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【J1:第21節 山形 vs 甲府】プレビュー:攻守のバランスに苦しむ両チームの対戦。佐久間新監督に代わった甲府に山形はどう対峙するか?(11.08.12)

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8月13日(土)J1 第21節 山形 vs 甲府(19:00KICK OFF/NDスタチケット販売はこちらリアルタイムスコアボード
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開幕前は34分の1だったかもしれないこの試合が、ここまで試合を積み重ねた結果、両チームにとって限りなく重要な試合になった。

大きな変化を迎えたのはアウェイ甲府だ。今月7日付けで三浦俊也監督が退任し、佐久間悟GMが監督に就任した。J1に定着へ守備の構築を期待し招聘したものの、ここまで失点がワースト2位の39失点ということが最大の理由となった。前節まで、いずれも複数失点の3連敗。今となっては、打ち合いの末に4-3と勝利した4節前のG大阪戦さえ、チームからソリッドな部分を削ぎ取った要因と見ることもできる。監督交代に踏み切った直後だけに、その正当性を確かめるためになんとしても結果が欲しいところだが、15位・大宮との勝点差は6とまだ残留への可能性を大きく残している。また、実際は1週間足らずで新しいやり方を導入し、高い精度で90分間やりとおすことは難しい。変化への土台固めの一戦ととらえれば、あるいは山形に対する優位性を考えれば、「ロースコアで勝点1」でも次につなげることはできる。

大宮時代の実績など新旧監督の親和性を考えれば、いきなり大きな変化を加えることも考えにくい。前節ではついにダヴィを先発起用し、GKも荻晃太から今季2試合目の荒谷弘樹を起用した。また、センターバックに金珍圭を入れ、山本英臣をボランチに1列上げる布陣も先発としては初めて導入した。こうしたメンバーや布陣にどの程度手を入れてくるのか、あるいは、サイドハーフをこなせる豊富な人材のなかから誰を起用するのかで、ある程度の狙いは見えてくるだろう。また、そうした布陣とは別に、このところ失いつつあるタイトさをどう取り戻すのかも課題になりそうだ。全体をコンパクトに保ちながら、アプローチでより一層厳しさが増せば、それが今後戦うベースとして確立できるだろう。

ホームの山形は、その甲府から5差の17位とさらに厳しい立場にある。次節の大宮戦も含め、連勝でJ1残留への可能性を残したいところだ。一時は二桁に届こうかという負傷離脱者をかかえていたが、それも徐々に戻ってきている。長く降格圏にいるチームには見えないほど、ウォーミングアップなどでは笑顔も見られ、表面上はふだんどおり集中したトレーニングを積んでいるように見える。

しかし、11日に紅白戦を終えた小林伸二監督の目には「すっごい悪い傾向」が見られたという。「最初のアクションが自分としてはいい動きだったかもしれないけれど、ボールが出てこないことっていっぱいある。でも、そこは出てこなくても、次のところからひょっとして出てくるかもしれない。そこがすごく重要で、『出せ』って言って出なくて取られたら、戻らなアカン。その作業を全員でしないと」
つまりは、一人一人がやるべき細かく地味な作業がおろそかになっているということ。振り返れば前節・鹿島戦でも、そうしたシーンはあった。2失点目、3失点目は、ボールを追い越して走る相手を完全に逃したことが要因となっている。昇格1、2年目、降格確実と目されたチームを残留させたのは、地味でも欠かせないそうした作業をコツコツと続けてきたひたむきさではなかったか。小林監督と同様の話は、宮沢克行の口からも聞かれている。「できたことができなくなるのはおもしろくないですよね。去年できていたことができなくなる。去年やっていたことが、すごい高度なことではなかったと思うし、積み重ねでみんな勝ち取ってきたものもある。そういうことを忘れちゃいけない」

追い込まれた状況のなか、「勝たなければ」「点を取らなければ」という思いを強くすることは悪いことではない。ただ、それが焦りに変わることで、そうした地味で大事な作業はないがしろにされる。目に見えないプレッシャーは、すでに山形をとらえているのかもしれない。そのなかで「チーム」として戦っていけるか。甲府戦は、その試金石として大きな意味を持つ。

山形としては、ハーフナー マイクやパウリーニョなど甲府の前線の個をどのように抑えられるかが守備の大きなポイントになる。特に、ハーフナーに当ててくるロングボールとそのセカンドボールには最大限の集中を必要とする。寄せが甘くなればゴール前に飛び出されたり、ミドルシュートの機会を許すことになる。逆に攻撃では、コンパクトに構える甲府の守備を、中央一辺倒で破ることは難しい。サイドチェンジなどワイドなボールを使いながらどう広げていき、中央の守備を1枚、2枚と剥がしながらフィニッシュの形にもっていくか。まずは守備に最大限の意識を傾注するであろう甲府から先制点を奪うことは容易ではないが、チャレンジしなければ「次」はない。

ともに攻守のバランスに苦しみ、先に失点を許す両チーム。堅い展開も予想されるが、しびれを切らさずに90分間戦い抜くことが求められる。戦う相手は、自分たち自身だ。

以上

2011.08.12 Reported by 佐藤円
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