こそ5-0で大勝したものの、その後は4試合連続無得点で連敗と、極度の得点力不足に陥っており、松田岳夫監督は「守備でプレスが効かないことが、得点が奪えない最大の要因」として再変更を決断。これが奏功し、以前と同様にディフェンスラインにバランス良くプレッシャーをかけ、まずは守備から主導権を握ったことが、良い形での攻撃につながっていた。
しかし、横浜FCは15分過ぎから、前線からのチェイシングを緩め、自陣で待ち構える守り方にシフトチェンジ。「行ってもボールが取れないので、中(ピッチ内の選手)で話をして、守備を固めることにした」(藤田優人)という判断が、試合の流れを変える。
横浜FCがブロックを固めてスペースを狭めたことで、鳥取はラインの隙間にパスを通せなくなり、次第に攻めあぐねるようになる。攻撃の停滞は、守備にも悪影響を及ぼした。右から実信憲明、小井手翔太、鶴見聡貴、梅田直哉の4人が並ぶラインの後方に、服部年宏が構えるが、服部の左右のスペースに入り込んだ相手にパスが通り始める。「失点の前から、ポジションチェンジをした後の守備の時に、自分の前に4人いない時間が長くなってしまった」と服部が語ったように、最初のブロックが機能しなくなり、鶴見や小井手が服部と同じラインまで下がって対応しなければならない場面が増えた。
逆に横浜FCは守り方を変えた後、藤田優が「距離感が良くなって、ボールを奪った後につなぎやすくなったと思う」とも語ったように、守備から落ち着きを取り戻し、徐々に本来のパスワークも見られるようになった。37分には野崎陽介のセンタリングから、荒堀謙次がシュート。これは右ポストに阻まれたものの、こぼれ球を拾って波状攻撃を仕掛け、柳沢将之のクロスからのカイオのシュートをGKがはじいたところを、野崎が押し込んで先制点を奪った。
またも先制された鳥取は、4連敗中と同様に1点を追って攻勢に転じた。後半の立ち上がりは追加点を奪われそうなピンチがあったが、何とかしのぐと、ボール支配率で上回ってゴールを目指す。60分に交代で入った岡野雅行が精力的なプレーで反撃ムードを盛り上げ、J2昇格後最多となる8212人が詰めかけたスタジアムの大声援もチームを後押しした。
しかし、そこから先が遠いのも、これまでと同じだった。岸野靖之監督は「鳥取の雑な攻めに助けられた」と語り、松田監督は「丁寧さが足りなかったとは感じていない」と語ったが、何度もゴールに迫ったぶん、顕著に目立ったのはシュートの精度の低さ。鳥取は18本ものシュートを放ったものの、ほとんどが枠を大きく外れており、本当の意味で横浜FCに冷や汗をかかせることはできないまま、最後までゴールを奪えず。実に4試合連続となる0-1での敗戦で、連敗は5に伸びた。
奥山泰裕は、横浜FCの攻撃に対応しながら、自分たちに足りないものの一端を感じていたという。「相手のクロスはピンポイントでは合わないけど、逆サイドに流れたボールに対して、サイドバックやサイドハーフが走ってきている。ウチもクロスは上げているけど、攻めの厚みがないことを、相手のプレーから感じました。クロスが上がってくると思った時に、みんながリスクを負ってでも、強い気持を持って飛び込んでいけるかどうかが、点が入るか・入らないかを分ける。ウチも練習ではやっているんですけど、実戦でやっていかないと」。松田監督は内容に目を向けて「決して下を向く必要はなく、今やっていることを、とにかく続けていくこと。1点入れば、すべて変わると思います」と語ったが、その1点が入らない試合が続いているだけに、どんな形であれ1点が入るまでは、精神的にも厳しい戦いを強いられることになりそうだ。
一方の横浜FCは、立ち上がりの劣勢時に失点して苦戦を強いられる、シーズン序盤を思わせるような試合になりながらも、軌道修正して勝点3をつかんだのは、今後につながるはず。野崎が「最初の頃はやられていたけど、今は声を出しながら我慢できている」と語ったように、本来の粘り強さも見られるようになっている。岸野監督は「何も状況は変わっていないし、こんな内容じゃ、まだまだ厳しいので、もっとこだわっていきたい」と語ったが、少なくとも上位追撃への土台は出来上がったと言っていいだろう。
以上
2011.08.22 Reported by 石倉利英
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