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【J2日記】横浜FC:劇的勝利をもたらした新星・小野瀬康介。その原動力とこの夏の次の目標は…(11.08.09)

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鋭いドリブル突破で決勝点を呼び込んだ小野瀬康介

なかなかホーム・ニッパツ三ツ沢球技場で勝てなかった横浜FCが、8月7日に行われた第3節の水戸戦ではラストプレーでの得点により劇的な勝利を収めました。バスケットボール用語で言うと「ブザービーター」。ゴールが決まるまでは重苦しい雰囲気に包まれましたが、ゴールの瞬間スタジアムは最高潮に。主審の試合終了のホイッスルが聞こえないぐらいでした。

この得点に大きな役割を果たしたのが、途中出場でJリーグデビューを果たした小野瀬康介選手。実は、8月5日に2種登録されたばかりの横浜FCユース所属の高校生。背番号も40番と非常に大きな番号です。過去に横浜FCユースからトップチームに昇格した選手はいますが、ユース所属中にトップチームの試合に出られる2種登録となったのは、小野瀬選手が初めてです。この試合の前に行われた、日本クラブユースサッカー選手権でも、大きな活躍をしましたし、すでにU−18日本代表の候補にも名を連ねています。岸野靖之監督によると「本人には失礼かもしれないが、試合に出られる選手がいないのでベンチに入れた」ということですが、試合の大事な所で岸野監督が起用を決断するぐらいですから、言葉には出せないものの勝算はあっての起用だったに違いありません。

この日初出場だった小野瀬選手は、なんと試合後のドーピング検査の対象になりました。もちろんJリーグのドーピング検査は初めての経験。ゴール裏のファン・サポーターと喜びを分かち合う時間も十分取れず、ドーピング検査に向かいます。ドーピング検査は、早く終わる場合もあれば、時間がかかる場合も。かかる時間は神に祈るしかないのですが、この日小野瀬選手が検査を終えたのは、試合後2時間ぐらい経ってから。そこから、次はJリーグ初の囲み取材。ここでも小野瀬選手はプレーぶりと同じく堂々とした受け答えをしていました。試合前、そして試合に入る時にはいろんな選手から声を掛けられたそうで、三浦知良選手には「プロとか関係ないから、ユースでやっているようにやれ」と言われたそうです。そして、影の立役者は「チンさん」こと寺田紳一選手。普段からいろいろとアドバイスを受けているそうで、この試合の前にも「周りを気にするな」とかいろいろとありがたいアドバイスを受けていたとのこと。小野瀬選手も「チンさんのお陰です」と言っていました。ただ、これには別のからくりが。試合後、寺田選手が「あれは、俺のお陰。本人にも言っておいて」と語る伏線が。少し、言わされた感じがあったかもしれません。ただ、このエピソードも、チームにとけ込んでいる証拠。昨年の春から、徐々にトップの練習試合にも参加しており、その経験がこの試合に生かされたと言って良いでしょう。目標とする選手は「カカ」、そして「今は当たり前に海外に行く時代。自分も行きたい」と語る小野瀬選手。まずは、次の試合でも、持ち味を発揮して階段を上って行ってほしいと思います。

その小野瀬選手の、この夏、最大の敵は……、学校の夏休みの宿題です。まだやっていないとのこと。プレーに悪影響を与えないように、こちらも早くゴールを決めてほしいです。

以上

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2011.08.09 Reported by 松尾真一郎
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