8月13日(土)J1 第21節 広島 vs 名古屋(19:00KICK OFF/広島ス)
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水本裕貴が、チームに戻ってきた。
5月7日、対甲府戦で相手DFと接触し、頭蓋骨骨折・急性硬膜外血腫という大けがを負った元日本代表DF。強さ、速さ、判断の明快さ。あらゆる要素でハイレベルなプレーを示し、あっという間に広島の守備陣の中心となった背番号4を襲った、目を背けたくなるアクシデント。ケガの影響で吐き気をもようしながらもプレーを続けた後半、水本はそれでも闘い抜こうとした。1対1も止めた。ドリブルも止めた。だが、限界が訪れた。
「カズさん、もうダメです」
森崎和幸にそんな言葉をかけた後、56分に水本は交代する。だがもし、この交代がもう少し遅かったとしたら、事態はさらに深刻な方向へと加速していたという。彼自身もわからなかった重大な負傷は、本当にギリギリの状況まで水本を追いつめていたのだ。
それから3ヶ月、黒いヘッドギアをパートナーにして、水本はチームに復帰した。8月7日には中国学生選抜との試合で55分間の出場を果たし、攻守にわたって大きな存在感を発揮。「練習に参加したということは、試合に出られる状態に戻ったということ。不安は、ピッチに入る前には感じていたけれど、試合では忘れている」と意欲を露にした。
正直なところ、広島の守備陣にアクシデントがないかぎり、水本が先発する可能性は低い。ここまで2試合連続完封中。盛田剛平・森崎和幸・森脇良太のトリオは、攻守にわたってチームのベースとなっている。あえて変化を求める必要はない。
ただ、「今季絶望かも」という憶測すら流れ、大きな手術痕が頭部に痛々しく残っていた水本が、厳しいリハビリと胸に迫る「サッカーができるようになるのか」という不安を克服し、戦列に戻ってくれば、選手とサポーターに多大な勇気を与えることになる。
特に今節の相手である名古屋から勝利をつかむには、何よりも勇気が必要だ。前年王者であり、個人能力の高いタレントたちが多数集まっているチームであり、14試合連続負けなしというクラブ記録を更新中と勢いもある。だが、そういう「情報」に腰がひけ、相手をリスペクトしすぎて自分たちのサッカーを忘れてしまうことが、広島にとっては何よりも問題である。
「パスをGKからつなぐ広島のサッカーにはリスクがある。それを受け入れながら、我々は闘う」
ペトロヴィッチ監督の言葉である。ちょっとしたパスミス、コンビネーションミスが、そのまま失点につながってしまうのが、広島のパスサッカーの「リスク」。しかし、そのリスクと引き換えに、創造性や芸術性がつながっていく。美しさと背中合わせにある危険性を受け入れ、それでも前に一歩踏みだす勇気なくして、広島サッカーは実現できない。そして、自らの身体が抱える恐怖心を克服してサッカーに戻ろうとしている水本の復帰は、リスクを背おって一歩前にいく選手たちの背中を、しっかりと支えるものだ。
名古屋には、広島キラー・田中マルクス闘莉王がいる。まるで山脈のような迫力を持つ増川隆洋も、何もないところからゴールを生み出す巨漢・ケネディや、抜群のキレと技術を誇る得点王候補・玉田圭司がいる。攻撃のタクトを握る藤本淳吾のFKは鋭く、怪物ボランチ・ダニルソンのフィジカルは特筆ものだ。J屈指のタレント軍団が、持ち味のサイドアタックだけでなく、コンビネーションも駆使してゴールに迫ってくるのだから、その破壊力は明確。だが、アウェイの戦いで見せたような広島の長短のコンビネーションが爆発すれば、名古屋に十分な脅威も与えられるはず。それは3週間前の瑞穂陸上競技場で、証明している。
明日の試合は、広島ビッグアーチではなく、1993年のJ開幕時にホームスタジアムとして使用していたコカ・コーラウエスト広島スタジアム(通称広スタ)で開催される。2002年以来9年ぶりにJ1の試合が開催されるこのスタジアムは、ピッチとスタンドとの距離が近く、サポーターとチームとの一体感がより実感できるはず。熱い声援を降り注いでくれる「12番目の戦士」たちと共に、紫の戦士たちは王者に挑戦する。
以上
2011.08.12 Reported by 中野和也
J’s GOALニュース
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